コラム

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boy メッセージ to CAMP for CAMP from CAMP girl

CAMPの活動に協力してくださる方や、スタッフ・関係者からのメッセージを紹介します。

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第100回目
(2013年12月08日更新)

竹村 郷/港区立青山小学校 副校長

「今日はロボティクスがあるんだ」と瞳を輝かせながら、毎年こどもたちは制作場所に向かいます。自分たちが考え出したプランのおもちゃが、プログラムどおりに動かすピコクリケットは、とてつもなく楽しいのだそうです。夢中になって取り組むこどもたちを見て、ふと昔のことが頭によぎりました。現在ではこどもだけでなく、保護者も待ち望む定番のカリキュラムとなっています。

私が赴任した5年前の当時、本校では1つ事例はあったものの、正直言って教員はあまり乗り気はしませんでした。「そもそも何の教科でするの?」「生活科のない上の学年が、おもちゃをつくることに意味はあるの?」と、通常の業務でヒィヒィ言っている教員には心の余裕はなく、ロボットづくりはいわゆる余計の産物にしか見えなかったのです。本校の隣に位置するSCSK青山ビルにロボットづくりの研修にも何度か招いていただきました。簡略化したプログラムと制作物とのマッチングはなかなか興味深く、大人も根を詰めて没頭していました。コマンドの種類や操作にも慣れ、それが今でもこどもたちの制作時にアドバイスする時に役だっています。また、何よりもこの授業を進める際には、SCSKの村田香子さんをはじめ、指導者とチームになって進められたことが大きかったと思います。
 
当初は動くおもちゃ、次は意図するプログラムづくり、そして今では意図したものを協力してかたちにする過程での情報交流の機会創出と、取り組む価値を多様に広げてきました。教科書のように先に覚えることや押さえるゴールが設定されているのでなく、どんどんゴールが先へしかも広くなっていくということにますますの可能性を感じます。

竹村 郷(たけむら さとし)

港区立青山小学校 副校長
本校に赴任して5年目、赴任当初よりSCSKのみなさまとは懇意にしていた
だき、今年は地域の祭りでロボティクスのブースを協力して出展し、好評を博しました。様々な意見交換や情報交流を通じ、SCSKの皆様から学ばせていただいています。

第99回目
(2013年10月08日更新)

番匠 宏明/京都水族館 営業企画部

CAMPに参加させていただいて、あらためて「こどもは正直だ」と感じました。私たちが会議室や机で、どうすれば楽しんでもらえるか頭を捻ったり、実施の効果をアンケートでいかに聞き出すかなど、結果的にあまり意味のないことばかりを考えていましたが、答えはすぐ目の前にありました。こどもたちの表情はすごくシンプルに答えを返してくれました。

ワークショップの当日、水族館の受付に立ち、最初に参加者にワークショップの流れを説明していると、キョトンとした顔をしたり、水族館を見学できることに興奮して聞いていなかったりたりと、なかなか大人が考える一日の流れが伝わらないもんだなぁとヤキモキしていました。

水族館見学が終わったら、いよいよ発明ワークショップです。みんなの自己紹介や水族館で発見した生き物たちのすごいところの発表が始まりました。そして「バスケットシューズはその開発者がタコの吸盤からヒントをもらった」とファシリテーターから紹介があった時に、こどもたちの顔が一気にキラキラと輝きだしました。さらに発明品のアイディア出しになると、参加していた当館の飼育スタッフを囲むように、いろんな質問が投げかけられました。目的を見つけた瞬間のこどもたちの集中力と推進力に、ただただ呆然となってしまいました。

私も社内での会議や打ち合わせは多々あります。興味が無いことは聞いたふりをしたり、わかったふりをします。いかに流れどおりに振舞っても、自分が真剣に、自分の事として考えられてない時間は何の実にもなってなかったと反省させられました。

ワークショップも終盤になり、こどもたちが自分たちでつくった発明品を発表していきます。恥ずかしそうに話すこどももいましたが、その顔はどこか誇らしげに見えます。そして、こどもたちのつくった発明品には、こどもたちの表情がキラキラした瞬間を思い起こさせる楽しそうな顔がありました。その顔はこどもたちの一生懸命に費やした時間を物語っているように感じました。

