コラム

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boy メッセージ to CAMP for CAMP from CAMP girl

CAMPの活動に協力してくださる方や、スタッフ・関係者からのメッセージを紹介します。

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第100回目
(2013年12月08日更新)

竹村 郷/港区立青山小学校 副校長

「今日はロボティクスがあるんだ」と瞳を輝かせながら、毎年こどもたちは制作場所に向かいます。自分たちが考え出したプランのおもちゃが、プログラムどおりに動かすピコクリケットは、とてつもなく楽しいのだそうです。夢中になって取り組むこどもたちを見て、ふと昔のことが頭によぎりました。現在ではこどもだけでなく、保護者も待ち望む定番のカリキュラムとなっています。

私が赴任した5年前の当時、本校では1つ事例はあったものの、正直言って教員はあまり乗り気はしませんでした。「そもそも何の教科でするの?」「生活科のない上の学年が、おもちゃをつくることに意味はあるの?」と、通常の業務でヒィヒィ言っている教員には心の余裕はなく、ロボットづくりはいわゆる余計の産物にしか見えなかったのです。本校の隣に位置するSCSK青山ビルにロボットづくりの研修にも何度か招いていただきました。簡略化したプログラムと制作物とのマッチングはなかなか興味深く、大人も根を詰めて没頭していました。コマンドの種類や操作にも慣れ、それが今でもこどもたちの制作時にアドバイスする時に役だっています。また、何よりもこの授業を進める際には、SCSKの村田香子さんをはじめ、指導者とチームになって進められたことが大きかったと思います。
 
当初は動くおもちゃ、次は意図するプログラムづくり、そして今では意図したものを協力してかたちにする過程での情報交流の機会創出と、取り組む価値を多様に広げてきました。教科書のように先に覚えることや押さえるゴールが設定されているのでなく、どんどんゴールが先へしかも広くなっていくということにますますの可能性を感じます。

竹村 郷(たけむら さとし)

港区立青山小学校 副校長
本校に赴任して5年目、赴任当初よりSCSKのみなさまとは懇意にしていた
だき、今年は地域の祭りでロボティクスのブースを協力して出展し、好評を博しました。様々な意見交換や情報交流を通じ、SCSKの皆様から学ばせていただいています。

第99回目
(2013年10月08日更新)

番匠 宏明/京都水族館 営業企画部

CAMPに参加させていただいて、あらためて「こどもは正直だ」と感じました。私たちが会議室や机で、どうすれば楽しんでもらえるか頭を捻ったり、実施の効果をアンケートでいかに聞き出すかなど、結果的にあまり意味のないことばかりを考えていましたが、答えはすぐ目の前にありました。こどもたちの表情はすごくシンプルに答えを返してくれました。

ワークショップの当日、水族館の受付に立ち、最初に参加者にワークショップの流れを説明していると、キョトンとした顔をしたり、水族館を見学できることに興奮して聞いていなかったりたりと、なかなか大人が考える一日の流れが伝わらないもんだなぁとヤキモキしていました。

水族館見学が終わったら、いよいよ発明ワークショップです。みんなの自己紹介や水族館で発見した生き物たちのすごいところの発表が始まりました。そして「バスケットシューズはその開発者がタコの吸盤からヒントをもらった」とファシリテーターから紹介があった時に、こどもたちの顔が一気にキラキラと輝きだしました。さらに発明品のアイディア出しになると、参加していた当館の飼育スタッフを囲むように、いろんな質問が投げかけられました。目的を見つけた瞬間のこどもたちの集中力と推進力に、ただただ呆然となってしまいました。

私も社内での会議や打ち合わせは多々あります。興味が無いことは聞いたふりをしたり、わかったふりをします。いかに流れどおりに振舞っても、自分が真剣に、自分の事として考えられてない時間は何の実にもなってなかったと反省させられました。

ワークショップも終盤になり、こどもたちが自分たちでつくった発明品を発表していきます。恥ずかしそうに話すこどももいましたが、その顔はどこか誇らしげに見えます。そして、こどもたちのつくった発明品には、こどもたちの表情がキラキラした瞬間を思い起こさせる楽しそうな顔がありました。その顔はこどもたちの一生懸命に費やした時間を物語っているように感じました。

もともと、水族館はこどもたちの笑顔に常に満たされた空間です。もしかしたら、その笑顔を当然の事と見慣れていた自分がいたのかもしれません。「こどもたちが笑顔になる」このシンプルなことの大切さ、難しさ、そして、その幸福感を体感させてくれたCAMP。あらためて、参加させていただいたことに感謝しています。少し形は違いますが、今回の経験を通して、京都水族館がもっともっとたくさんの笑顔で溢れるように努力したいと思います。

番匠 宏明(ばんしょう ひろあき)

京都水族館 営業企画部 3歳の娘の父親。京都水族館の開発から携わり、現在は対外的な折衝業務を中心に活動。時に実際の企画にも参加し、こどもたちの笑顔で仕事の活力を充電している。

第98回目
(2013年08月09日更新)

長谷川 智子/地域ボランティアグループ『ぷちっとボラ』代表

場所と時間と道具や材料があったら、こどもたちはどんどん遊びを生み出していくと信じて、週2日学校帰りに立ち寄って自由に過ごせる場を、ある小学校の余裕教室につくった。そこは、誰でも来ていい「公園」と同じ。違うのは、いろんな世代の大人がスタッフとして見守っていること。

