コラム

コラム

boy メッセージ to CAMP for CAMP from CAMP girl

CAMPの活動に協力してくださる方や、スタッフ・関係者からのメッセージを紹介します。

2019年

2018年

2017年

2016年

2015年

2014年

2013年

2012年

第93回目
(2012年10月09日更新)

岡田 直子/ひかりだい放課後児童クラブ指導員

 私が勤めている児童クラブでは、毎日小学1年生から4年生までの約60名のこどもたちが放課後を過ごしています。CAMPワークショップに参加するのは、昨夏に続き2度目です。前回は無理をお願いして約40名でCAMPくうそう・しょくぶつ・図鑑ワークショップにチャレンジさせていただいたのですが、人数が多くて大切な発表会の時間が足りなくなり反省点となりました。
 そしてこの春、CAMPのワークショップチラシとにらめっこしている私を見たこどもたちが「今年も行けるん?楽しかったよな」と。これで決まり!早速お願いしてみましたところ快諾してくださり、今回は約45名(小学2年生以上)が2日にわかれ、CAMPかみかみハンズワークショップを開催することになりました。
 素敵な環境の中、たくさんの素材を目にしたこどもたちのうれしそうな表情はなんともいえません。けれど実際に制作や発表をするとなると途端に困った顔になってしまいます。
 今のこどもを取り巻く環境はとてもきびしく、土日や学校が終わっても塾や習い事でがんじがらめ状態。そのご褒美?にゲームを与える保護者も多く、何かに依存しないで過ごすという時間が皆無といってよいほどです。当然想像力を使って作業をしましょう、となると困ってしまう子が多く、それは私の心配するところでもあります。
 児童クラブでの長期休暇は沢山時間がありますので、想像力を使って、創造力を養うことができる取組みを入れていくことができれば、この子たちの未来に少しは役立つのではないかと思っています。そして、そのチャンスを頂ける場のひとつがこのワークショップだと感じています。
 普段児童クラブでの取り組みを企画していると、どうしても欲張ってしまい、時間に追われがちですが、3分がまん!こどもたちの想像力を引き出し、見守れる素敵なファシリテーターになれるよう努力したいと思います。
 大川センターの皆さんには温かく迎えていただき感謝しております。これからもこどもたちの未来のためにがんばっていただきたいです。

岡田 直子(おかだ なおこ)
ひかりだい放課後児童クラブ指導員。学校でも、家でもたぶん見せないであろうこどもの態度、様子に時々遭遇。「安心、安全に楽しく過ごす」をモットーに日々奮闘しています。

第92回目
(2012年09月07日更新)

木原 俊行/大阪教育大学教育学部教授

教員志望学生のワークショップ体験
-学ぶことの楽しさとそのスタイルの多様性を実感する-

私は、大阪教育大学で、未来の教師たちに、教育学を講じています(大学院では、現職教員を指導しています)。彼らは皆、教師になりたくて、様々な努力を重ねています。教育学の講義では、教育の理念と実践を多面的に考察しています。また、学習指導法に関する講義では、模擬授業等に取り組んで、教科指導の理論と方法を習得しています。次いで、教育実習では、キャンパスで獲得した知識や技能を発揮するとともに、児童・生徒との関係づくり等にもチャレンジしています。さらに、一部の学生は、インターンシップの制度の下で、毎週、学校現場に通い、臨床の知を蓄積しています。

そのような教員志望学生に、CAMPのスタッフのご厚意により,私の講義「教育実践の研究Ⅱ」で、ワークショップを体験してもらっています。この講義は、教育方法の現状を理解するためのものです。学生たちは、ワークショップ体験(CAMPくうそう・しょくぶつ・図鑑ワークショップ)の前に、様々な教育方法の存在やその特長と課題について会得しています。そんな学生たちに、ワークショップ体験は、教育方法に関する、新たな視座を提供してくれます。