もともと、水族館はこどもたちの笑顔に常に満たされた空間です。もしかしたら、その笑顔を当然の事と見慣れていた自分がいたのかもしれません。「こどもたちが笑顔になる」このシンプルなことの大切さ、難しさ、そして、その幸福感を体感させてくれたCAMP。あらためて、参加させていただいたことに感謝しています。少し形は違いますが、今回の経験を通して、京都水族館がもっともっとたくさんの笑顔で溢れるように努力したいと思います。

番匠 宏明(ばんしょう ひろあき)

京都水族館 営業企画部 3歳の娘の父親。京都水族館の開発から携わり、現在は対外的な折衝業務を中心に活動。時に実際の企画にも参加し、こどもたちの笑顔で仕事の活力を充電している。

第98回目
(2013年08月09日更新)

長谷川 智子/地域ボランティアグループ『ぷちっとボラ』代表

場所と時間と道具や材料があったら、こどもたちはどんどん遊びを生み出していくと信じて、週2日学校帰りに立ち寄って自由に過ごせる場を、ある小学校の余裕教室につくった。そこは、誰でも来ていい「公園」と同じ。違うのは、いろんな世代の大人がスタッフとして見守っていること。

部屋には、いろんな遊び道具や素材がある。囲碁の石がお金になったり、新しいパズルの材料になったり、こどもたちの発想で遊びは無限に広がる。

面白そうだと思えば、学年なんか関係なく寄っていって、いつの間にか一緒にやっている。スタッフは「すごーい!」「どうしたの?」「そうなんだ・・・」なんていう言葉をかけるくらいでいい。認める、投げかける、引き出す、つなぐのが役割。もめていても、かける言葉は基本的には同じ。話しているうちに、自分たちで解決していくことが多い。スタッフの役割は、CAMPのファシリテーターと同じだと思う。

実は、初めからこんな感じではなかった。やりたいことより、大人がやらせたいことをお膳立てされてきたこどもが多いのか、何かをする時、選ぶ時、大人の求める答えを探りながらやるようなところがある。だから、急に「やりたいことをやっていいよ」と言われても、何をしたらいいのかわからない子は多い。今のこどもを取り巻く環境は、結構厳しい。

今年、居場所づくりの活動を市内に広げたいと思った時、かかわる大人とプログラムが大事だと考え、CAMPのファシリテーター研修とクリケットの研修を三田市で開催してもらった。参加した大人もこどもも大満足。これから、CAMPのすばらしいワークショップと素敵なスタッフが、三田のこどもたちをもっと元気にしてくれると信じている。

長谷川 智子(はせがわ ともこ)

地域ボランティアグループ『ぷちっとボラ』代表、ゆりのき台小学校学校支援地域コーディネーター、同小学校地域運営協議会副会長など。
こどもを育む環境づくりとして、学校を核に教師、保護者、地域の大人をつなぎ、多世代が交わり支え合うまちづくりを目指して活動中。

第97回目
(2013年07月05日更新)

秋山 豊和/日本学術振興会インターネット第163委員会幹事/サイバー関西プロジェクト幹事

こどもたちとともに学ぶ新しい世代のインターネット
「コンピュータの『つたえる』仕組みを体験してみよう」を終えて

ここ数十年でインターネットはコミュニケーションツールとして、あるいは、個人や企業が非常に多くの人々にメッセージを伝えられる全く新しいメディアとして、社会インフラの一翼を担う存在となっています。システムがインフラ化するということは、一方でその存在が人にとって見えなくなることを意味しています。

「コンセントにプラグをつなげば電気が使えるように、コンピュータネットワークを利用できるようにしたい」

多くのコンピュータエンジニアが目指した理念が現実味を帯びるに従って、人々のコンピュータネットワーク自体への興味が薄れていくことになります。インフラ化したシステムは、人々からは見えなくなりますが、社会の要請に応じるためにより高度な機能が求められ、複雑化していきます。原発事故が我々に教えてくれたように、高度化するインフラを支える人材の育成、より安心して使えるインフラの構築・運用が次の時代を担う人たちに求められています。

