コラム

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boy メッセージ to CAMP for CAMP from CAMP girl

CAMPの活動に協力してくださる方や、スタッフ・関係者からのメッセージを紹介します。

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第112回目
(2015年12月08日更新)

谷口 多聞/オリックス株式会社

ビジネスにおいて「顧客満足度」という考え方が重視される様になって、随分時間が経ちました。私たち、金融マンにとって「顧客満足度」とは、「早さ」や「安心感」、「お得感」であることが多く、切磋琢磨している訳ですが、ひとつ縁が無いものがあります。それは「楽しんでいただくこと」です。

今年は「こどもたちに野球を知って欲しい」という想いから、CAMPのみなさんと、オリックス・バファローズを舞台にした企画を考えさせていただいたのですが、そこではこの「楽しんでいただくこと」が問われます。しかも相手はこどもたちです。ごまかしがききません。「どうすれば楽しいのか?」「そもそも試合に負けたらつまらないのでは?」と慣れないテーマだけに、不安な気持ちを抱えながら、開催の日を迎えました。

当日、驚きました。最初は緊張した顔色のこどもたちが、ファシリテーターの笑顔につられ、次第に生き生きと、好奇心旺盛な顔に変わっていきます。「球場でかっ!」「野球選手のバットが置いてある!」「頭を撫でて貰った!」「つくったメガホンで応援してたら、野球見るの忘れてた(笑)」私たちの思惑など関係なく、好き勝手に「楽しいこと」を見つけていきます。そこでようやく、「どうすれば楽しんで貰えるか」を考えるのではなく、こどもたちの好奇心を邪魔しないよう、不安や緊張を削いであげることに専念すれば良かったんだ、そのためには自分が楽しめば良かったんだということに思い至りました。

CAMPの活動はまだ参加させていただいて2回目ですが、こどもたちだけではなく、参加させていただく大人たちの気づきの場でもあると思っています。ぜひ私たちも仲間に入れていただきながら、少しずつその輪を広げていければ良いと考えています。

オリックス株式会社 事業法人営業第一部 
入社以来、営業一筋。休日はバファローズを応援する日々も、中々報われることは無く。野球観戦は、たまに勝つ位がおもしろいと思い至る今日この頃です。

第111回目
(2015年10月08日更新)

大村 健/小学生三兄弟の父親

我が家の小5男子二人(双子)と末っ子の小3男子一人がいつも楽しくCAMPワークショップに参加させていただいてます。CAMPのプログラムは4時間ほどありますから、小学生としては集中力が切れて途中で飽きてしまってもおかしくないのですが、いつも「楽しかった~!」と満足して帰ってくることに驚いています。

もちろんCAMPのプログラムには、こどもたちの想像力を掻き立てる工夫、綿密な準備、実際のプログラムの中でのファシリテーターの方々のこどもたちに対する的確なお声掛けなど、そのディテールにおいてCAMPがワークショップとして素晴らしい実践となっていることの理由はいくつも見つけることができます。しかし、それらのディテールとともにCAMPの成功の基礎となっているのは、その協調的問題解決というコンセプトにあるのだと思います。こどもたちはグループ毎に課題を与えられ、その課題は皆で協力し合いながら解決し、最後に晴れの舞台として親も含めた皆の前で発表する。毎回、こどもたちなりに苦労しながらも、最後にはその努力に見合った成果を仲間と共有し、共感する。全くもって素晴らしい体験です。

我が家の三兄弟も何回かワークショップの参加を経るごとに、自信をつけてきたのか発表時の声が大きくなってきたり、成長しているようです。これも全てCAMPワークショップ、ファシリテーターの皆様のおかげです。今後もこの素晴らしい活動をぜひ続けて下さい。

小学生三兄弟の父親

第110回目
(2015年08月07日更新)

