コラム

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boy メッセージ to CAMP for CAMP from CAMP girl

CAMPの活動に協力してくださる方や、スタッフ・関係者からのメッセージを紹介します。

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第112回目
(2015年12月08日更新)

谷口 多聞/オリックス株式会社

ビジネスにおいて「顧客満足度」という考え方が重視される様になって、随分時間が経ちました。私たち、金融マンにとって「顧客満足度」とは、「早さ」や「安心感」、「お得感」であることが多く、切磋琢磨している訳ですが、ひとつ縁が無いものがあります。それは「楽しんでいただくこと」です。

今年は「こどもたちに野球を知って欲しい」という想いから、CAMPのみなさんと、オリックス・バファローズを舞台にした企画を考えさせていただいたのですが、そこではこの「楽しんでいただくこと」が問われます。しかも相手はこどもたちです。ごまかしがききません。「どうすれば楽しいのか?」「そもそも試合に負けたらつまらないのでは?」と慣れないテーマだけに、不安な気持ちを抱えながら、開催の日を迎えました。

当日、驚きました。最初は緊張した顔色のこどもたちが、ファシリテーターの笑顔につられ、次第に生き生きと、好奇心旺盛な顔に変わっていきます。「球場でかっ!」「野球選手のバットが置いてある!」「頭を撫でて貰った!」「つくったメガホンで応援してたら、野球見るの忘れてた(笑)」私たちの思惑など関係なく、好き勝手に「楽しいこと」を見つけていきます。そこでようやく、「どうすれば楽しんで貰えるか」を考えるのではなく、こどもたちの好奇心を邪魔しないよう、不安や緊張を削いであげることに専念すれば良かったんだ、そのためには自分が楽しめば良かったんだということに思い至りました。

CAMPの活動はまだ参加させていただいて2回目ですが、こどもたちだけではなく、参加させていただく大人たちの気づきの場でもあると思っています。ぜひ私たちも仲間に入れていただきながら、少しずつその輪を広げていければ良いと考えています。

オリックス株式会社 事業法人営業第一部 
入社以来、営業一筋。休日はバファローズを応援する日々も、中々報われることは無く。野球観戦は、たまに勝つ位がおもしろいと思い至る今日この頃です。

第111回目
(2015年10月08日更新)

大村 健/小学生三兄弟の父親

我が家の小5男子二人(双子)と末っ子の小3男子一人がいつも楽しくCAMPワークショップに参加させていただいてます。CAMPのプログラムは4時間ほどありますから、小学生としては集中力が切れて途中で飽きてしまってもおかしくないのですが、いつも「楽しかった~!」と満足して帰ってくることに驚いています。

もちろんCAMPのプログラムには、こどもたちの想像力を掻き立てる工夫、綿密な準備、実際のプログラムの中でのファシリテーターの方々のこどもたちに対する的確なお声掛けなど、そのディテールにおいてCAMPがワークショップとして素晴らしい実践となっていることの理由はいくつも見つけることができます。しかし、それらのディテールとともにCAMPの成功の基礎となっているのは、その協調的問題解決というコンセプトにあるのだと思います。こどもたちはグループ毎に課題を与えられ、その課題は皆で協力し合いながら解決し、最後に晴れの舞台として親も含めた皆の前で発表する。毎回、こどもたちなりに苦労しながらも、最後にはその努力に見合った成果を仲間と共有し、共感する。全くもって素晴らしい体験です。

我が家の三兄弟も何回かワークショップの参加を経るごとに、自信をつけてきたのか発表時の声が大きくなってきたり、成長しているようです。これも全てCAMPワークショップ、ファシリテーターの皆様のおかげです。今後もこの素晴らしい活動をぜひ続けて下さい。

小学生三兄弟の父親

第110回目
(2015年08月07日更新)