日本学術振興会インターネット第163委員会やサイバー関西プロジェクトでは、このようなインターネット技術を支える人材の育成も視野に入れた活動をしています。

「見えないものだけど、大事なものなんだよ」ということを人に伝えるのは容易なことではありません。でもそれに積極的に取り組んでいる人たちがいます。

“コンピュータサイエンスアンプラグド”~コンピュータを使わずにコンピュータサイエンスをこどもたちに教える~、ニュージーランドのコンピュータアルゴリズムの専門家、ティム・ベル博士らの取り組みは、コンピュータの本質をこどもたちにわかりやすく伝える方法を教えてくれます。

日本でベル博士の取り組みを広める活動をしてこられた大阪電気通信大学の兼宗進先生のご協力を得て、今回インターネット技術をこどもたちに伝える取り組みに挑戦してみることにしました。しかし、これまでこどもたちを相手に授業をしたことなどありません。兼宗先生からも低年齢層への教育の難しさを指摘いただきました。

CAMPの皆様のご協力が得られなければ、今回のイベントの開催は実現しなかったことでしょう。CAMPを通してお声がけいただいたことで、今回のような取り組みに興味をもってくださるお父さんやお母さん、そしてこどもたちに参加いただくことができました。こどもたちの心を惹きつけるファシリテーションの技術、その結果引き出されたこどもたちの真剣なまなざし、そして笑顔。教育現場に必要なものを改めて学ばせていただいた気がします。

今回のイベントは、手探りの状態で準備を進めたため、すべてがうまくいったわけではありません。教育という面では、まだまだ検討することは数多く残されています。しかし、教育における新しい取り組みをはじめる場として、CAMPという空間の可能性に触れることができ、大変良い体験をさせていただいたと思っています。

⇒当日のワークショップの様子をこちらからご覧になれます。http://www.camp-k.com/wsreport/834/

秋山 豊和(あきやま とよかず)
1999年大阪大学工学研究科修士課程修了。2000年同大学博士課程中退後、同大学サイバーメディアセンター助手を経て、2005年より同センター講師。2008年より京都産業大学コンピュータ理工学部講師を経て、2011年同大学准教授。分散システム、インターネットアプリケーション、キャンパス情報システムなどに興味を持つ。博士(工学)(2003年9月、大阪大学)。日本学術振興会インターネット第163委員会幹事、サイバー関西プロジェクト幹事。

第96回目
(2013年04月08日更新)

吉田 正秋/福島銀行経営企画室 調査役

CAMPワークショップを実施するかどうか検討していたころは「こども向けの工作教室」だと理解して社長や役員へ説明していた。しかし、実際はこどもたちのただの工作の手伝いやお世話ではなかった。
「ファシリテーション」という言葉を初めて知った。
「ファシリテーション」では色々な社員の姿を垣間見ることができた。
こどもたちの輪の中に入れず悩む社員。
こどもたちに思うように説明できずに悩む社員。
普段の仕事ではみられない積極的な一面。
予想外なリーダーシップを発揮して全体を見ることができる社員。
チーフファシリテーターをできるか悩む社員。
ワークショップという非日常の世界だからこそ演じられる役まわりもあった(ボランティアとして募集した社内ファシリテーターの中に演劇部出身者が偶然か必然か2名いた)。
社員の様々な一面が見られたのは私自身の大きなよい誤算だった。
こどもたちをファシリテーションすることが、こんなにも社員の姿を活き活きと鮮やかに描写するものかと驚いた。
こどもたちの「楽しかったよ!!またやってね!!」
ファシリテーションを通じたコミュニケーションや新しい出会いは、私を含めみんなの人生の中できっと役に立つと確信した瞬間だった。

吉田 正秋(よしだ まさあき)
福島銀行経営企画室 調査役
小学3年生と4歳児の父親。本部に長く在籍するもCSRに携わるのは今回が初めて。創立90周年事業の担当者となったことからワークショップの企画運営に携わる。

第95回目
(2013年04月08日更新)

小柴 文乃/精華町立東光小学校 教諭

本校では、“なかよく・かしこく・たくましく”を学校目標に、やさしく思いやりのあるこども、深く考え進んで学ぶこども、明るく元気に活動するこどもを目指し、“生きる力”をつけるために様々な取り組みを行っています。