大草 芳江/特定非営利活動法人natural science 理事

社会の成熟化に伴い、科学や技術はブラックボックス化し、わたしたちは便利さと引き換えに、科学や技術の“プロセス”を五感で感じる機会を失ってきました。しかしながら、科学や技術のもたらす“結果”のみを一方的に享受するだけの姿勢では、科学離れや科学リテラシー不足などの社会的リスクを回避することはできません。一方で科学と言うと、“結果”ばかりが注目されがちですが、そこに至るまでの“プロセス”にこそ、知的好奇心や論理的思考力をはじめとする、科学的なものの見方・考え方が隠されています。

そこで我々は「科学の“プロセス”をこどもから大人まで五感で体験できる日」をコンセプトに、一般向け科学イベント『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』を2007年から毎年、東北大学(仙台市)を会場に開催しています。本イベントの主旨に賛同いただき2012年から出展いただいているCAMPは、WEB申込受付開始から数時間で予約が埋まるほど人気のプログラムです。その人気の秘密は、科学の“プロセス”をこどもたちが主体的に楽しむことを重視するスタンスにあると思います。まさに知的好奇心は科学の原点。これからも知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造にむけて、ぜひ連携できれば幸いです。

1982年、長崎生まれ。2005年、東北大学理学部卒業。2007年、東北大学大学院生命科学研究科博士課程前期2年の課程中退。2005年、東北大学大学院在学中に有限会社FIELD AND NETWORKを設立、取締役に就任。2007年、特定非営利活動法人natural science を設立、理事に就任。

第109回目
(2015年06月08日更新)

佐藤 亜里紗/株式会社福島銀行 経営企画室

福島銀行でCAMPワークショップの取り組みを始めて、3年が経ちました。記念すべき一回目に参加してくれた小学6年生は、もう中学3年生。そんなことを考えると、大きくなったかな?勉強がんばっているかな?と、なんだか親戚のおばちゃん気分です。

CAMPワークショップで一番感じることは、こどもたちの成長の早さです。うまく自己紹介できなかった子が、発表会では積極的に質問していたり、つくり方を少し助言しただけなのに、道具を使いこなしていたり・・・スピードに違いはあっても、どの子も成長していくのを感じます。
ワークショップの時間は、長いようでもあっという間。でもその短い時間の中で、成長するこどもたちのイキイキとした姿と、帰り際のあの笑顔!私にとって元気をもらえる瞬間です。

4時間というワークショップの時間は、こどもたちの人生にとってわずかな時間かもしれません。それでも、このワークショップの4時間が、こどもたちの心に何かの引っかかりを生み、将来のきっかけになったらいいな・・・そんな思いでいつも開催しています。

このCAMPワークショップの魅力を、もっと福島県のこどもたち・大人たちに知ってもらいたい!未来を担うこどもたちをもっと応援していきたい!!微力ながら今後もがんばっていきたいと思います。

株式会社福島銀行 経営企画室。ちょこっとだけ銀行業務を経験し、現在はワークショップを中心に地域貢献活動に携わる。この夏は、一大イベント『福島わらじまつり』を盛り上げるべく大奮闘!

第108回目
(2015年04月08日更新)

安斎 勇樹/東京大学大学院情報学環特任助教

私は今、ワークショップを専門とする研究者として、こども向けから大人向けまで、さまざまなワークショップを開発し、実践しています。ワークショップをしていて驚かされるのは、CAMPのこどもたちと同じくらい、企業の大人たちもまた、ワークショップにのめり込んでしまうということです。多くの企業では、守らなければいけないルールや競争的な雰囲気の中で、新しいアイディアを生み出しにくくなったり、柔軟な頭で問題を解決できなくなってしまっています。ワークショップの魅力は、いつもとは違う視点で日常を眺めてみることで、それまで気がつかなかった発見をもたらし、問題解決のヒントを与えてくれることです。その発見を仲間と共有しながらコラボレーションするプロセスこそが、ワークショップの楽しさの根源なのです。