「くうそう・しょくぶつ・図鑑ワークショップ」を体験する中で、学生たちは、「第3の学び」の存在とその可能性に気づきます。例えば、学習環境デザインの重要性です。CAMPのスタッフは、ワークショップのために、多様な素材や道具を用意してくださいます。彼らは、「あれを使おうかな」「これでやってみたらどうだろう」と作品づくりのアイディアを膨らませます。それは、彼らにとって、学校で一般的に実施されている、教科書等の限られた教材・教具による指導を相対化する契機を与えてくれます。その他にも、彼らは、ワークショップ体験において、学習のパートナーや学習課題(このワークショップの場合は、どのタネを選ぶか)がくじ引き等で偶発的に決められるという即興性を楽しみます。ワークショップの終末においてファシリテーターが撮影した活動の様子の映像を目にして、活動記録とそれに基づくリフレクションの重要性を認識したりもします。

これらは、ワークショップ体験における、教員志望学生の気づきや学びの一端です。ワークショップ体験は、教員志望学生に、学ぶことの楽しさとそのスタイルの多様性を実感させてくれる、換言すれば、学びの世界の奥深さを示唆してくれる、よき時間となっています。

木原 俊行(きはら としゆき)
広島県三原市に生まれる。大阪大学人間科学部を卒業、同大学院人間科学研究科博士後期課程を中途退学。博士(教育学)。大阪大学人間科学部助手、岡山大学教育学部講師・助教授、大阪市立大学大学院文学研究科助教授を経て、大阪教育大学教育学部教授。主たる研究領域は授業研究や教師教育を中心とする教育工学、教育方法学。全国の小中学校、教育委員会・教育センターと共同で、授業改善やカリキュラム開発、教員の力量形成の支援等に取り組む。

※このワークショップ体験授業は東京大学情報学環山内祐平研究室とCAMPの共同研究「ワークショップに関する理解向上を目的とした教員養成授業パッケージ」をベースに実践されています。
⇒http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/affiliate/camp/

第91回目
(2012年06月08日更新)

安本 慧/福島市子どもの夢を育む施設「こむこむ」

私がCAMPワークショップを最初に体験したのは、昨年当館で行われた「ファシリテーター研修」でのことでした。研修ではワークショップの進行についての講義や、自分がワークショップの参加者として作品を作成したのですが、長時間のワークショップを体験することが初めてだった私にはとても刺激的な体験でした。参加者としてどんどん熱中していき、「もうこんなに時間が経っていたのか!」と驚いたことを今でも覚えています。

その後、当館でもCAMPのワークショップを実施することになりました。最初たくさんあった問題点は回を重ねるごとに減り、参加者は次第に増えていき、今では続けて参加するこどももいるほどの人気のワークショップとなりました。

CAMPのワークショップの良いところは、こどもたちの発想を大きく広げる仕組みがあることだと思います。ワークショップの種類・実施の時間・作品づくりのための材料等に共通して存在する豊富さ。そしてそれらとこどもたちがマッチするように、丁寧にサポートをするファシリテーターの役割。このような仕組みによって、思い描いた発想がどんどん広がっていき最後には満足そうな表情をして帰っていくこどもたちを、私は何度も見ることができました。

CAMPワークショップがもたらす、こどもたちだけでなく、実施するファシリテーターも味わえる発見や驚きが、これからも様々な場所で生まれることを楽しみにしています。

安本 慧(やすもと けい)
昭和63年生まれ 武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒
株式会社トータルメディア開発研究所
福島市子どもの夢を育む施設「こむこむ」でワークショップの企画・運営を担当
⇒http://www.comcom-fukushima.jp/

第90回目
(2012年04月10日更新)

久保 桂子/鳥見小学校 教諭 

 教室のお別れ遠足でCAMPのワークショップに行くことになって、初めてワークショップについて知りました。始めはコンピューターを使って動くおもちゃをつくるなんてとてもじゃないけど無理だろうと思っていました。でも、何回も綿密な打ち合わせを重ね、実際にCAMPのワークショップも見学させていただいて、だんだん楽しみになってきました。

