コラム

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boy メッセージ to CAMP for CAMP from CAMP girl

CAMPの活動に協力してくださる方や、スタッフ・関係者からのメッセージを紹介します。

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第82回目
(2010年12月08日更新)

土井 和代/わかくさ子ども会 会長

CAMPのワークショップは私たち、わかくさ子ども会でも毎年好評で3年目になる。今年、私は初めて、小1~小6の21名のこども達と共にCAMPの一日を体験した。事前のスタッフとの綿密な打合せと準備が欠かせないことも、関わって初めて知った。
先ず、打合せの時、昨年、一昨年にも参加したこども達の名前を参加予定名簿の中に見つけたスタッフの皆さんが一人一人のことをよく覚えてくれているのに驚き、嬉しくなった。

ファシリテーターって?という説明では、「自主保育の当番」という私の子育て経験に重ねて、共感するところが多かった。
こどもには自ら育とうとする力がある、こどもを信頼して待つことの大切さや、こどもはこどもの中で遊びながら育っていく、そもそも遊びは自発的だからこそ面白い・・私は自主保育生活を通してこども達から学んだ。
同じような思いをもってこどもに向き合う人たちと一緒に、こども達と過ごす一日にワクワク感を覚えた。
さて当日、こども達が先ず気になるポイントが組み分け。今年は3人グループ、それも偶然のくじに委ねた。結果が始めは受け入れらない子がそこにもここにも・・さてどうなる?どきどきしたが、3人寄れば・・というように、いろん
な子のいろんな表情や思いがどんどん出てきた。目立つ子も、控えめな子も伸び伸びとその子らしさを発揮していたように思う。
その子らしさ、個性って、一緒に何かをする時間をいっぱい共有する中で、お互いに少しずつ認め合っていける。CAMPの一日を振り返って、その経験がこども達の中にも残ってくれたら嬉しいなと思う。

土井 和代(どい かずよ)
四児の母。わかくさ子ども会 会長。
川崎市で活動する「自主保育B.B.だん」の創設メンバー。'98~'08にカンガルー宮前子育てねっとわーく運営スタッフ。
2年前、第4子が3才の時に夫の転勤で川崎から奈良へ。突然の子育て環境の変化に途方にくれたが、今では川崎にも奈良にも、ウチの子のことを頼れる仲間がいて心づよい。
自主保育について知りたい方は、しんぽれんホームページを見てね。
⇒http://www17t.sakura.ne.jp/~shinporen/

第81回目
(2010年10月13日更新)

糸井 雅美/能力開発教室Wake(ウェイク)代表

こども時代、私は工作が苦手でした。
「工夫しましょう。自由につくっていいですよ」
なんて言われても、なんにも思い浮かばない。仕方がないから、お手本を見たり、横目で友達の作品を盗み見したり。
そんな私が、ファシリテーター研修会に参加したときにつくった作品は、一際大きく、楽しげで、自由奔放な作品でした。
広々とした空間、色とりどりの画材、温かい雰囲気。
『説明なんてどうでもいいから、早くつくりたいな』
私の中の『こども』にスイッチが入りました。こども時代には、入ることのなかったスイッチです。
心を解放し、自由に感じ、表現することは、とても楽しく気持ちのよいことです。出来上がった作品の上手下手なんて関係ない。
今、つくっているときが大事。
多くのこども達に、知って欲しい、感じて欲しい。

表現するって楽しいよ。
CAMPに遊びにおいで!!

糸井 雅美(いとい まさみ)
能力開発教室Wake(ウェイク)代表。チャイルドアートインストラクター。
ワークショップデザイナー。現在、特別支援教育士になるための勉強中。
著書:「春夏秋冬たのしい遊び100 人生に必要な知恵は遊びから」学事出版
ブログ:「あそびや!」⇒http://plaza.rakuten.co.jp/wakeasobiya/

第80回目
(2010年08月10日更新)