私たちが今新たに開発している『CAMPオトダマ○ワークショップ(仮)』は、身の回りのなにげない音の素材を録音し、それをコンピューター上でつなぎあわせることで音の流れを“プログラム”するワークショップです。普段は気がつかなかった音の魅力を発見できるだけでなく、音をメディアにしながら他者とコラボレーションする楽しさを実感できるプログラムになっています。CAMPのこどもたちには「この経験が将来どんなかたちで役に立つのだろう?」と想像しながら、このプログラムを楽しんでもらえたら幸いです。

※CAMPオトダマ○ワークショップは名称変更し、CAMPナリグラムワークショップとなります。

1985年生まれ。東京都出身。私立武蔵高校、東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程満期退学。現在、東京大学大学院情報学環特任助教。
創造性を引き出すワークショップデザインについて研究している。
http://yukianzai.com/

第107回目
(2015年02月06日更新)

朝倉 民枝/株式会社グッド・グリーフ代表取締役/クリエイター

CAMPのみなさんと2つのプロジェクトをご一緒させていただいています。いずれもオリジナル絵本をつくるワークショップです。

ひとつは、インクルーシブな場づくりを行うCollableの山田小百合さんとの三者協働での活動です。障がいのある子もない子も一緒になっておはなしづくりを楽しみ、互いの作品を鑑賞します。こどもたちの作品や取り組みから、思いもかけない時間の捉え方や世界をみる視点に気づかせてもらい、表現の豊かさ、人としての豊かさに触れられます。そして、プロジェクト全体も私にとって学びの場です。導入で行うアクティビティを事前にみんなで試すとき、CAMPのみなさんはこども顔負けの真剣勝負になるのです。当日の時間中も「指導」ではなくこどもの中に入っていきます。一方、絶妙な距離感をとりながら360度にアンテナはりめぐらした心配りで進行されていて、その2つの共存がプロフェッショナルだなぁと感心します。終了後のふりかえりミーティングではこどもたち一人ひとりについてのエピソードを書きだし俯瞰することもしてみました。それら一連が、まるで贅沢なワークショップのようです。

もうひとつは、本格始動はこれからですが、神戸にできた小児がん専門治療施設「チャイルド・ケモ・ハウス」での活動です。闘病中のこどもたちは、身体的な負担のみならず、外出もできず友人とも遊べない非日常な暮らしの中で大きな精神的ストレスにさらされています。物語として外へ出すことで様々な気持ちを解放し、できあがった絵本を家族や院外で待つ友人に贈り喜んでもらえることで前向きな気持ちになれるようです。今後ハウスの利用者が増えてきましたら、さらに活動を充実させていきます。

これからもいろんなシーンで一緒に活動できることがとても楽しみです。

株式会社グッド・グリーフ代表取締役/クリエイター。
「ピッケのおうち」「ピッケのつくるえほん」を開発し、こどもの創造表現活
動を支援する活動を行っている。
http://goodgrief.jp/
http://pekay.jp/

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boy ファシリテーターリレーコラム girl

CAMPで活動するファシリテーターが、ワークショップへの想いを語ります。

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第14回目
(2004年12月07日更新)

もり ひでき

ファシリテータ-としてワークショップに参加していると、こどもたちの様子を肌で感じることができます。真剣なまなざしで作品づくりに集中しているこどもたち。何度も何度も失敗しながら、でも繰り返し挑戦し続けるこどもたち。輝くような表情で「見て見て!」と作品を見せてくれるこどもたちの様子に、いつも元気づけられています。「楽しかった!」「また、やりたい。」「今日は、久しぶりに頭を使った!(普段、どんな頭を使っているのか少々心配でもありますが・・)」といい残して帰っていくこどもたちの後姿を見ながら、準備や運営に走りまわって少々へとへとになっている体と、なんともいえない充実感と余韻の組み合わせが、自分にとってワークショップの魅力でもあります。参加者にとっても、運営する私たちにとっても魅力的なワークショップ。「ワークショップのよさをもっと解明したい。」最近、そんなことを考えています。これからCAMPでも少しずつではありますが、ワークショップをテーマにした研究活動を行っていきたいと思っています。また、いろいろな場で皆さんにもご報告できればと思います。