 当日、広い大川センターの中に入って来たこどもたちは本当に嬉しそうで、ワクワクしているようでした。いつもは話を聞くことが苦手なこどももファシリテーターの話を熱心に聞いていました。グループのみんなでテーマを決めて、おもちゃの設計図を描いていきます。自分の意見を押し通すこともなく、みんなで意見を出し合い擦り合わせながら一つの物にまとめていくことができました。様々な素材の中から必要な物を選びながら熱心に考えて作品をつくりあげる姿に、真剣なまなざし、丁寧な作業、協力する姿勢を見いだし、こどもたちの持つ無限の可能性を感じました。始めは何ができるのか不安でしたが、できあがってみるとそれぞれのグループで素晴らしい作品が完成していました。いよいよプレゼンテーションです。みんなの前で発表することもこの1年間授業の中で頑張ってきましたが、その成果がしっかり現れていました。分担を決めながら大きな声でしっかりと発表することができました。ここまで成長しているこどもたちを見ることができて私は目頭が熱くなりました。
 お別れ遠足でCAMPワークショップに参加することができたことで、こどもたちは「話し合う力」「協力する力」「発表する力」「友だちの思いを受け止める力」・・・等たくさんの宝物をもらったように思います。本当に素晴らしい体験ができました。また、大川センターのスタッフの方々のきめ細やかな心配りに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

久保 桂子(くぼ けいこ)
鳥見小学校 教諭 

第89回目
(2012年02月09日更新)

鈴木 潤/SCSK株式会社 人事企画部 人事企画課 新卒採用担当

本来はこども向けであるクリケットワークショップを、SCSKでは新卒採用や新人教育にも活用しています。

新卒採用では会社説明会の一環として実施しています。学生向けに開催する目的はあくまでも会社理解を深めるため。当社独自のCSR活動であるCAMPを体験することで、会社の考え方の一端を理解してもらいたいと思っています。

ワークショップ開始時には「もしかしたら、これも選考なのではないか?」と疑心暗鬼だった学生たちも、チームで制作物に関する作戦会議をし、実際に工作やプログラミングを始めると就職活動を忘れて熱中します。リクルートスーツを着ながら行うクリケットワークショップは独特の雰囲気です。

会社説明会で初めて出会った学生同士。当然最初はお互いへの遠慮や選考への不安があります。そんな気持ちがたった数時間で払拭され、気軽にコミュニケーションを取れる状態になる。その感覚を得られることこそがワークショップの醍醐味で、そのことに感動した学生の中には選考とは関係なく、CAMPファシリテーターへ応募する人もいます。

就職活動の緊張を一瞬和らげ、チームワークの楽しさを感じ、発想の柔軟さを思い出す。CAMPの活躍範囲はとても広いです。

鈴木 潤(すずき じゅん)
SCSK株式会社 人事企画部 人事企画課 新卒採用担当
金融業界で営業、人事を経験後、2006年CSKシステムズ(現SCSK)へ入社。
前職と合わせて8年以上新卒採用に携わる。家族は妻1人、息子2人。

2011年

2010年

2009年

2008年

2007年

2006年

2005年

2004年

2003年

boy ファシリテーターリレーコラム girl

CAMPで活動するファシリテーターが、ワークショップへの想いを語ります。

2020年

2019年

2018年

2017年

2016年

2015年

2014年

2013年

2012年

2011年

2010年

2009年

2008年

2007年

2006年

2005年

2004年

第14回目
(2004年12月07日更新)

もり ひでき

ファシリテータ-としてワークショップに参加していると、こどもたちの様子を肌で感じることができます。真剣なまなざしで作品づくりに集中しているこどもたち。何度も何度も失敗しながら、でも繰り返し挑戦し続けるこどもたち。輝くような表情で「見て見て!」と作品を見せてくれるこどもたちの様子に、いつも元気づけられています。「楽しかった!」「また、やりたい。」「今日は、久しぶりに頭を使った!(普段、どんな頭を使っているのか少々心配でもありますが・・)」といい残して帰っていくこどもたちの後姿を見ながら、準備や運営に走りまわって少々へとへとになっている体と、なんともいえない充実感と余韻の組み合わせが、自分にとってワークショップの魅力でもあります。参加者にとっても、運営する私たちにとっても魅力的なワークショップ。「ワークショップのよさをもっと解明したい。」最近、そんなことを考えています。これからCAMPでも少しずつではありますが、ワークショップをテーマにした研究活動を行っていきたいと思っています。また、いろいろな場で皆さんにもご報告できればと思います。