大作 光子/筑波大学大学図書館情報メディア研究科博士後期課程

「大人が思うこと・こどもに願うこと…?」

非常勤先の大学で授業をしていると、ついつい学生のチカラの差や課題の多さに不満を漏らす学生が目につき、「もっと我慢や忍耐がなければ、これからの就職活動も大変だよ」と言いたくなります。あるいは、私は学校図書館を学習でより良く活用するための研究をしているのですが、先々の学校の先生に「こどもに学校図書館利用を通してどんなチカラを身につけて欲しいと考えますか?」とインタビューをしては、情報を活用する能力や情報を発信する能力などの回答を聞いて「ふんふん」と、納得しています。

その時は納得するのですが、ふっと研究から視点を離れて考えてみると、あらかじめ大人がこどもに期待すること、育てたい能力を決めていることに違和感を覚えることがあります。もっとも、それが「教育」であって、ねらいのないところに適切な指導方法は考えられない、と言われることと思います。

だけれど、例えば大学はもっと自由な場であり、色んな価値観の人が集い、さまざまな出会いがあることが、とても有意義なことだとも思います。学校図書館にあっても、学習だけではなく、どこまでもこどもたちが求めることを追求できる場所であるなら、一律に何かを教えるだけではなく、一人ひとりの違いに大人が気づいて、寄り添い接することができる場だと思います。

最近ファシリテーターとしての参加が少なく、こんな寄稿は恥ずかしいのですが、CAMPのワークショップと開発・普及を支えているスタッフのみなさんとの出会いは、私のなかの「こども」の可能性をぐんぐーんと広げてくれました。

企業の一員として、未来のこどもたちを育む取り組みをされているCAMPさんを羨ましく思いながら、これからどんな困難があってもチームプレイで乗り越えて欲しいです。そして、いつか自分に子を授かることがあったら、CAMPデビューをさせることが夢です(涙)。

大作 光子(だいさく みつこ)
筑波大学大学図書館情報メディア研究科博士後期課程
学校図書館ポータルサイト構築プロジェクト運営
http://www.sliiic.org/

第79回目
(2010年06月10日更新)

星尾 尚志/京都教育大学附属京都小中学校 教頭

「自分たちだけでロボットを動かせるなんて・・・しかもパソコンで・・・サイエンスの授業でこんなことができて、一生の思い出になると思います」

「サイエンス」というのは京都教育大学附属京都小学校の新教科のひとつで、独自のカリキュラムで学習を進めるものです。本校の5年生はこの「サイエンス」の授業で、20時間程度のクリケットを使った学習をCAMPのご協力のもと2003年より7年間にわたり行ってきました。

7年前をふりかえると…、今でこそ小学校でも様々なコンピューターを使った学習が行われていますが、当時コンピューター学習といえば、キーボードのゲームやカレンダーづくりなど、コンピューター自体を使うための活動や,敢えてコンピューターを使わなくてもできることをコンピューターに親しむために行うといった活動が中心でした。

そんな中で出会わせていただいたクリケット。

こどもたちの活動を見るにつれ、クリケットの教材としての可能性の大きさを実感しました。そして何よりもすばらしいこと…それは、コンピューターを目
的のための道具として扱いながら活動を進めることができることです。“自分
たちが実現したいことのために必要だからコンピューターを使う”これができ
る教材って、ありそうでなかなか無いんです。

こんなに優れたクリケットと出会うこどもたちが、ますます増えますように。

星尾 尚志(ほしお たかし)
京都教育大学附属京都小中学校 教頭
体育科教育が主たる研究分野の小学校教員ですが、当時CAMPにおられた森さんと出会わせていただいたことをきっかけに、クリケットを使った小学校高学年向けの単元開発に取り組みました。現在は小中一貫義務教育学校設立に向けての取り組みを進めています。

第78回目
(2010年04月14日更新)

北川 美宏/株式会社CSKホールディングス社会貢献推進室長/大川センター長

この4月8日で、CAMPは10年目の春を迎えることができました。

CSK創業者の大川翁が遺してくれたCAMPを、よちよち歩きの頃から温かく励まし、ときに寄り添いともに歩んでくださった皆さまのお蔭と、衷心より御礼申し上げます。これからも20年目、30年目と、CAMPが21世紀のこどもたちと一緒にさらに大きく育っていけるよう、変わらぬご支援とご指導を賜れましたら幸いです。