第13回目
(2004年11月10日更新)

いちはし ゆき

あかるいほうへ
CAMPでこどもたちと過ごした時間は私の宝物です。ワークショップへやってきた多くのこどもたちは、言いました。「はじめはできないと思ったけれど、できてうれしかった」そして、こんな風に言っていたこどもたちがいつの間にか、できないとは思っていなくなっている、ということを初めて知った時、驚きと喜びでいっぱいになったことを覚えています。子どもたちの明るさがそうさせたのだと思いはじめました。
 
子どもたちの内側の明るさは、自分の内側を照らすだけではなくて、周りをも照らしているようです。明るさの効果は偉大だと思います。夢を持つことができ、そして、その夢が叶うことを疑わずに一生懸命考え、失敗を恐れず行動に移し、努力します。そんな子どもたちから、私はたくさんの明るさをわけてもらいました。
 
私は、今、CAMPを旅立とうとしています。これからはイタリアの地で絵画の制作と研究に励むことになります。たくさんの明るさや、勇気を分けてくれた子どもたちに感謝して、また会える日を楽しみに待ちたいと思います。その頃には、こどもたちはこどもたちではなくなっているかもしれません。大好きなみんなが日々成長していく姿を、見守り続けることができないことはとても残念だけれど、みんなからもらった明るさを信じ、進みたいと思います。

あかるいほうへ、あかるいほうへ。

CAMPから飛び立つ、1粒の、たんぽぽの綿毛は、みんなと一緒に過ごした日々を大切な宝物にしています。そして、いつかまた、会える日を楽しみにしています。

子どもたちと同じくらい、素晴らしい仲間に出会えたこと、明るい世界を持った大人に出会えたこと。アイデアを出し合い、意見を交換しあい、そして高めあった時間。失敗を共に悔しいと思い、喜びをいっそう大きくして分け合ったこと。私のもう1つの、大切な宝物。

第12回目
(2004年10月14日更新)

うえのうけんじ

こどもの発想力といっても大人にかなうわけない。こどもはすごいと言いつつも、どこかでそう思っていました。作業の丁寧さ、出来上がりの完成度。やっぱりそうだ、「こども」として見ているからこどもなのにすごい、ってなってる。

それでもすごいっと感じてしまう改めて考える。なんで、すごいって感じてしまうんだろう?予想外のアイデアに出会ったとき、その瞬間「お!」という言葉がもれている。精度ではなくアイデアを出すという点ではこどもも大人も公平。見てきたものも、考えてることも違う別人。対等だ。良いアイデアなんだ。

そのアイデアを出したのが大人だったらどうだろう?悔しくてあんなのすごくないって思うかもしれない。あの人はすごい人だねーとおもうかもしれない。前者には、良いものを認める素直さと自分は思いつかなかったと認める勇気が、後者には、自分ならどうだろうと考える向上心と未知の分野に対する好奇心が、それぞれ少しばかり足りなくなっているんじゃないか?こどもの作品の中にあるアイデアは素直にキラキラと輝いてみえて、その集中力と表情、「おもしろそう!」という一言が生きるエネルギーに満ち満ちていて、思わず微笑んでしまう。「楽しそう!」

こどもは活動を見る僕の「いい格好しい」の部分を取っ払って「やる気」を惜しげもなくくれる。う~む…。
「みんな、ありがとう、大好き!」としか言えません!