その中の一つ「‘東光っ子’未来の科学者育成プログラム」では、こどもたちを理科好きにし、自ら学ぶことのできる学びの場所づくりをする取り組みがあります。その一環として、2012年度の3年生は、こどもたち自身が楽しみながら、表現方法を見つけ、コミュニケーションの輪を広げることのできるCAMPワークショップに行かせていただきました。

1回目の『CLASSBOOKワークショップ』では、3年生107名が一斉に活動しました。クラスのともだちから貰った紙の“形”と“色”を活かして、自分の想像した“物”の一部として作品をつくっていきました。仕上げられた作品の発表会を開き、その1つ1つの作品をクラスごとに製本して、世界に1つだけのCLASSBOOKとしていただきました。

2回目の『クリケットワークショップ』では、各クラス36人ずつ活動しました。まずは、小学校でクリケットの使い方やプログラムのつくり方を学びました。プログラミングによって、どのような動きになるのか、どのような音を出すのか・・・、ともだちとたくさんの案を出し合い、ある一部分がモーターで動くふしぎな生き物を、実際にクリケットを使いながら考えました。そして、いよいよ大川センターへ。たくさんの素材を見て、こどもたちのアイディアはより素晴らしいものへとなっていきました。集中して活動し、一人ひとりの個性が発揮され、自由な発想を形にすることができました。

どちらのワークショップでも、「まさかこんな形からこんな作品に変わるなんて!」「このようなプログラムからこんな動きと音が出るなんて!」と、私はもちろんのこと、こどもたち同士でもみんなの素晴らしい発想に興味津々!そして、自然に拍手が湧き上がっていました。自分とともだちの豊かな発想を上手く合わせながら、創意工夫された作品が次々と生まれました。こどもたちの心の中にきらっと光る何かが芽生えたように感じました。

この貴重な経験をさせていただき、こどもたちが自信を持って自ら取り組むこと、ともだちと協力すること、自分のことを素直に表現することができるようになってきたように感じます。たくさんの気づきと発見があり、生きる中で大切な様々なことを学べるCAMPワークショップ。これからもこどもたちが自分を表現し、人に伝えられる活動を一緒に取り組めればと思っています。

小柴 文乃(こしば ふみの)
精華町立東光小学校 教諭
“継続は力なり”を胸に、こどもたちと共に日々成長できるように過ごしています!

第94回目
(2013年04月08日更新)

森 明人/東北福祉大学総合マネジメント学部講師

 私たち東北福祉大学森ゼミは、ワークショップでのファシリテーション等でCAMPに参加させていただいておりますが、教員の立場から学生たちの取り組み、また私なりの所感などをみなさんと共有できたらと思っています。先日私が勤務する東北福祉大学で社会貢献学会が開催されました。基調講演は「希望学」の東大/玄田有史教授です。すなわち、「希望」とは「行動によって何かを実現しようとする気持ち」(Hope is a Wish for Something to ComeTrue by Action)であり、「wish=気持ち」「something=何か」「come true=実現しようとすること」「action=行動」の4本柱から構築されているとのことです。そのお話が、私がCAMPの取り組みのそばで実感する「開放感」や「創造性」、「エネルギー」と「未来志向」などなど、CAMPが有する魅力に緩やかな輪郭を与えてくれたと思っています。
この場に関わる一人ひとりにとってCAMPという場のもつ「非日常性」は、日頃の形式/様式からの思考の解放、他者との出会い、新たな関係性の創出、いずれも自己再発見のプロセスであり創発する場なのだと感じています。またCAMPの創設と発展過程に込められた思いと多様な文脈から編みだされる恊働は、参加するものを「モノローグ」から「ダイアローグ」へ、その中で「希望」の諸エッセンスが内省され、いつの日かそれぞれの現れかたで結実していくのだと思っています。
こどもたちと大学生、こどもたちと企業、大学生と企業、地域が開かれて個性的なアクターが触媒することの意味、今後もCAMPの多様な意味の生成とそのダイナミクスのなかで希望につながる「something=何か」を探究していけたらなと考えています。