さて、この春、米国MITメディアラボからうれしいニュースが届きました。

1998年に大川翁がメディアラボへ個人的に寄せたファンドを活用し建設された新施設が3月5日に開所。「Okawa Center for Future Children」が本格的に活動をスタートしました。これからは2つのOKAWA CENTERのコラボレーションにより、もっとワクワクする新しい学びを日本中の、そして世界中のこどもたちへ届けていけるかと私もワクワクしています。

開所レポート⇒ http://www.campk.com/otona/camp/mit_opening_report.php

※「Okawa Center for Future Children」総責任者のミッチェル・レズニック教授から開所にあたり、CAMPへ向けたメッセージをいただきました。下に掲載しますのでぜひそちらもご覧ください。

楽屋ネタで恐縮ですが、、、
立ち上げのときからラッセル車のような突進力と牽引力でCAMPを引っ張ってくれた弊社社会貢献推進室長の田村拓がCSKシステムズの再編と事業推進に注力するため、この3月に仕事としてのCAMPを離れることになりました。
とはいえ、マウンドからは降りても社内随一のCAMP応援団長として、倍旧の熱いヤジと声援を送ってくれています。リリーフ役の力不足は否めませんが、チームCAMPの総力戦でこれからも元気いっぱいにもっとたくさんのこどもたちへCAMPワークショップを届けていきたいと思います。

10年目のCAMP!楽しいをいっぱい。うれしいをいっぱい。乞うご期待です。これからもよろしくお願いします!!

北川 美宏(きたがわ よしひろ)
株式会社CSKホールディングス社会貢献推進室長/大川センター長。
CAMPがスタートした2001年春から現職。当時小学1年生だった一人娘が最近CAMPファシリテーターとしてデビューしたのもうれしいニュース。

第77回目
(2010年03月08日更新)

植村 弘洋/NEC C&Cイノベーション研究所 研究員

「未来を拓くのは、こどもの好奇心と発想力」

ドキドキとワクワクが溢れている!目を輝かせて、アイデアを出し合い、協力しあいながら、モノを創りあげている!

CAMPと出会ったのは1年半前。ボランティアファシリテーターとして参加した時、こんな印象を持ちました。

この1年間、NECのコミュニケーションロボットPaPeRo(パペロ)を使った演劇ワークショップの開発に、CAMPスタッフの皆さんと取り組んできました。
そして、2月21日、第1回「PaPeRoミニシアターワークショップ」を開催することができました。

こどもたちと接する時間は、新たな気づきの連続です。

特に驚かされたのは、既成概念や思い込みにとらわれない発想の豊かさと、新しいテクノロジーに対するずばぬけた吸収力。

ロボットのセンサーの値をもとに、見る人をびっくりさせるようなストーリーをプログラミングで実現するという、大人でも難しい課題に対して、力を合わせて乗り越えていく。
未来を拓くのは、未来の主役であるこどもたちだと実感させられた瞬間です。

大人の世界でも、なかなか埋まらないテクノロジーとデザインの溝。
テクノロジーとデザインを橋渡しするきっかけを、CAMPとこどもたちに教えてもらったと思います。

こどもが大人から学ぶことは、たくさんありますが、
大人がこどもから学ぶことも、まだまだ、たくさんあります。

これからは、こどもたちとの活動から、もっと多くのことを学んで、
大人の仕事に活かせるような仕組みを考えていきたいと考えています。

植村 弘洋(うえむら こうよう)
NEC C&Cイノベーション研究所 研究員
1977年大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、デザインファーム、バイオベンチャーを経て、立命館大学大学院にて社会人学生として学ぶ。
現在は、NEC C&Cイノベーション研究所に参画し、異分野の人たち同士が共創しながら未来を創るワークショップの開発に取り組む。専門は技術経営。
http://www.nec.co.jp/rd/Overview/soshiki/ccinov/

第76回目
(2010年02月05日更新)