大草 芳江/特定非営利活動法人natural science 理事

社会の成熟化に伴い、科学や技術はブラックボックス化し、わたしたちは便利さと引き換えに、科学や技術の“プロセス”を五感で感じる機会を失ってきました。しかしながら、科学や技術のもたらす“結果”のみを一方的に享受するだけの姿勢では、科学離れや科学リテラシー不足などの社会的リスクを回避することはできません。一方で科学と言うと、“結果”ばかりが注目されがちですが、そこに至るまでの“プロセス”にこそ、知的好奇心や論理的思考力をはじめとする、科学的なものの見方・考え方が隠されています。

そこで我々は「科学の“プロセス”をこどもから大人まで五感で体験できる日」をコンセプトに、一般向け科学イベント『学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ』を2007年から毎年、東北大学(仙台市)を会場に開催しています。本イベントの主旨に賛同いただき2012年から出展いただいているCAMPは、WEB申込受付開始から数時間で予約が埋まるほど人気のプログラムです。その人気の秘密は、科学の“プロセス”をこどもたちが主体的に楽しむことを重視するスタンスにあると思います。まさに知的好奇心は科学の原点。これからも知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造にむけて、ぜひ連携できれば幸いです。

1982年、長崎生まれ。2005年、東北大学理学部卒業。2007年、東北大学大学院生命科学研究科博士課程前期2年の課程中退。2005年、東北大学大学院在学中に有限会社FIELD AND NETWORKを設立、取締役に就任。2007年、特定非営利活動法人natural science を設立、理事に就任。

第109回目
(2015年06月08日更新)

佐藤 亜里紗/株式会社福島銀行 経営企画室

福島銀行でCAMPワークショップの取り組みを始めて、3年が経ちました。記念すべき一回目に参加してくれた小学6年生は、もう中学3年生。そんなことを考えると、大きくなったかな?勉強がんばっているかな?と、なんだか親戚のおばちゃん気分です。

CAMPワークショップで一番感じることは、こどもたちの成長の早さです。うまく自己紹介できなかった子が、発表会では積極的に質問していたり、つくり方を少し助言しただけなのに、道具を使いこなしていたり・・・スピードに違いはあっても、どの子も成長していくのを感じます。
ワークショップの時間は、長いようでもあっという間。でもその短い時間の中で、成長するこどもたちのイキイキとした姿と、帰り際のあの笑顔!私にとって元気をもらえる瞬間です。

4時間というワークショップの時間は、こどもたちの人生にとってわずかな時間かもしれません。それでも、このワークショップの4時間が、こどもたちの心に何かの引っかかりを生み、将来のきっかけになったらいいな・・・そんな思いでいつも開催しています。

このCAMPワークショップの魅力を、もっと福島県のこどもたち・大人たちに知ってもらいたい!未来を担うこどもたちをもっと応援していきたい!!微力ながら今後もがんばっていきたいと思います。

株式会社福島銀行 経営企画室。ちょこっとだけ銀行業務を経験し、現在はワークショップを中心に地域貢献活動に携わる。この夏は、一大イベント『福島わらじまつり』を盛り上げるべく大奮闘!

第108回目
(2015年04月08日更新)

安斎 勇樹/東京大学大学院情報学環特任助教

私は今、ワークショップを専門とする研究者として、こども向けから大人向けまで、さまざまなワークショップを開発し、実践しています。ワークショップをしていて驚かされるのは、CAMPのこどもたちと同じくらい、企業の大人たちもまた、ワークショップにのめり込んでしまうということです。多くの企業では、守らなければいけないルールや競争的な雰囲気の中で、新しいアイディアを生み出しにくくなったり、柔軟な頭で問題を解決できなくなってしまっています。ワークショップの魅力は、いつもとは違う視点で日常を眺めてみることで、それまで気がつかなかった発見をもたらし、問題解決のヒントを与えてくれることです。その発見を仲間と共有しながらコラボレーションするプロセスこそが、ワークショップの楽しさの根源なのです。