森 明人(もり あきと)
東北福祉大学総合マネジメント学部講師

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boy ファシリテーターリレーコラム girl

CAMPで活動するファシリテーターが、ワークショップへの想いを語ります。

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第14回目
(2004年12月07日更新)

もり ひでき

ファシリテータ-としてワークショップに参加していると、こどもたちの様子を肌で感じることができます。真剣なまなざしで作品づくりに集中しているこどもたち。何度も何度も失敗しながら、でも繰り返し挑戦し続けるこどもたち。輝くような表情で「見て見て!」と作品を見せてくれるこどもたちの様子に、いつも元気づけられています。「楽しかった!」「また、やりたい。」「今日は、久しぶりに頭を使った!(普段、どんな頭を使っているのか少々心配でもありますが・・)」といい残して帰っていくこどもたちの後姿を見ながら、準備や運営に走りまわって少々へとへとになっている体と、なんともいえない充実感と余韻の組み合わせが、自分にとってワークショップの魅力でもあります。参加者にとっても、運営する私たちにとっても魅力的なワークショップ。「ワークショップのよさをもっと解明したい。」最近、そんなことを考えています。これからCAMPでも少しずつではありますが、ワークショップをテーマにした研究活動を行っていきたいと思っています。また、いろいろな場で皆さんにもご報告できればと思います。

第13回目
(2004年11月10日更新)

いちはし ゆき

あかるいほうへ
CAMPでこどもたちと過ごした時間は私の宝物です。ワークショップへやってきた多くのこどもたちは、言いました。「はじめはできないと思ったけれど、できてうれしかった」そして、こんな風に言っていたこどもたちがいつの間にか、できないとは思っていなくなっている、ということを初めて知った時、驚きと喜びでいっぱいになったことを覚えています。子どもたちの明るさがそうさせたのだと思いはじめました。
 
子どもたちの内側の明るさは、自分の内側を照らすだけではなくて、周りをも照らしているようです。明るさの効果は偉大だと思います。夢を持つことができ、そして、その夢が叶うことを疑わずに一生懸命考え、失敗を恐れず行動に移し、努力します。そんな子どもたちから、私はたくさんの明るさをわけてもらいました。
 
私は、今、CAMPを旅立とうとしています。これからはイタリアの地で絵画の制作と研究に励むことになります。たくさんの明るさや、勇気を分けてくれた子どもたちに感謝して、また会える日を楽しみに待ちたいと思います。その頃には、こどもたちはこどもたちではなくなっているかもしれません。大好きなみんなが日々成長していく姿を、見守り続けることができないことはとても残念だけれど、みんなからもらった明るさを信じ、進みたいと思います。

あかるいほうへ、あかるいほうへ。

CAMPから飛び立つ、1粒の、たんぽぽの綿毛は、みんなと一緒に過ごした日々を大切な宝物にしています。そして、いつかまた、会える日を楽しみにしています。

子どもたちと同じくらい、素晴らしい仲間に出会えたこと、明るい世界を持った大人に出会えたこと。アイデアを出し合い、意見を交換しあい、そして高めあった時間。失敗を共に悔しいと思い、喜びをいっそう大きくして分け合ったこと。私のもう1つの、大切な宝物。

第12回目
(2004年10月14日更新)

うえのうけんじ

こどもの発想力といっても大人にかなうわけない。こどもはすごいと言いつつも、どこかでそう思っていました。作業の丁寧さ、出来上がりの完成度。やっぱりそうだ、「こども」として見ているからこどもなのにすごい、ってなってる。

それでもすごいっと感じてしまう改めて考える。なんで、すごいって感じてしまうんだろう?予想外のアイデアに出会ったとき、その瞬間「お!」という言葉がもれている。精度ではなくアイデアを出すという点ではこどもも大人も公平。見てきたものも、考えてることも違う別人。対等だ。良いアイデアなんだ。

そのアイデアを出したのが大人だったらどうだろう?悔しくてあんなのすごくないって思うかもしれない。あの人はすごい人だねーとおもうかもしれない。前者には、良いものを認める素直さと自分は思いつかなかったと認める勇気が、後者には、自分ならどうだろうと考える向上心と未知の分野に対する好奇心が、それぞれ少しばかり足りなくなっているんじゃないか?こどもの作品の中にあるアイデアは素直にキラキラと輝いてみえて、その集中力と表情、「おもしろそう!」という一言が生きるエネルギーに満ち満ちていて、思わず微笑んでしまう。「楽しそう!」

こどもは活動を見る僕の「いい格好しい」の部分を取っ払って「やる気」を惜しげもなくくれる。う~む…。
「みんな、ありがとう、大好き!」としか言えません!