第13回目
(2004年11月10日更新)

いちはし ゆき

あかるいほうへ
CAMPでこどもたちと過ごした時間は私の宝物です。ワークショップへやってきた多くのこどもたちは、言いました。「はじめはできないと思ったけれど、できてうれしかった」そして、こんな風に言っていたこどもたちがいつの間にか、できないとは思っていなくなっている、ということを初めて知った時、驚きと喜びでいっぱいになったことを覚えています。子どもたちの明るさがそうさせたのだと思いはじめました。
 
子どもたちの内側の明るさは、自分の内側を照らすだけではなくて、周りをも照らしているようです。明るさの効果は偉大だと思います。夢を持つことができ、そして、その夢が叶うことを疑わずに一生懸命考え、失敗を恐れず行動に移し、努力します。そんな子どもたちから、私はたくさんの明るさをわけてもらいました。
 
私は、今、CAMPを旅立とうとしています。これからはイタリアの地で絵画の制作と研究に励むことになります。たくさんの明るさや、勇気を分けてくれた子どもたちに感謝して、また会える日を楽しみに待ちたいと思います。その頃には、こどもたちはこどもたちではなくなっているかもしれません。大好きなみんなが日々成長していく姿を、見守り続けることができないことはとても残念だけれど、みんなからもらった明るさを信じ、進みたいと思います。

あかるいほうへ、あかるいほうへ。

CAMPから飛び立つ、1粒の、たんぽぽの綿毛は、みんなと一緒に過ごした日々を大切な宝物にしています。そして、いつかまた、会える日を楽しみにしています。

子どもたちと同じくらい、素晴らしい仲間に出会えたこと、明るい世界を持った大人に出会えたこと。アイデアを出し合い、意見を交換しあい、そして高めあった時間。失敗を共に悔しいと思い、喜びをいっそう大きくして分け合ったこと。私のもう1つの、大切な宝物。

第12回目
(2004年10月14日更新)

うえのうけんじ

こどもの発想力といっても大人にかなうわけない。こどもはすごいと言いつつも、どこかでそう思っていました。作業の丁寧さ、出来上がりの完成度。やっぱりそうだ、「こども」として見ているからこどもなのにすごい、ってなってる。

それでもすごいっと感じてしまう改めて考える。なんで、すごいって感じてしまうんだろう?予想外のアイデアに出会ったとき、その瞬間「お!」という言葉がもれている。精度ではなくアイデアを出すという点ではこどもも大人も公平。見てきたものも、考えてることも違う別人。対等だ。良いアイデアなんだ。

そのアイデアを出したのが大人だったらどうだろう?悔しくてあんなのすごくないって思うかもしれない。あの人はすごい人だねーとおもうかもしれない。前者には、良いものを認める素直さと自分は思いつかなかったと認める勇気が、後者には、自分ならどうだろうと考える向上心と未知の分野に対する好奇心が、それぞれ少しばかり足りなくなっているんじゃないか?こどもの作品の中にあるアイデアは素直にキラキラと輝いてみえて、その集中力と表情、「おもしろそう!」という一言が生きるエネルギーに満ち満ちていて、思わず微笑んでしまう。「楽しそう!」

こどもは活動を見る僕の「いい格好しい」の部分を取っ払って「やる気」を惜しげもなくくれる。う~む…。
「みんな、ありがとう、大好き!」としか言えません!