第11回目
(2004年09月14日更新)

にしおか たける

初めてCAMPに顔を出した時のこと。

ファシリテーター?
初めて聞く言葉が、CAMPでの自分の立場。その日はなんのこっちゃ分からない状態で終了。

家に帰り、早速久しく開いてない英和辞典を引く。
facilitate:(行動などを)促進する
なるほど、こども達の創作活動を促進すればいいわけね!言葉をかけて、やる気を起こさせればいいわけだ。なんだ、俺得意じゃん。

ところが、人生そんなに甘くない。

あるワークショップでのこと。
素材を手にしたままいっこうに作業を始めない子がいた。よっしゃ!いっちょ声をかけて一緒に作っていこう。しかし、どんなに声をかけても、やはり手を動かしてくれない。自分以外のファシリテーターもその子のことは気になるのか入れ替り立ち替り声をかける。しかし、やはりだめ。

そんな時、ファシリテーターの一人がこう言った。
ほっとこう
まじですか?と内心びくびくしながらも、ほっといてみた。
やはり、手は動かない。

もう終わっちゃう…。

その時、遂にその子の手が動いたのだった。

僕達ファシリテーターは、やろう、やろうと声をかけてこどもの創作活動を促すことは必要です。しかし、時には前述のようなこども達を信じて見守るということも必要なのではないでしょうか。こども達はやらないのではなく、思考しているのかもしれません。思考することは目に見えない創作活動なのです。それを汲み取ってあげることはとても難しいことですが、僕達ファシリテーターには必要なことだと思います。

「無言のfacilitate」
それが、僕がCAMPに参加して一番印象深く学んだことです。

第10回目
(2004年08月18日更新)

こうた じゅんこ

小さいころの夢って、おぼえていますか?

私は幼稚園のころは「お姉さん」(妹だったので)、小学校低学年は「せんせい」、小学校高学年は「動物園の飼育員」「獣医さん」「音楽家」、中学になってからは特になく、高校になると「デザインの仕事」。脈絡のない夢は、いつの間にか「デザイン」に絞り込まれ、最終的には「デザイン」→「インテリアデザイン」→「プロダクトデザイン」となりました。「おもちゃデザイナー」を経て、今の職業はといえば、「ワークショップデザイナー」兼「グラフィックデザイナー」。

CAMPのワークショップでは、いろいろなテーマをとりあげています。先日の「サマーハウス」ワークショップでは、建築をテーマに、こどもたちは図面を描いたり模型を作ったりする工程を経て、家を建てました。参加者のお母さんの感想に、「先日まで生物学者になると言っていたのが、建築家になりたいと言っていました」と書いてくださっていました。それを読んだ瞬間、ワークショップでの疲れがふっとびました!CAMPで体験したことを、夢のひとつにしてもらえることは本当に嬉しい!

夢を思い描き続ける力は未来をつくっていくと思っています。夢が叶わないことがあるかもしれない、苦しい思いをするかもしれない。それでも、夢を持つことはステキなことです。

今の私の夢は、CAMPに来るこどもたちの夢の種になるようなワークショップをたくさん!考え続けることです。今、皆さんは夢がありますか?
 

第9回目
(2004年07月09日更新)

やまざき さほこ 

「見て、見て!」こどもの声にふりむくと溢れんばかりの笑顔!
こどものできないことをお手伝いしたとき「ありがとう!」の元気な声!
まだ慣れないCAMPのワークショップ。
どきどきの私。
そんなこどもの反応に少しだけ緊張がほぐれる。
そのときのファシリテータは、たぶん私ではなくてこども。
いろいろな体験をし、おとなになりこどもの時にできなかったことができるようになったこともあるけれど、逆にできたことができなくなったこともある。

私たちおとなは、自分の体験を活かしファシリテートをする一方で、こどもから自分が忘れてきている何か、失ってしまった何かを得るファシリテートをされている気がする。私も元気にこどもに伝えたい「ありがとう!」と・・・。

第8回目
(2004年06月10日更新)

こんどうかずま

少し前に学習講座のCMで算数の問題が出ていました。

7 + 3 = □
□ + □ = 10

「上は日本での算数の問題。」
「下はイギリスなど欧米諸国での問題。」

とナレータの声。

上の日本の問題では、考えないでも回答が可能。しかし欧米諸国の問題は自分で考えなければ回答を導き出せない。

「確かに考える力を養うには下の問題だろう」
と私は感じたが、きっと同感だった人も多いのではないか?