第11回目
(2004年09月14日更新)

にしおか たける

初めてCAMPに顔を出した時のこと。

ファシリテーター?
初めて聞く言葉が、CAMPでの自分の立場。その日はなんのこっちゃ分からない状態で終了。

家に帰り、早速久しく開いてない英和辞典を引く。
facilitate:(行動などを)促進する
なるほど、こども達の創作活動を促進すればいいわけね!言葉をかけて、やる気を起こさせればいいわけだ。なんだ、俺得意じゃん。

ところが、人生そんなに甘くない。

あるワークショップでのこと。
素材を手にしたままいっこうに作業を始めない子がいた。よっしゃ!いっちょ声をかけて一緒に作っていこう。しかし、どんなに声をかけても、やはり手を動かしてくれない。自分以外のファシリテーターもその子のことは気になるのか入れ替り立ち替り声をかける。しかし、やはりだめ。

そんな時、ファシリテーターの一人がこう言った。
ほっとこう
まじですか?と内心びくびくしながらも、ほっといてみた。
やはり、手は動かない。

もう終わっちゃう…。

その時、遂にその子の手が動いたのだった。

僕達ファシリテーターは、やろう、やろうと声をかけてこどもの創作活動を促すことは必要です。しかし、時には前述のようなこども達を信じて見守るということも必要なのではないでしょうか。こども達はやらないのではなく、思考しているのかもしれません。思考することは目に見えない創作活動なのです。それを汲み取ってあげることはとても難しいことですが、僕達ファシリテーターには必要なことだと思います。

「無言のfacilitate」
それが、僕がCAMPに参加して一番印象深く学んだことです。

第10回目
(2004年08月18日更新)

こうた じゅんこ

小さいころの夢って、おぼえていますか?

私は幼稚園のころは「お姉さん」(妹だったので)、小学校低学年は「せんせい」、小学校高学年は「動物園の飼育員」「獣医さん」「音楽家」、中学になってからは特になく、高校になると「デザインの仕事」。脈絡のない夢は、いつの間にか「デザイン」に絞り込まれ、最終的には「デザイン」→「インテリアデザイン」→「プロダクトデザイン」となりました。「おもちゃデザイナー」を経て、今の職業はといえば、「ワークショップデザイナー」兼「グラフィックデザイナー」。

CAMPのワークショップでは、いろいろなテーマをとりあげています。先日の「サマーハウス」ワークショップでは、建築をテーマに、こどもたちは図面を描いたり模型を作ったりする工程を経て、家を建てました。参加者のお母さんの感想に、「先日まで生物学者になると言っていたのが、建築家になりたいと言っていました」と書いてくださっていました。それを読んだ瞬間、ワークショップでの疲れがふっとびました!CAMPで体験したことを、夢のひとつにしてもらえることは本当に嬉しい!

夢を思い描き続ける力は未来をつくっていくと思っています。夢が叶わないことがあるかもしれない、苦しい思いをするかもしれない。それでも、夢を持つことはステキなことです。

今の私の夢は、CAMPに来るこどもたちの夢の種になるようなワークショップをたくさん!考え続けることです。今、皆さんは夢がありますか?
 

第9回目
(2004年07月09日更新)

やまざき さほこ 

「見て、見て!」こどもの声にふりむくと溢れんばかりの笑顔!
こどものできないことをお手伝いしたとき「ありがとう!」の元気な声!
まだ慣れないCAMPのワークショップ。
どきどきの私。
そんなこどもの反応に少しだけ緊張がほぐれる。
そのときのファシリテータは、たぶん私ではなくてこども。
いろいろな体験をし、おとなになりこどもの時にできなかったことができるようになったこともあるけれど、逆にできたことができなくなったこともある。