髙山 芳久/市原市立国府小学校校長

楽しかった「動くものづくり」

 マイコンを使った「動くものづくり」を開催して、一番に良かったことは、作品にこども達の思いがとてもよく表れていたことです。

 ワークショップが始まる前まで、与えられた素材から必要なパーツを作るのが、こども達にとってはじめての体験だったので、こども達がどのように活動し、どのような作品を作るかなどと企画を担当した私に取っては、期待と不安が入り交じっている状況でした。また、二人一組での作業もうまく協力できるだろうかなと心配していました。プログラムは、レゴロボのプログラムを体験してあったのでなんとかなるだろうと思っていました。

 当日は、素材を選ぶときのこども達の真剣な目、友達と熱心にしかも真剣に話し合う姿が、印象的でした。切ったり、削ったり、貼ったりと悪戦苦闘している姿も見られました。

 作品は、よく工夫されていて、出来映えもよかったし、マイコンのプログラムも作品の動きを自分のイメージ通りにしようとしたことがよくわかり大変感激しました。素材から作り、しかも限られた短い時間でこんなにも上手に出来るとは思っていませんでしたので、出来上がった作品に満足!満足!

 やはり、ものづくりは、その子の持っている実力(総合力)がよく表れるので、よい企画だと自画自賛しました。後日、作品発表会を全校児童の前で行いました。こども達からたくさんの拍手をもらって得意満面でした。

 マイコン(クリケット)を使ったワークショップ(動くものづくり)は、理科(科学)に対する興味・関心を喚起し、知的探求心の育成に効果があると思っています。今後もクリケットの貸出をしてほしいと思います。課題として、規模の大きい学校だと実施が難しいと思われます。クリケットを長期間、貸し出していただけると活動の幅が広がります。繰り返し使うといろいろな工夫が生まれますので。

髙山 芳久(たかやま よしひさ)
市原市立国府小学校校長
社会教育活動の一環として「おもしろ科学実験教室」に関わったり、「連携と対話」をキーワードに外部機関と協力して、理科好きな子どもを増やそうと取り組んでいます
市原市立国府小学校 http://www.ichihara-chb.ed.jp/kokufu-e/

第75回目
(2010年01月06日更新)

紙本 明子/劇団衛星/大阪大学コミュニケーションデザイン・センター所属特任研究員・ワークショップデザイナー育成プログラムスタッフ

「主役はこどもたち」

CAMPのワークショップを見学させて頂いて、一番に感じたことです。
会場に集まってきたこどもたちは、知ってる子、知らない子、初めて参加する子、など様々、みんなわくわくしながらもとても緊張の様子。

私が見学させて頂いたのは、二人ペアになって創作する「くうそう・しょくぶつ・図鑑ワークショップ」。
低学年対象のワークショップにしては、内容は結構高度だったと思います。
しかし、こどもたちは断然主体性をもって創作に取り組んでいました。
ファシリテーターは「こうすればいい」と簡単に手を差し出さない。
でも「自分で考えろ」と突き放さない。
その絶妙な距離で見守っている。
こどもたちの発想を信頼し大切にしている。そんな風に私は感じました。

最後の発表では、創作した植物を二人で一緒にプレゼンする。というかなりハードルの高いもの…。
ところが、プレゼンをしているこどもたちは、それはもう楽しそうなのです。
そしてそのプレゼン内容は想像を超える発想が…。
質疑応答も止まらない…!
本当に面白かった!

創作したしょくぶつは、お友達と一緒につくったもの。
だから持っては帰れないけれど、一緒につくった目には見えない「モノ」に、こどもたちは言いようの無い満足感を感じてるのだと思います。
ワークショップ終了後、出来上がった作品をいつまでも見ているこどもたちの姿が、とても愛らしく、とても印象的でした。

紙本 明子(かみもと あきこ) 
俳優・コミュニケーションティーチャー
劇団衛星/大阪大学コミュニケーションデザイン・センター所属特任研究員
ワークショップデザイナー育成プログラムスタッフ
演劇のアウトリーチ活動として、主に小学校現場にて、コミュニケーションティーチングの指導を行う。NHK教育高校講座「家庭総合」に准レギュラー出演など幅広く活動している。
劇団衛星
http://www.eisei.info/
ワークショップデザイナー育成プログラム
http://www.hirc.aoyama.ac.jp/wsd/

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boy ファシリテーターリレーコラム girl

CAMPで活動するファシリテーターが、ワークショップへの想いを語ります。

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第14回目
(2004年12月07日更新)