私たちが今新たに開発している『CAMPオトダマ○ワークショップ(仮)』は、身の回りのなにげない音の素材を録音し、それをコンピューター上でつなぎあわせることで音の流れを“プログラム”するワークショップです。普段は気がつかなかった音の魅力を発見できるだけでなく、音をメディアにしながら他者とコラボレーションする楽しさを実感できるプログラムになっています。CAMPのこどもたちには「この経験が将来どんなかたちで役に立つのだろう?」と想像しながら、このプログラムを楽しんでもらえたら幸いです。

※CAMPオトダマ○ワークショップは名称変更し、CAMPナリグラムワークショップとなります。

1985年生まれ。東京都出身。私立武蔵高校、東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程満期退学。現在、東京大学大学院情報学環特任助教。
創造性を引き出すワークショップデザインについて研究している。
http://yukianzai.com/

第107回目
(2015年02月06日更新)

朝倉 民枝/株式会社グッド・グリーフ代表取締役/クリエイター

CAMPのみなさんと2つのプロジェクトをご一緒させていただいています。いずれもオリジナル絵本をつくるワークショップです。

ひとつは、インクルーシブな場づくりを行うCollableの山田小百合さんとの三者協働での活動です。障がいのある子もない子も一緒になっておはなしづくりを楽しみ、互いの作品を鑑賞します。こどもたちの作品や取り組みから、思いもかけない時間の捉え方や世界をみる視点に気づかせてもらい、表現の豊かさ、人としての豊かさに触れられます。そして、プロジェクト全体も私にとって学びの場です。導入で行うアクティビティを事前にみんなで試すとき、CAMPのみなさんはこども顔負けの真剣勝負になるのです。当日の時間中も「指導」ではなくこどもの中に入っていきます。一方、絶妙な距離感をとりながら360度にアンテナはりめぐらした心配りで進行されていて、その2つの共存がプロフェッショナルだなぁと感心します。終了後のふりかえりミーティングではこどもたち一人ひとりについてのエピソードを書きだし俯瞰することもしてみました。それら一連が、まるで贅沢なワークショップのようです。

もうひとつは、本格始動はこれからですが、神戸にできた小児がん専門治療施設「チャイルド・ケモ・ハウス」での活動です。闘病中のこどもたちは、身体的な負担のみならず、外出もできず友人とも遊べない非日常な暮らしの中で大きな精神的ストレスにさらされています。物語として外へ出すことで様々な気持ちを解放し、できあがった絵本を家族や院外で待つ友人に贈り喜んでもらえることで前向きな気持ちになれるようです。今後ハウスの利用者が増えてきましたら、さらに活動を充実させていきます。

これからもいろんなシーンで一緒に活動できることがとても楽しみです。

株式会社グッド・グリーフ代表取締役/クリエイター。
「ピッケのおうち」「ピッケのつくるえほん」を開発し、こどもの創造表現活
動を支援する活動を行っている。
http://goodgrief.jp/
http://pekay.jp/

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boy ファシリテーターリレーコラム girl

CAMPで活動するファシリテーターが、ワークショップへの想いを語ります。

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第26回目
(2005年12月06日更新)

うえのうけんじ

2005年11月13日
写真のワークショップがありました。

そのワークショップの中で、写真家広川泰士さんが撮影された参加家族のポートレイトを10枚ほど目にしました。今までのポートレイトのイメージとは違う、家族ではない僕までおもしろく見られる、そんな写真となっていました。

この家族はお母さんと娘二人対お父さんという関係だな、こっちの家族は弟が甘えんぼで家族のペースを作っているな、など。
・・・そう、その写真には家族の関係性まで写っているのです。
写真に写される情報が姿かたちだけではない。

普段のワークショップでもその日を振り返るために写真を撮影しています。
1人を写すときは、その頭の上に「!」や「?」が見える瞬間。
2人を写すときは、その瞬間に加えて2人のやり取りが想像できるような一瞬。
3人、4人・・・と続いていきます。