私たちおとなは、自分の体験を活かしファシリテートをする一方で、こどもから自分が忘れてきている何か、失ってしまった何かを得るファシリテートをされている気がする。私も元気にこどもに伝えたい「ありがとう!」と・・・。

第8回目
(2004年06月10日更新)

こんどうかずま

少し前に学習講座のCMで算数の問題が出ていました。

7 + 3 = □
□ + □ = 10

「上は日本での算数の問題。」
「下はイギリスなど欧米諸国での問題。」

とナレータの声。

上の日本の問題では、考えないでも回答が可能。しかし欧米諸国の問題は自分で考えなければ回答を導き出せない。

「確かに考える力を養うには下の問題だろう」
と私は感じたが、きっと同感だった人も多いのではないか?

ファシリテータとして、どんな風に伝えたら良いのか。きっとひとつの答えではないことは分かってきているが、ファシリテータは常に悩むことを忘れてはいけないのだと感じています。

第7回目
(2004年05月07日更新)

くさかなつこ

あなたは、何かに夢中になっている時の自分の顔を見たことがありますか?
   
私は、ワークショップで写真を撮る係になることがあります。
   
こどもたちが生き生きと何かに夢中になっているときの顔を私は、
「いい顔」 とよんでいます。
  
「いいこと考えた!」の顔
「どうしよう・・・」の顔
「おもしろい!!」の顔
「なんで?」の顔
「すごいな!」の顔
  
一日のワークショップでシャッターを押す回数は、数百回。
部屋の中は、「いい顔」でいっぱいになります。
  
私は、その写真で何ができるでしょう?
写真は、動いてゆく時間をとどめておくことができます。
  
一日の終わりに、
「あぁおもしろかった!」のあなたにも
「うまくいかなかったな・・・」のあなたにも
  
この時、楽しかったな。
まわりの友達は、こんなことしててんな。自分のこんな顔はじめて見たわ。
  
そんなことを感じながらCAMPで過ごした一日を思いかえす時間のお役に立てたらいいなと思っています。

第6回目
(2004年04月09日更新)

いしかわ さよ

一体どこからそんな発想が出てくるの!?

毎回、ワークショップに参加する度に、大人顔負けのアイデアに驚かされます。子どもたちのアイデアに、ほんの少しテクノロジーや講師の方のエッセンスが加わるだけで、さらに個性豊かな作品が勢ぞろい。出来上がった作品を「こんなのできたよ!」と満足気に説明してくれる子の顔をみると、思わずこちらまで顔がほころんでしまいます。例えば、クリケットワークショップではプログラミングをすることで、子どもたちの作ったおもちゃが思い通りに動いたり、光ったりするので、「僕(私)でもこんなおもちゃが作れた!」と自分自身に驚いている子を多く見かけます。どのワークショップにも共通することですが、出来上がった作品を子供たちが見た時に、自分自身の持っている力に気づいて「オッ!」と息を呑む瞬間を見ることができるのもファシリテーターの醍醐味といえるでしょう。
子どもたちにとって、一回一回のワークショップの経験は小さな出来事なのかもしれませんが、そこで得た小さな自信が糧となり、大きな自信へと繋がっていくことを願ってやみません。その子どもたちの充実した経験を少しでもお手伝いできればと思っています。
  

第5回目
(2004年03月11日更新)

ますだたみ

子ども達のアイディアがひらめく瞬間に立ち会えることや、初めて会った子ども同士が、共同作業をすることでいつの間にか友達になっていること。そんなシーンを垣間見れるのがファシリテーターをやれてよかったと感じられる瞬間です。

先日東京で行われたCAMPのクリケットワークショップに集まった子どもたちは最初、期待と不安の入り混じった緊張した面持ちにみえました。はきはきと元気な子もいるけど、もじもじ気味の子、「友達できるかなぁ」とつぶやいていた男の子もいて、大丈夫だよと励ましつつはじまったワークショップでした。

初対面の子どもたちでのグループ制作は大丈夫かな?パソコンの操作もできるかな?素材もたくさん用意してあるけど、使ってくれるかな?そんな私の心配は、いざ始まると子どもたちによって吹き飛ばされました。思いがけないアイディアもあり、協力、分担しあって、着々と作品ができていくことには驚きです!