ファシリテータとして、どんな風に伝えたら良いのか。きっとひとつの答えではないことは分かってきているが、ファシリテータは常に悩むことを忘れてはいけないのだと感じています。

第7回目
(2004年05月07日更新)

くさかなつこ

あなたは、何かに夢中になっている時の自分の顔を見たことがありますか?
   
私は、ワークショップで写真を撮る係になることがあります。
   
こどもたちが生き生きと何かに夢中になっているときの顔を私は、
「いい顔」 とよんでいます。
  
「いいこと考えた!」の顔
「どうしよう・・・」の顔
「おもしろい!!」の顔
「なんで?」の顔
「すごいな!」の顔
  
一日のワークショップでシャッターを押す回数は、数百回。
部屋の中は、「いい顔」でいっぱいになります。
  
私は、その写真で何ができるでしょう?
写真は、動いてゆく時間をとどめておくことができます。
  
一日の終わりに、
「あぁおもしろかった!」のあなたにも
「うまくいかなかったな・・・」のあなたにも
  
この時、楽しかったな。
まわりの友達は、こんなことしててんな。自分のこんな顔はじめて見たわ。
  
そんなことを感じながらCAMPで過ごした一日を思いかえす時間のお役に立てたらいいなと思っています。

第6回目
(2004年04月09日更新)

いしかわ さよ

一体どこからそんな発想が出てくるの!?

毎回、ワークショップに参加する度に、大人顔負けのアイデアに驚かされます。子どもたちのアイデアに、ほんの少しテクノロジーや講師の方のエッセンスが加わるだけで、さらに個性豊かな作品が勢ぞろい。出来上がった作品を「こんなのできたよ!」と満足気に説明してくれる子の顔をみると、思わずこちらまで顔がほころんでしまいます。例えば、クリケットワークショップではプログラミングをすることで、子どもたちの作ったおもちゃが思い通りに動いたり、光ったりするので、「僕(私)でもこんなおもちゃが作れた!」と自分自身に驚いている子を多く見かけます。どのワークショップにも共通することですが、出来上がった作品を子供たちが見た時に、自分自身の持っている力に気づいて「オッ!」と息を呑む瞬間を見ることができるのもファシリテーターの醍醐味といえるでしょう。
子どもたちにとって、一回一回のワークショップの経験は小さな出来事なのかもしれませんが、そこで得た小さな自信が糧となり、大きな自信へと繋がっていくことを願ってやみません。その子どもたちの充実した経験を少しでもお手伝いできればと思っています。
  

第5回目
(2004年03月11日更新)

ますだたみ

子ども達のアイディアがひらめく瞬間に立ち会えることや、初めて会った子ども同士が、共同作業をすることでいつの間にか友達になっていること。そんなシーンを垣間見れるのがファシリテーターをやれてよかったと感じられる瞬間です。

先日東京で行われたCAMPのクリケットワークショップに集まった子どもたちは最初、期待と不安の入り混じった緊張した面持ちにみえました。はきはきと元気な子もいるけど、もじもじ気味の子、「友達できるかなぁ」とつぶやいていた男の子もいて、大丈夫だよと励ましつつはじまったワークショップでした。

初対面の子どもたちでのグループ制作は大丈夫かな?パソコンの操作もできるかな?素材もたくさん用意してあるけど、使ってくれるかな?そんな私の心配は、いざ始まると子どもたちによって吹き飛ばされました。思いがけないアイディアもあり、協力、分担しあって、着々と作品ができていくことには驚きです!