もり ひでき

ファシリテータ-としてワークショップに参加していると、こどもたちの様子を肌で感じることができます。真剣なまなざしで作品づくりに集中しているこどもたち。何度も何度も失敗しながら、でも繰り返し挑戦し続けるこどもたち。輝くような表情で「見て見て!」と作品を見せてくれるこどもたちの様子に、いつも元気づけられています。「楽しかった!」「また、やりたい。」「今日は、久しぶりに頭を使った!(普段、どんな頭を使っているのか少々心配でもありますが・・)」といい残して帰っていくこどもたちの後姿を見ながら、準備や運営に走りまわって少々へとへとになっている体と、なんともいえない充実感と余韻の組み合わせが、自分にとってワークショップの魅力でもあります。参加者にとっても、運営する私たちにとっても魅力的なワークショップ。「ワークショップのよさをもっと解明したい。」最近、そんなことを考えています。これからCAMPでも少しずつではありますが、ワークショップをテーマにした研究活動を行っていきたいと思っています。また、いろいろな場で皆さんにもご報告できればと思います。

第13回目
(2004年11月10日更新)

いちはし ゆき

あかるいほうへ
CAMPでこどもたちと過ごした時間は私の宝物です。ワークショップへやってきた多くのこどもたちは、言いました。「はじめはできないと思ったけれど、できてうれしかった」そして、こんな風に言っていたこどもたちがいつの間にか、できないとは思っていなくなっている、ということを初めて知った時、驚きと喜びでいっぱいになったことを覚えています。子どもたちの明るさがそうさせたのだと思いはじめました。
 
子どもたちの内側の明るさは、自分の内側を照らすだけではなくて、周りをも照らしているようです。明るさの効果は偉大だと思います。夢を持つことができ、そして、その夢が叶うことを疑わずに一生懸命考え、失敗を恐れず行動に移し、努力します。そんな子どもたちから、私はたくさんの明るさをわけてもらいました。
 
私は、今、CAMPを旅立とうとしています。これからはイタリアの地で絵画の制作と研究に励むことになります。たくさんの明るさや、勇気を分けてくれた子どもたちに感謝して、また会える日を楽しみに待ちたいと思います。その頃には、こどもたちはこどもたちではなくなっているかもしれません。大好きなみんなが日々成長していく姿を、見守り続けることができないことはとても残念だけれど、みんなからもらった明るさを信じ、進みたいと思います。

あかるいほうへ、あかるいほうへ。

CAMPから飛び立つ、1粒の、たんぽぽの綿毛は、みんなと一緒に過ごした日々を大切な宝物にしています。そして、いつかまた、会える日を楽しみにしています。

子どもたちと同じくらい、素晴らしい仲間に出会えたこと、明るい世界を持った大人に出会えたこと。アイデアを出し合い、意見を交換しあい、そして高めあった時間。失敗を共に悔しいと思い、喜びをいっそう大きくして分け合ったこと。私のもう1つの、大切な宝物。

第12回目
(2004年10月14日更新)

うえのうけんじ

こどもの発想力といっても大人にかなうわけない。こどもはすごいと言いつつも、どこかでそう思っていました。作業の丁寧さ、出来上がりの完成度。やっぱりそうだ、「こども」として見ているからこどもなのにすごい、ってなってる。

それでもすごいっと感じてしまう改めて考える。なんで、すごいって感じてしまうんだろう?予想外のアイデアに出会ったとき、その瞬間「お!」という言葉がもれている。精度ではなくアイデアを出すという点ではこどもも大人も公平。見てきたものも、考えてることも違う別人。対等だ。良いアイデアなんだ。

そのアイデアを出したのが大人だったらどうだろう?悔しくてあんなのすごくないって思うかもしれない。あの人はすごい人だねーとおもうかもしれない。前者には、良いものを認める素直さと自分は思いつかなかったと認める勇気が、後者には、自分ならどうだろうと考える向上心と未知の分野に対する好奇心が、それぞれ少しばかり足りなくなっているんじゃないか?こどもの作品の中にあるアイデアは素直にキラキラと輝いてみえて、その集中力と表情、「おもしろそう!」という一言が生きるエネルギーに満ち満ちていて、思わず微笑んでしまう。「楽しそう!」

こどもは活動を見る僕の「いい格好しい」の部分を取っ払って「やる気」を惜しげもなくくれる。う~む…。
「みんな、ありがとう、大好き!」としか言えません!