ハイテクでもアナログでも、創作活動を通した共同作業で協力しあう体験は、社会の基本となる人の関係を大事に思うきっかけになるのではないでしょうか。なんて、難しい事は言わなくても、ワークショップの最後にはまるで以前からの友達のようにうちとけた子ども達の姿が見られた東京での1日でした。

第16回目
(2004年02月15日更新)

もりもとまき

ガタンゴトン…ガタンゴトン…
  
ドキドキ…ドキドキ…
  
自宅から大川センターまで電車に揺られること約2時間。朝起きてからワークショップが始まるまで緊張すること約○時間。どんなに朝早くても、電車の中では目がパッチリ。
「今日はどんな1日になるのかな」
「どんなこども達と出会えるのかな」
そんなことを考えていると、一瞬で大川センターに着いてしまいます。ワークショップが始まるその時まで緊張しっぱなしです。その時まで…。
  
「こんにちは!」笑顔でワークショップの主役達が到着。すると、プチッ!て糸が切れたように私の緊張がほぐれてしまいます。こども達の笑顔につられて私も笑顔に…よし!頑張ろう!て気合を入れてもらっています。そして、ファシリテーターとしてCAMPに来てから様々なこどもの発見がありました。いろいろなこども達の表情を見ることができたのも1つ。そして何より、こども達の声です。
  
「こんにちは!」
  
「見て!見て!」
  
「出来たよ!」
  
「ちょっと手伝って!」
  
「ありがとう!」
  
こんなに人の声って、心に響くものだっけ?どうしてこどもの声って人の心に素直に響くのだろう…。不思議だなぁ。  
  
自分の中で新たな発見・疑問ができたからには追求したい。これからもたくさんのこども達と触れ合い、たくさんの“表情”と向き合い、そしてたくさんの“声”と出会っていきたいと思います。

第4回目
(2004年02月12日更新)

むらたきょうこ

はじめの第一歩。

「僕は、楽器を習ってないし、音楽は苦手だし、いつもはまったく興味がありません。でも、このワークショップはおもろしろそうだから来てみた。」
11月のハイパースコアのワークショップに参加したある男の子が自己紹介のとき言った言葉です。

なんだかとても染みました。

トライする前にそれは無理、とあきらめてしまったり、時間がないから、と目をつむったり・・・自分と趣味や興味を持つものが違う人には、壁をつくってしまったり・・・おもしろいかもしれないのに・・・・もったいないっ!

だから、ここに来るこどもたちには、CAMPを通して、一緒に過ごす友達を通して、やっぱり苦手かもしれない、でも案外おもしろいかもしれないいろんな世界をちょっとのぞいて見て、いろんなことを感じて「楽」習していってほしいと思います。そして、そこからはじまる第一歩が二歩目へつながるように、より楽しくおもしろくなるようにファシリテートしていけたら、と思います。

第3回目
(2004年01月08日更新)

もりひでき

こどもには、かなわない。

ワークショップでこどもたちを見ていると、いつも感じます。好奇心や集中力、そして何かを学び取ろうとする力。こどもたちが、生まれながらに持っている本当にすばらしい能力です。ワークショップの中では、いろいろなことが起きています。

「どうしてそんなの見つけられたの?」と、大人の私たちにはできないような発見をしたり。「・・・?」と、びっくりするようなことにこだわりを持ったり。うれしそうに「見てみて!」といいながらつくったものをお互いに見せあったり、一緒に遊んでみたり。(何かちょっといい「モノ」ができると無性に見せたくなるのは不思議です。)「すごい!」と思ったことは、大きな声に出して感心してみたり。「おもしろい!」と思ったことには、思いっきり笑ってみたり。そんな「いいアイデア」を横目で眺めながら、こそっとまねしてみたり。こどもたちって、本当にすごいです。悔しいですが、ちょっと自分には真似できないことばかり。(ワークショップの時は、意地を張って無理してみますが。)

自分でも気づかぬうちに、大人未満の存在として「こども」を見てしまいがちです。もちろん、大人と比べると未発達なこどもを、守り育てていくのは私たち大人の責務だと思います。でも実は、こどものほうが「すごい」こともたくさんあることを、日々感じます。

2003年