けれどたくさん写しすぎると、焦点がぼやけてしまう。
ポートレイトでは背景は一色で何もなく、写るものは家族だけ。
だからこそ、家族の関係が浮き彫りになるのだと思います。

ワークショップでも、そんなこどもたち同士の関係性まで見えるような写真を、こどもたちにこそ観てもらいたい。
そこにはきっと、普段鏡の前では見られないようなステキな表情も想像もして
いないような表情も写っていると感じているからです。

けれどまだまだ出遅れて撮れていない写真、見落としている瞬間がたくさん・・
その瞬間のために這ってでも、頭を打ってでもカメラを構えたいと思います。そんな風に思えたのも、初めてのワークショップのリフレクションで「いい顔」をたくさん観たから。

うん、ワークショップはファシリテーターにも、良い何かを与えてくれているようです。

写真を撮ることは楽しい!

うえのうけんじ(バトンは こうたじゅんこさんへ)

第25回目
(2005年11月09日更新)

おばた けん

ハイサイ!!
沖縄で「CAMPクリケットワークショップ」を開催しました。

夏休みも終わり、真っ黒に日焼けしたこどもたち。
期待と不安な表情を覗かせながら、ワークショップ会場にやって来ました。

くじ引きで二人一組になり「海」をテーマにした作品をつくります。(お父さんが海人(うみんちゅ・漁師)だから船を作るんだ!と言い張るこどもも…)

はじめて出会ったこどもたちは最初はコミュニケーションが上手くとれなくても、ワークショップが進むにつれて大人とは違う感性できちんとお互い協力して作品をつくりあげていきます。

こどもたちのそんな姿を目の当たりにしながら、何かの縁で出会う人と人との出会いやつながりって(言葉では表現しにくいですが)、いいなと感じました。

そうそう、沖縄にはこんな言葉があります。
「いちゃりばちょーでー」
一度あったらみな兄弟という意味です。一期一会の出会いを大切にする気持ちを忘れたくないですね…。

こどもたちが作り上げた作品の発表を聞きながら、感性や創造力の豊かさを感じつつ、ワークショップの魅力も感じることができました。

そしてワークショップも終わりに近いた頃、外からお祭りのエイサーの掛声が「イヤー・サッサ」
大人たちの疲れも露知らず、こどもたちはお祭りへ…。
底知れぬこどもたちのパワーにびっくりです。

おばたけん (バトンは うえのうけんじさんへ)

第24回目
(2005年10月06日更新)

ふじお とうすけ

こどもについて

サマーハウスに参加した。
3日間続きの、大掛かりなワークショップ。
3日間、同じこどもたちとずっと一緒にいると、少し親心みたいなものが芽生えた。

「親はなくとも子は育つ」というけど、その逆はなくこどもがいなければ親が育つことはないように思う。こどもを守ろうとする気持ちや、こどもを愛しむ気持ちが、人を親にしていくのではないだろうか。私はまだまだ親という大変な立場にはないけれど、こどもと触れ合うことで少し大人になれた。

自分が大人になるにつれ、彼らのことがよく分かるようになってきた。こどもの心とはなんて分かりやすいのだろう。彼らのことはよく理解できる、なんと言っても、自分も同じ経験をしてきているのだから。

そんなことを考えながら、自分の子供の頃に鑑みれば、親の姿が思い浮んだ。
子供の頃の私は、親に色々なことを隠しているつもりで、その実はほとんど見透かされていたんだろう。

あぁ、なんて恥ずかしい。
大人たちは、どんな気持ちで私に接してくれていたんだろうか。

私はこどもと触れ合うとき、その向こうに幼かった私を可愛がってくれた人を写し、そのこどもに幼かった頃の自分をみてしまう。私を可愛がってくれた人たちと同じようにこどもたちに接し、私がもらった愛情を、こどもたちへ返そうと思っている。

彼らが、大人になったとき、こどもの向こうに私の姿を思い出してくれればいいな、と思う。

ふじおとうすけ (バトンは おばたけんさんへ)