第11回目
(2004年09月14日更新)

にしおか たける

初めてCAMPに顔を出した時のこと。

ファシリテーター?
初めて聞く言葉が、CAMPでの自分の立場。その日はなんのこっちゃ分からない状態で終了。

家に帰り、早速久しく開いてない英和辞典を引く。
facilitate:(行動などを)促進する
なるほど、こども達の創作活動を促進すればいいわけね!言葉をかけて、やる気を起こさせればいいわけだ。なんだ、俺得意じゃん。

ところが、人生そんなに甘くない。

あるワークショップでのこと。
素材を手にしたままいっこうに作業を始めない子がいた。よっしゃ!いっちょ声をかけて一緒に作っていこう。しかし、どんなに声をかけても、やはり手を動かしてくれない。自分以外のファシリテーターもその子のことは気になるのか入れ替り立ち替り声をかける。しかし、やはりだめ。

そんな時、ファシリテーターの一人がこう言った。
ほっとこう
まじですか?と内心びくびくしながらも、ほっといてみた。
やはり、手は動かない。

もう終わっちゃう…。

その時、遂にその子の手が動いたのだった。

僕達ファシリテーターは、やろう、やろうと声をかけてこどもの創作活動を促すことは必要です。しかし、時には前述のようなこども達を信じて見守るということも必要なのではないでしょうか。こども達はやらないのではなく、思考しているのかもしれません。思考することは目に見えない創作活動なのです。それを汲み取ってあげることはとても難しいことですが、僕達ファシリテーターには必要なことだと思います。

「無言のfacilitate」
それが、僕がCAMPに参加して一番印象深く学んだことです。

第10回目
(2004年08月18日更新)

こうた じゅんこ

小さいころの夢って、おぼえていますか?

私は幼稚園のころは「お姉さん」(妹だったので)、小学校低学年は「せんせい」、小学校高学年は「動物園の飼育員」「獣医さん」「音楽家」、中学になってからは特になく、高校になると「デザインの仕事」。脈絡のない夢は、いつの間にか「デザイン」に絞り込まれ、最終的には「デザイン」→「インテリアデザイン」→「プロダクトデザイン」となりました。「おもちゃデザイナー」を経て、今の職業はといえば、「ワークショップデザイナー」兼「グラフィックデザイナー」。

CAMPのワークショップでは、いろいろなテーマをとりあげています。先日の「サマーハウス」ワークショップでは、建築をテーマに、こどもたちは図面を描いたり模型を作ったりする工程を経て、家を建てました。参加者のお母さんの感想に、「先日まで生物学者になると言っていたのが、建築家になりたいと言っていました」と書いてくださっていました。それを読んだ瞬間、ワークショップでの疲れがふっとびました!CAMPで体験したことを、夢のひとつにしてもらえることは本当に嬉しい!

夢を思い描き続ける力は未来をつくっていくと思っています。夢が叶わないことがあるかもしれない、苦しい思いをするかもしれない。それでも、夢を持つことはステキなことです。

今の私の夢は、CAMPに来るこどもたちの夢の種になるようなワークショップをたくさん!考え続けることです。今、皆さんは夢がありますか?
 

第9回目
(2004年07月09日更新)

やまざき さほこ 

「見て、見て!」こどもの声にふりむくと溢れんばかりの笑顔!
こどものできないことをお手伝いしたとき「ありがとう!」の元気な声!
まだ慣れないCAMPのワークショップ。
どきどきの私。
そんなこどもの反応に少しだけ緊張がほぐれる。
そのときのファシリテータは、たぶん私ではなくてこども。
いろいろな体験をし、おとなになりこどもの時にできなかったことができるようになったこともあるけれど、逆にできたことができなくなったこともある。

私たちおとなは、自分の体験を活かしファシリテートをする一方で、こどもから自分が忘れてきている何か、失ってしまった何かを得るファシリテートをされている気がする。私も元気にこどもに伝えたい「ありがとう!」と・・・。