第11回目
(2004年09月14日更新)

にしおか たける

初めてCAMPに顔を出した時のこと。

ファシリテーター?
初めて聞く言葉が、CAMPでの自分の立場。その日はなんのこっちゃ分からない状態で終了。

家に帰り、早速久しく開いてない英和辞典を引く。
facilitate:(行動などを)促進する
なるほど、こども達の創作活動を促進すればいいわけね!言葉をかけて、やる気を起こさせればいいわけだ。なんだ、俺得意じゃん。

ところが、人生そんなに甘くない。

あるワークショップでのこと。
素材を手にしたままいっこうに作業を始めない子がいた。よっしゃ!いっちょ声をかけて一緒に作っていこう。しかし、どんなに声をかけても、やはり手を動かしてくれない。自分以外のファシリテーターもその子のことは気になるのか入れ替り立ち替り声をかける。しかし、やはりだめ。

そんな時、ファシリテーターの一人がこう言った。
ほっとこう
まじですか?と内心びくびくしながらも、ほっといてみた。
やはり、手は動かない。

もう終わっちゃう…。

その時、遂にその子の手が動いたのだった。

僕達ファシリテーターは、やろう、やろうと声をかけてこどもの創作活動を促すことは必要です。しかし、時には前述のようなこども達を信じて見守るということも必要なのではないでしょうか。こども達はやらないのではなく、思考しているのかもしれません。思考することは目に見えない創作活動なのです。それを汲み取ってあげることはとても難しいことですが、僕達ファシリテーターには必要なことだと思います。

「無言のfacilitate」
それが、僕がCAMPに参加して一番印象深く学んだことです。

第10回目
(2004年08月18日更新)

こうた じゅんこ

小さいころの夢って、おぼえていますか?

私は幼稚園のころは「お姉さん」(妹だったので)、小学校低学年は「せんせい」、小学校高学年は「動物園の飼育員」「獣医さん」「音楽家」、中学になってからは特になく、高校になると「デザインの仕事」。脈絡のない夢は、いつの間にか「デザイン」に絞り込まれ、最終的には「デザイン」→「インテリアデザイン」→「プロダクトデザイン」となりました。「おもちゃデザイナー」を経て、今の職業はといえば、「ワークショップデザイナー」兼「グラフィックデザイナー」。

CAMPのワークショップでは、いろいろなテーマをとりあげています。先日の「サマーハウス」ワークショップでは、建築をテーマに、こどもたちは図面を描いたり模型を作ったりする工程を経て、家を建てました。参加者のお母さんの感想に、「先日まで生物学者になると言っていたのが、建築家になりたいと言っていました」と書いてくださっていました。それを読んだ瞬間、ワークショップでの疲れがふっとびました!CAMPで体験したことを、夢のひとつにしてもらえることは本当に嬉しい!

夢を思い描き続ける力は未来をつくっていくと思っています。夢が叶わないことがあるかもしれない、苦しい思いをするかもしれない。それでも、夢を持つことはステキなことです。

今の私の夢は、CAMPに来るこどもたちの夢の種になるようなワークショップをたくさん!考え続けることです。今、皆さんは夢がありますか?
 

第9回目
(2004年07月09日更新)

やまざき さほこ 

「見て、見て!」こどもの声にふりむくと溢れんばかりの笑顔!
こどものできないことをお手伝いしたとき「ありがとう!」の元気な声!
まだ慣れないCAMPのワークショップ。
どきどきの私。
そんなこどもの反応に少しだけ緊張がほぐれる。
そのときのファシリテータは、たぶん私ではなくてこども。
いろいろな体験をし、おとなになりこどもの時にできなかったことができるようになったこともあるけれど、逆にできたことができなくなったこともある。

私たちおとなは、自分の体験を活かしファシリテートをする一方で、こどもから自分が忘れてきている何か、失ってしまった何かを得るファシリテートをされている気がする。私も元気にこどもに伝えたい「ありがとう!」と・・・。

第8回目
(2004年06月10日更新)

こんどうかずま

少し前に学習講座のCMで算数の問題が出ていました。

7 + 3 = □
□ + □ = 10

「上は日本での算数の問題。」
「下はイギリスなど欧米諸国での問題。」

とナレータの声。

上の日本の問題では、考えないでも回答が可能。しかし欧米諸国の問題は自分で考えなければ回答を導き出せない。

「確かに考える力を養うには下の問題だろう」
と私は感じたが、きっと同感だった人も多いのではないか?