第23回目
(2005年09月12日更新)

やまざき さほこ

はじめの一歩

私は、人前で話すのがとても苦手。
考えただけで、心臓がドキン、ドキン。
手も汗でぐっしょり。
大勢を目の前にした瞬間、頭の中が真っ白。

ところが、最近、以前ほど動揺していない自分に気づきました。
大きな発見でした。
人前で話す機会が多かった結果のようです。

日常の生活の中でも、いつの間にか何気なくできるようになっていたことがあることに、近頃よく気づきます。必要に迫られたいろいろな経験は、無駄ではなかったんですね。

過ぎてしまえば何気なくですが、最初はいつもチャレンジです。
これからも勇気をもって、"はじめの一歩"!

やまざきさほこ (バトンは ふじおとうすけさんへ)

第22回目
(2005年08月09日更新)

いしかわ たかこ

花咲かじいさん

わたしは花咲かじいさんを知っています。

わたしと花咲かじいさんは、よく同じ苗木をそれぞれ育てます。
これまで、ハイビスカス、がじゅまる、ポトスなどなど、いろいろチャレンジしました。

でも、わたしの木はいつもある程度育った後、ぱったりと成長が止まってしまいます。狭い部屋なので、そんなに大きくなっても困るからいいか。と思っていると、いつの間にか先っちょが黄色くなっていたりします。

これはまずいかも。と思っておじいさんのところに持っていってリハビリしてもらうと、あら不思議!?枯れかけた木や花もおじいさんの手にかかればたちまち元気はつらつ!ぐんぐん育つ!

「どうして?」と聞くと答えはいつも同じ。
「愛情が違うんだ」
(ほんとに毎回同じ言葉が返ってくる)

おじいさんのお部屋は、まるでジャングルのようにわっさわっさ。私と同時に育てはじめたハイビスカスが何本も咲いています。挿し木でどんどん増えているのです。

おじいさんはよくメガネを頭の上にのせて、じーーーーーーーっと葉っぱを見つめています。木の状態をじっくり観察しているのです。
私は自分の気まぐれで、水を換えなかったり、急に栄養剤をあげたり、Xmasだからとリボンを結んでしまったり・・・・・反省。わかっていてもまた繰り返してしまう自分が情けない。

でも、次は何にチャレンジしようかな。
育てる、ということはとてもむずかしいけど、やっぱり楽しいな。と思うのです。

いしかわたかこ (バトンは やまざきさほこさんへ)

第21回目
(2005年07月07日更新)

むらた きょうこ

告白

一日一日『大人』な年齢に近くなっていく、なってしまった。
と同時に何かが少しずつ少しずつはがれ落ちていってしまうような、『嬉しい』とか『楽しい』とか『すごい』とか『悲しい』とか、、、、。
ヒットする基準が高くなってきているような、退化しているのか進化しているのかわからない。そんな思いに陥ることがある。

みんなと接するときにいつも思うのが、その幅の広さ。

ドキドキ、ワクワク、ハラハラ、やられたっ!、あぁまたやり直し、、、、

ちょっとしたことでも響く。(だから言葉には慎重にならないといけない。)

あ、そういえば私もこどものころにそう思った気がする。

いつのまにかそれが普通になり、見過ごしても特になにも感じない、気づかないものになってしまったこと。
ひとつひとつ気にしていたら、どうしようもないし、慣れた、歳を重ねた、ということなのだろうけど。
でも、たまには思い出したい。

実は、ワークショップ中、ファシリテーターしながら、みんなから溢れたそんな鮮やかな感情の一葉一葉を拾って、思い出して、ためているのです。

むらたきょうこ(バトンは いしかわたかこさんへ)

第20回目
(2005年06月07日更新)