第8回目
(2004年06月10日更新)

こんどうかずま

少し前に学習講座のCMで算数の問題が出ていました。

7 + 3 = □
□ + □ = 10

「上は日本での算数の問題。」
「下はイギリスなど欧米諸国での問題。」

とナレータの声。

上の日本の問題では、考えないでも回答が可能。しかし欧米諸国の問題は自分で考えなければ回答を導き出せない。

「確かに考える力を養うには下の問題だろう」
と私は感じたが、きっと同感だった人も多いのではないか?

ファシリテータとして、どんな風に伝えたら良いのか。きっとひとつの答えではないことは分かってきているが、ファシリテータは常に悩むことを忘れてはいけないのだと感じています。

第7回目
(2004年05月07日更新)

くさかなつこ

あなたは、何かに夢中になっている時の自分の顔を見たことがありますか?
   
私は、ワークショップで写真を撮る係になることがあります。
   
こどもたちが生き生きと何かに夢中になっているときの顔を私は、
「いい顔」 とよんでいます。
  
「いいこと考えた!」の顔
「どうしよう・・・」の顔
「おもしろい!!」の顔
「なんで?」の顔
「すごいな!」の顔
  
一日のワークショップでシャッターを押す回数は、数百回。
部屋の中は、「いい顔」でいっぱいになります。
  
私は、その写真で何ができるでしょう?
写真は、動いてゆく時間をとどめておくことができます。
  
一日の終わりに、
「あぁおもしろかった!」のあなたにも
「うまくいかなかったな・・・」のあなたにも
  
この時、楽しかったな。
まわりの友達は、こんなことしててんな。自分のこんな顔はじめて見たわ。
  
そんなことを感じながらCAMPで過ごした一日を思いかえす時間のお役に立てたらいいなと思っています。

第6回目
(2004年04月09日更新)

いしかわ さよ

一体どこからそんな発想が出てくるの!?

毎回、ワークショップに参加する度に、大人顔負けのアイデアに驚かされます。子どもたちのアイデアに、ほんの少しテクノロジーや講師の方のエッセンスが加わるだけで、さらに個性豊かな作品が勢ぞろい。出来上がった作品を「こんなのできたよ!」と満足気に説明してくれる子の顔をみると、思わずこちらまで顔がほころんでしまいます。例えば、クリケットワークショップではプログラミングをすることで、子どもたちの作ったおもちゃが思い通りに動いたり、光ったりするので、「僕(私)でもこんなおもちゃが作れた!」と自分自身に驚いている子を多く見かけます。どのワークショップにも共通することですが、出来上がった作品を子供たちが見た時に、自分自身の持っている力に気づいて「オッ!」と息を呑む瞬間を見ることができるのもファシリテーターの醍醐味といえるでしょう。
子どもたちにとって、一回一回のワークショップの経験は小さな出来事なのかもしれませんが、そこで得た小さな自信が糧となり、大きな自信へと繋がっていくことを願ってやみません。その子どもたちの充実した経験を少しでもお手伝いできればと思っています。
  

第5回目
(2004年03月11日更新)

ますだたみ

子ども達のアイディアがひらめく瞬間に立ち会えることや、初めて会った子ども同士が、共同作業をすることでいつの間にか友達になっていること。そんなシーンを垣間見れるのがファシリテーターをやれてよかったと感じられる瞬間です。

先日東京で行われたCAMPのクリケットワークショップに集まった子どもたちは最初、期待と不安の入り混じった緊張した面持ちにみえました。はきはきと元気な子もいるけど、もじもじ気味の子、「友達できるかなぁ」とつぶやいていた男の子もいて、大丈夫だよと励ましつつはじまったワークショップでした。

初対面の子どもたちでのグループ制作は大丈夫かな?パソコンの操作もできるかな?素材もたくさん用意してあるけど、使ってくれるかな?そんな私の心配は、いざ始まると子どもたちによって吹き飛ばされました。思いがけないアイディアもあり、協力、分担しあって、着々と作品ができていくことには驚きです!