ファシリテータとして、どんな風に伝えたら良いのか。きっとひとつの答えではないことは分かってきているが、ファシリテータは常に悩むことを忘れてはいけないのだと感じています。

第7回目
(2004年05月07日更新)

くさかなつこ

あなたは、何かに夢中になっている時の自分の顔を見たことがありますか?
   
私は、ワークショップで写真を撮る係になることがあります。
   
こどもたちが生き生きと何かに夢中になっているときの顔を私は、
「いい顔」 とよんでいます。
  
「いいこと考えた!」の顔
「どうしよう・・・」の顔
「おもしろい!!」の顔
「なんで?」の顔
「すごいな!」の顔
  
一日のワークショップでシャッターを押す回数は、数百回。
部屋の中は、「いい顔」でいっぱいになります。
  
私は、その写真で何ができるでしょう?
写真は、動いてゆく時間をとどめておくことができます。
  
一日の終わりに、
「あぁおもしろかった!」のあなたにも
「うまくいかなかったな・・・」のあなたにも
  
この時、楽しかったな。
まわりの友達は、こんなことしててんな。自分のこんな顔はじめて見たわ。
  
そんなことを感じながらCAMPで過ごした一日を思いかえす時間のお役に立てたらいいなと思っています。

第6回目
(2004年04月09日更新)

いしかわ さよ

一体どこからそんな発想が出てくるの!?

毎回、ワークショップに参加する度に、大人顔負けのアイデアに驚かされます。子どもたちのアイデアに、ほんの少しテクノロジーや講師の方のエッセンスが加わるだけで、さらに個性豊かな作品が勢ぞろい。出来上がった作品を「こんなのできたよ!」と満足気に説明してくれる子の顔をみると、思わずこちらまで顔がほころんでしまいます。例えば、クリケットワークショップではプログラミングをすることで、子どもたちの作ったおもちゃが思い通りに動いたり、光ったりするので、「僕(私)でもこんなおもちゃが作れた!」と自分自身に驚いている子を多く見かけます。どのワークショップにも共通することですが、出来上がった作品を子供たちが見た時に、自分自身の持っている力に気づいて「オッ!」と息を呑む瞬間を見ることができるのもファシリテーターの醍醐味といえるでしょう。
子どもたちにとって、一回一回のワークショップの経験は小さな出来事なのかもしれませんが、そこで得た小さな自信が糧となり、大きな自信へと繋がっていくことを願ってやみません。その子どもたちの充実した経験を少しでもお手伝いできればと思っています。
  

第5回目
(2004年03月11日更新)

ますだたみ

子ども達のアイディアがひらめく瞬間に立ち会えることや、初めて会った子ども同士が、共同作業をすることでいつの間にか友達になっていること。そんなシーンを垣間見れるのがファシリテーターをやれてよかったと感じられる瞬間です。

先日東京で行われたCAMPのクリケットワークショップに集まった子どもたちは最初、期待と不安の入り混じった緊張した面持ちにみえました。はきはきと元気な子もいるけど、もじもじ気味の子、「友達できるかなぁ」とつぶやいていた男の子もいて、大丈夫だよと励ましつつはじまったワークショップでした。

初対面の子どもたちでのグループ制作は大丈夫かな?パソコンの操作もできるかな?素材もたくさん用意してあるけど、使ってくれるかな?そんな私の心配は、いざ始まると子どもたちによって吹き飛ばされました。思いがけないアイディアもあり、協力、分担しあって、着々と作品ができていくことには驚きです!