こいずみ ひろあき

ある日、社内でこども向けのワークショップを開催していることを知りました.。とても興味を持って見学と称し会場に遊びに行きました。

ファシリテーターの流れるような進行に感動し、作品を作るこどもたちのエネルギーに圧倒され、ワークショップが進むにつれて、ついに見ていられずに声をかけ、手を貸して、一緒に考えて・・・。
自分の会社で開催していることが夢のように思え、その後ファシリテーターの社員ボランティア募集を見た時には、迷わず手を挙げていました。

ファシリテーター経験はまだ数回ですが、毎回違う気づきがあります。こどもたちの考えていることを感じ取る難しさに悩みながら、「う~ん・・・実はファシリテートされているのは自分かもしれないな!?」なんて思うこともあります。肉体的には疲れますが、精神的な楽しさと満足感を毎回体験しています。そしてCSKが、このような社会貢献活動に取り組んでいることを誇りに感じています。

こどもたちの創造性や表現力、目的に向かっていくパワー、これは僕たち大人が忘れかけていたモノではないでしょうか?作品完成という目的に向かってどんどん進んでいく。時には考え込んでまったく止まっちゃう場面もあるけど、想像を膨らませて、パートナーと相談して、ファシリテーターに聞いて、また進んでいく。その一瞬一瞬がすべて輝いている宝物のようです。

また、次回の宝物(ワークショップ)を楽しみにして・・・

こいずみ ひろあき (バトンは むらたきょうこ さんへ)

第19回目
(2005年05月09日更新)

おおにし けいこ

いつから人は人となったのでしょう。
旧石器時代後期よりも以前にさかのぼると、正確には人間について語れるとはいえなくなり、あちらこちらの洞窟には人間に似た生き物が住んでいまた。
この生き物が他の動物と違うのは、道具を使い労働し、石を切るための仕事場を持っていました。けれどこの生き物は、決して芸術を作らなかったのです。
しかし旧石器時代後期の前半期に作られたものと推定されるラスコーの洞窟の壁一面には、おびただしい数の美しい動物たちが描かれています。

人に芸術は必要なのでしょうか。
なくても生きていけるものなのになぜ存在するのでしょう。
ワークショップも同じで、生活の中で必ずしも必要なわけではなく、行かなければならないものでもありません。
けれど私は、こどもたちが自分の表現を形にすることを通して人とつながることや同じ時間を共有することで生まれるかけがえのない場の一つだと実感しています。

きっと芸術は、崇高なものでも生活に必要なものでもなく、人間がどう生きていくかのキーワードなのではないでしょうか。
そして、ラスコーの洞窟は、人が無から作り出される想像の能力を示した最古の芸術生誕の場であると同時に、人が人となった場所なのかもしれません。

おおにし けいこ (バトンは こいずみひろあき さんへ)

第18回目
(2005年04月13日更新)

つじ ともこ

最近、目のまわりに細かいしわができているのを発見しました。(ちょっとショック)ふだんあんまりじっくりと鏡を見てないので、ずっと前からできていたんだろうけど、気づいていなかったんですね。

しわに気づいたとたん、ひとの目の表情が気になりだしました。「ひとの目が気になる」ではないですよ。いろんな人の目と、その周りのしわがどんな感じなのか、よく見てみることにしました。

大きくて吸い込まれそうな目、小さい光が奥のほうできらっとまたたいている目、疲れているのか、すみっこが暗くなっている目…。

目の周りのしわも、人それぞれでおもしろい。お年寄りのしわは特に魅力的ですが、50歳くらいの働き者のおじさんにも「やったぜ」と笑っているようなくっきりとしたいいしわがあることに気づきました。
メイクしている目を見るのもおもしろい。若い女の子の目はまつげがふさふさして、アイシャドウがきらきら。マダムのまぶたも色とりどりで、おしゃべりしているみたいににぎやか。

目には、その人の毎日の暮らしぶりと歩いてきた道のりが現れているようです。

こどもの目をのぞきこむとその透明さに驚きます。当然しわなんてないですし、つるっとしたもんです。あんまり無垢なのでこの生き物はどこか遠くから運ばれてきたのか、とも思います。きっと心の中では苦しかったり腹が立ったりしているでしょうが、まだきれいなまんまです。