ハイテクでもアナログでも、創作活動を通した共同作業で協力しあう体験は、社会の基本となる人の関係を大事に思うきっかけになるのではないでしょうか。なんて、難しい事は言わなくても、ワークショップの最後にはまるで以前からの友達のようにうちとけた子ども達の姿が見られた東京での1日でした。

第16回目
(2004年02月15日更新)

もりもとまき

ガタンゴトン…ガタンゴトン…
  
ドキドキ…ドキドキ…
  
自宅から大川センターまで電車に揺られること約2時間。朝起きてからワークショップが始まるまで緊張すること約○時間。どんなに朝早くても、電車の中では目がパッチリ。
「今日はどんな1日になるのかな」
「どんなこども達と出会えるのかな」
そんなことを考えていると、一瞬で大川センターに着いてしまいます。ワークショップが始まるその時まで緊張しっぱなしです。その時まで…。
  
「こんにちは!」笑顔でワークショップの主役達が到着。すると、プチッ!て糸が切れたように私の緊張がほぐれてしまいます。こども達の笑顔につられて私も笑顔に…よし!頑張ろう!て気合を入れてもらっています。そして、ファシリテーターとしてCAMPに来てから様々なこどもの発見がありました。いろいろなこども達の表情を見ることができたのも1つ。そして何より、こども達の声です。
  
「こんにちは!」
  
「見て!見て!」
  
「出来たよ!」
  
「ちょっと手伝って!」
  
「ありがとう!」
  
こんなに人の声って、心に響くものだっけ?どうしてこどもの声って人の心に素直に響くのだろう…。不思議だなぁ。  
  
自分の中で新たな発見・疑問ができたからには追求したい。これからもたくさんのこども達と触れ合い、たくさんの“表情”と向き合い、そしてたくさんの“声”と出会っていきたいと思います。

第4回目
(2004年02月12日更新)

むらたきょうこ

はじめの第一歩。

「僕は、楽器を習ってないし、音楽は苦手だし、いつもはまったく興味がありません。でも、このワークショップはおもろしろそうだから来てみた。」
11月のハイパースコアのワークショップに参加したある男の子が自己紹介のとき言った言葉です。

なんだかとても染みました。

トライする前にそれは無理、とあきらめてしまったり、時間がないから、と目をつむったり・・・自分と趣味や興味を持つものが違う人には、壁をつくってしまったり・・・おもしろいかもしれないのに・・・・もったいないっ!

だから、ここに来るこどもたちには、CAMPを通して、一緒に過ごす友達を通して、やっぱり苦手かもしれない、でも案外おもしろいかもしれないいろんな世界をちょっとのぞいて見て、いろんなことを感じて「楽」習していってほしいと思います。そして、そこからはじまる第一歩が二歩目へつながるように、より楽しくおもしろくなるようにファシリテートしていけたら、と思います。

第3回目
(2004年01月08日更新)

もりひでき

こどもには、かなわない。

ワークショップでこどもたちを見ていると、いつも感じます。好奇心や集中力、そして何かを学び取ろうとする力。こどもたちが、生まれながらに持っている本当にすばらしい能力です。ワークショップの中では、いろいろなことが起きています。

「どうしてそんなの見つけられたの?」と、大人の私たちにはできないような発見をしたり。「・・・?」と、びっくりするようなことにこだわりを持ったり。うれしそうに「見てみて!」といいながらつくったものをお互いに見せあったり、一緒に遊んでみたり。(何かちょっといい「モノ」ができると無性に見せたくなるのは不思議です。)「すごい!」と思ったことは、大きな声に出して感心してみたり。「おもしろい!」と思ったことには、思いっきり笑ってみたり。そんな「いいアイデア」を横目で眺めながら、こそっとまねしてみたり。こどもたちって、本当にすごいです。悔しいですが、ちょっと自分には真似できないことばかり。(ワークショップの時は、意地を張って無理してみますが。)

自分でも気づかぬうちに、大人未満の存在として「こども」を見てしまいがちです。もちろん、大人と比べると未発達なこどもを、守り育てていくのは私たち大人の責務だと思います。でも実は、こどものほうが「すごい」こともたくさんあることを、日々感じます。

2003年