ハイテクでもアナログでも、創作活動を通した共同作業で協力しあう体験は、社会の基本となる人の関係を大事に思うきっかけになるのではないでしょうか。なんて、難しい事は言わなくても、ワークショップの最後にはまるで以前からの友達のようにうちとけた子ども達の姿が見られた東京での1日でした。

第16回目
(2004年02月15日更新)

もりもとまき

ガタンゴトン…ガタンゴトン…
  
ドキドキ…ドキドキ…
  
自宅から大川センターまで電車に揺られること約2時間。朝起きてからワークショップが始まるまで緊張すること約○時間。どんなに朝早くても、電車の中では目がパッチリ。
「今日はどんな1日になるのかな」
「どんなこども達と出会えるのかな」
そんなことを考えていると、一瞬で大川センターに着いてしまいます。ワークショップが始まるその時まで緊張しっぱなしです。その時まで…。
  
「こんにちは!」笑顔でワークショップの主役達が到着。すると、プチッ!て糸が切れたように私の緊張がほぐれてしまいます。こども達の笑顔につられて私も笑顔に…よし!頑張ろう!て気合を入れてもらっています。そして、ファシリテーターとしてCAMPに来てから様々なこどもの発見がありました。いろいろなこども達の表情を見ることができたのも1つ。そして何より、こども達の声です。
  
「こんにちは!」
  
「見て!見て!」
  
「出来たよ!」
  
「ちょっと手伝って!」
  
「ありがとう!」
  
こんなに人の声って、心に響くものだっけ?どうしてこどもの声って人の心に素直に響くのだろう…。不思議だなぁ。  
  
自分の中で新たな発見・疑問ができたからには追求したい。これからもたくさんのこども達と触れ合い、たくさんの“表情”と向き合い、そしてたくさんの“声”と出会っていきたいと思います。

第4回目
(2004年02月12日更新)

むらたきょうこ

はじめの第一歩。

「僕は、楽器を習ってないし、音楽は苦手だし、いつもはまったく興味がありません。でも、このワークショップはおもろしろそうだから来てみた。」
11月のハイパースコアのワークショップに参加したある男の子が自己紹介のとき言った言葉です。

なんだかとても染みました。

トライする前にそれは無理、とあきらめてしまったり、時間がないから、と目をつむったり・・・自分と趣味や興味を持つものが違う人には、壁をつくってしまったり・・・おもしろいかもしれないのに・・・・もったいないっ!

だから、ここに来るこどもたちには、CAMPを通して、一緒に過ごす友達を通して、やっぱり苦手かもしれない、でも案外おもしろいかもしれないいろんな世界をちょっとのぞいて見て、いろんなことを感じて「楽」習していってほしいと思います。そして、そこからはじまる第一歩が二歩目へつながるように、より楽しくおもしろくなるようにファシリテートしていけたら、と思います。

第3回目
(2004年01月08日更新)

もりひでき

こどもには、かなわない。

ワークショップでこどもたちを見ていると、いつも感じます。好奇心や集中力、そして何かを学び取ろうとする力。こどもたちが、生まれながらに持っている本当にすばらしい能力です。ワークショップの中では、いろいろなことが起きています。

「どうしてそんなの見つけられたの?」と、大人の私たちにはできないような発見をしたり。「・・・?」と、びっくりするようなことにこだわりを持ったり。うれしそうに「見てみて!」といいながらつくったものをお互いに見せあったり、一緒に遊んでみたり。(何かちょっといい「モノ」ができると無性に見せたくなるのは不思議です。)「すごい!」と思ったことは、大きな声に出して感心してみたり。「おもしろい!」と思ったことには、思いっきり笑ってみたり。そんな「いいアイデア」を横目で眺めながら、こそっとまねしてみたり。こどもたちって、本当にすごいです。悔しいですが、ちょっと自分には真似できないことばかり。(ワークショップの時は、意地を張って無理してみますが。)

自分でも気づかぬうちに、大人未満の存在として「こども」を見てしまいがちです。もちろん、大人と比べると未発達なこどもを、守り育てていくのは私たち大人の責務だと思います。でも実は、こどものほうが「すごい」こともたくさんあることを、日々感じます。

2003年