いつか少しずつしわができて大人の顔になったとき、いい目をしていてほしい。こどもの透明な目に何を見せ語りかけようか、先に大人になった手前ちょっと責任を感じています。ワークショップの組み立てを考えるとき、こどもとの関わり方にいつも悩んでしまいます。
でもどちらかというと、くるくるよく動く目を、もっとくるくるきょろきょろさせてやりたくて、次の遊びを考えていると言ったほうがいいのかもしれません。

 つじ ともこ (バトンは おおにしけいこ さんへ)

第17回目
(2005年03月16日更新)

まきのまお

こどもは投げかけた言葉を素直に響かせる。
なので、褒める事はもちろん、絡まっている糸をほぐす言葉がワークショップで基本なんだけど、とっても重要なファシリテート。

一年で最大級のクリスマスワークショップ。
  
こども達も今日はドキドキわくわく。
  
ちゃんとリーダーできるかな?
皆と仲良く楽しめるかな?
  
そんな不安と期待が入り交じった顔をしている。
  
もちろん新米の私も。

そんな中、初めてのグループ共同作業「グループ名を決める」。
  
するっと名前が出て来るチームもあれば、皆が遠慮して出て来なかったり、決められなかったり。
  
私も一緒に
うーん。どうしよう、ね?

ふとある女の子の書いた提案を見ると、
  
すっごい上手!字が!!
  
思わず口に出た。
  
次にこのチームのテーブルに戻って来ると、その子のがグループ名になってた。

こっちは、皆遠慮して出て来ない。
  
やらないと、良いのも悪いのも出て来ないよー。
  
全員にひとまず書いてもらった。
  
次にこのチームのテーブルに戻って来ると、皆のを繋げてグループ名になってた。

ケーキにクリームをぬる作業。
  
あるグループは、ちょこちょことぬり足していたのでいったん沢山クリームをスポンジにのせてからが早いよ?
「これでいいの!」
おっ、何か策があるのね?要らない一歩先周りをしちゃったな。
  
今度戻って来たら、クリームの仕上がりがすっごく丁寧なケーキになってた。

そう、必ずしもそれが大人から見た「絡まった状態」ではない事もある。

色んな状況や色んなパーソナルを持ったこども達でとても複雑に要素が絡み合っている、答えもその数以上にある。かといって恐れても始まらない
  
まずは素直に子ども達がやり遂げた事や気づいた事に驚きと暖かいまなざしのある言葉を投げかけれればこども達が響き、私もそのまっすぐな気持ちに後押しされて動く。
  
そしてワクワクが伝染していくのだ。

これを体験した人は、きっと止められないと思った。

第15回目
(2005年01月07日更新)

いしかわ たかこ

「スイッチが入る瞬間があります」

3年前、初めてCAMPを取材した時のあるファシリテーターの言葉です。スイッチが入る?!ワークショップに参加するこどもたちには、まるでパチッと音が鳴ったかのように切り換わる瞬間があるそうです。1度スイッチが入れば、それはそれは大人顔負けの集中力をみせるとか。

3年が経ち、私はCAMPのファシリテーターになりました。

ひとりの子が自己紹介で「今の気持ちはブルーです。あまり期待していないから・・」、この言葉に新米ファシリテーターの私は動揺しました。

だるそうにパソコンで練習問題をはじめた彼。クリケットにダウンロード・・・失敗。もう1回ダウンロード・・・また失敗。側で見ている私はハラハラ。

「・・なんで?」
次の瞬間、私を見上げた彼の表情を見たとき、忘れかけていたあの日の言葉が一瞬にしてよみがえりました。・・・・スイッチガハイルシュンカンガアリマス・・・・これかぁっ!

「始めると、やりこめて、みんな個性的な作品ができて楽しめた」最後に書いてくれた感想です。

新米ファシリテーター、これからがんばります!

2004年

2003年