ハイテクでもアナログでも、創作活動を通した共同作業で協力しあう体験は、社会の基本となる人の関係を大事に思うきっかけになるのではないでしょうか。なんて、難しい事は言わなくても、ワークショップの最後にはまるで以前からの友達のようにうちとけた子ども達の姿が見られた東京での1日でした。

第16回目
(2004年02月15日更新)

もりもとまき

ガタンゴトン…ガタンゴトン…
  
ドキドキ…ドキドキ…
  
自宅から大川センターまで電車に揺られること約2時間。朝起きてからワークショップが始まるまで緊張すること約○時間。どんなに朝早くても、電車の中では目がパッチリ。
「今日はどんな1日になるのかな」
「どんなこども達と出会えるのかな」
そんなことを考えていると、一瞬で大川センターに着いてしまいます。ワークショップが始まるその時まで緊張しっぱなしです。その時まで…。
  
「こんにちは!」笑顔でワークショップの主役達が到着。すると、プチッ!て糸が切れたように私の緊張がほぐれてしまいます。こども達の笑顔につられて私も笑顔に…よし!頑張ろう!て気合を入れてもらっています。そして、ファシリテーターとしてCAMPに来てから様々なこどもの発見がありました。いろいろなこども達の表情を見ることができたのも1つ。そして何より、こども達の声です。
  
「こんにちは!」
  
「見て!見て!」
  
「出来たよ!」
  
「ちょっと手伝って!」
  
「ありがとう!」
  
こんなに人の声って、心に響くものだっけ?どうしてこどもの声って人の心に素直に響くのだろう…。不思議だなぁ。  
  
自分の中で新たな発見・疑問ができたからには追求したい。これからもたくさんのこども達と触れ合い、たくさんの“表情”と向き合い、そしてたくさんの“声”と出会っていきたいと思います。

第4回目
(2004年02月12日更新)

むらたきょうこ

はじめの第一歩。

「僕は、楽器を習ってないし、音楽は苦手だし、いつもはまったく興味がありません。でも、このワークショップはおもろしろそうだから来てみた。」
11月のハイパースコアのワークショップに参加したある男の子が自己紹介のとき言った言葉です。

なんだかとても染みました。

トライする前にそれは無理、とあきらめてしまったり、時間がないから、と目をつむったり・・・自分と趣味や興味を持つものが違う人には、壁をつくってしまったり・・・おもしろいかもしれないのに・・・・もったいないっ!

だから、ここに来るこどもたちには、CAMPを通して、一緒に過ごす友達を通して、やっぱり苦手かもしれない、でも案外おもしろいかもしれないいろんな世界をちょっとのぞいて見て、いろんなことを感じて「楽」習していってほしいと思います。そして、そこからはじまる第一歩が二歩目へつながるように、より楽しくおもしろくなるようにファシリテートしていけたら、と思います。

第3回目
(2004年01月08日更新)

もりひでき

こどもには、かなわない。

ワークショップでこどもたちを見ていると、いつも感じます。好奇心や集中力、そして何かを学び取ろうとする力。こどもたちが、生まれながらに持っている本当にすばらしい能力です。ワークショップの中では、いろいろなことが起きています。

「どうしてそんなの見つけられたの?」と、大人の私たちにはできないような発見をしたり。「・・・?」と、びっくりするようなことにこだわりを持ったり。うれしそうに「見てみて!」といいながらつくったものをお互いに見せあったり、一緒に遊んでみたり。(何かちょっといい「モノ」ができると無性に見せたくなるのは不思議です。)「すごい!」と思ったことは、大きな声に出して感心してみたり。「おもしろい!」と思ったことには、思いっきり笑ってみたり。そんな「いいアイデア」を横目で眺めながら、こそっとまねしてみたり。こどもたちって、本当にすごいです。悔しいですが、ちょっと自分には真似できないことばかり。(ワークショップの時は、意地を張って無理してみますが。)

自分でも気づかぬうちに、大人未満の存在として「こども」を見てしまいがちです。もちろん、大人と比べると未発達なこどもを、守り育てていくのは私たち大人の責務だと思います。でも実は、こどものほうが「すごい」こともたくさんあることを、日々感じます。

2003年