部屋には、いろんな遊び道具や素材がある。囲碁の石がお金になったり、新しいパズルの材料になったり、こどもたちの発想で遊びは無限に広がる。

面白そうだと思えば、学年なんか関係なく寄っていって、いつの間にか一緒にやっている。スタッフは「すごーい!」「どうしたの?」「そうなんだ・・・」なんていう言葉をかけるくらいでいい。認める、投げかける、引き出す、つなぐのが役割。もめていても、かける言葉は基本的には同じ。話しているうちに、自分たちで解決していくことが多い。スタッフの役割は、CAMPのファシリテーターと同じだと思う。

実は、初めからこんな感じではなかった。やりたいことより、大人がやらせたいことをお膳立てされてきたこどもが多いのか、何かをする時、選ぶ時、大人の求める答えを探りながらやるようなところがある。だから、急に「やりたいことをやっていいよ」と言われても、何をしたらいいのかわからない子は多い。今のこどもを取り巻く環境は、結構厳しい。

今年、居場所づくりの活動を市内に広げたいと思った時、かかわる大人とプログラムが大事だと考え、CAMPのファシリテーター研修とクリケットの研修を三田市で開催してもらった。参加した大人もこどもも大満足。これから、CAMPのすばらしいワークショップと素敵なスタッフが、三田のこどもたちをもっと元気にしてくれると信じている。

長谷川 智子(はせがわ ともこ)

地域ボランティアグループ『ぷちっとボラ』代表、ゆりのき台小学校学校支援地域コーディネーター、同小学校地域運営協議会副会長など。
こどもを育む環境づくりとして、学校を核に教師、保護者、地域の大人をつなぎ、多世代が交わり支え合うまちづくりを目指して活動中。

第97回目
(2013年07月05日更新)

秋山 豊和/日本学術振興会インターネット第163委員会幹事/サイバー関西プロジェクト幹事

こどもたちとともに学ぶ新しい世代のインターネット
「コンピュータの『つたえる』仕組みを体験してみよう」を終えて

ここ数十年でインターネットはコミュニケーションツールとして、あるいは、個人や企業が非常に多くの人々にメッセージを伝えられる全く新しいメディアとして、社会インフラの一翼を担う存在となっています。システムがインフラ化するということは、一方でその存在が人にとって見えなくなることを意味しています。

「コンセントにプラグをつなげば電気が使えるように、コンピュータネットワークを利用できるようにしたい」

多くのコンピュータエンジニアが目指した理念が現実味を帯びるに従って、人々のコンピュータネットワーク自体への興味が薄れていくことになります。インフラ化したシステムは、人々からは見えなくなりますが、社会の要請に応じるためにより高度な機能が求められ、複雑化していきます。原発事故が我々に教えてくれたように、高度化するインフラを支える人材の育成、より安心して使えるインフラの構築・運用が次の時代を担う人たちに求められています。

日本学術振興会インターネット第163委員会やサイバー関西プロジェクトでは、このようなインターネット技術を支える人材の育成も視野に入れた活動をしています。

「見えないものだけど、大事なものなんだよ」ということを人に伝えるのは容易なことではありません。でもそれに積極的に取り組んでいる人たちがいます。

“コンピュータサイエンスアンプラグド”~コンピュータを使わずにコンピュータサイエンスをこどもたちに教える~、ニュージーランドのコンピュータアルゴリズムの専門家、ティム・ベル博士らの取り組みは、コンピュータの本質をこどもたちにわかりやすく伝える方法を教えてくれます。

日本でベル博士の取り組みを広める活動をしてこられた大阪電気通信大学の兼宗進先生のご協力を得て、今回インターネット技術をこどもたちに伝える取り組みに挑戦してみることにしました。しかし、これまでこどもたちを相手に授業をしたことなどありません。兼宗先生からも低年齢層への教育の難しさを指摘いただきました。

CAMPの皆様のご協力が得られなければ、今回のイベントの開催は実現しなかったことでしょう。CAMPを通してお声がけいただいたことで、今回のような取り組みに興味をもってくださるお父さんやお母さん、そしてこどもたちに参加いただくことができました。こどもたちの心を惹きつけるファシリテーションの技術、その結果引き出されたこどもたちの真剣なまなざし、そして笑顔。教育現場に必要なものを改めて学ばせていただいた気がします。

今回のイベントは、手探りの状態で準備を進めたため、すべてがうまくいったわけではありません。教育という面では、まだまだ検討することは数多く残されています。しかし、教育における新しい取り組みをはじめる場として、CAMPという空間の可能性に触れることができ、大変良い体験をさせていただいたと思っています。

⇒当日のワークショップの様子をこちらからご覧になれます。http://www.camp-k.com/wsreport/834/

秋山 豊和(あきやま とよかず)
1999年大阪大学工学研究科修士課程修了。2000年同大学博士課程中退後、同大学サイバーメディアセンター助手を経て、2005年より同センター講師。2008年より京都産業大学コンピュータ理工学部講師を経て、2011年同大学准教授。分散システム、インターネットアプリケーション、キャンパス情報システムなどに興味を持つ。博士(工学)(2003年9月、大阪大学)。日本学術振興会インターネット第163委員会幹事、サイバー関西プロジェクト幹事。

第96回目
(2013年04月08日更新)

吉田 正秋/福島銀行経営企画室 調査役

CAMPワークショップを実施するかどうか検討していたころは「こども向けの工作教室」だと理解して社長や役員へ説明していた。しかし、実際はこどもたちのただの工作の手伝いやお世話ではなかった。
「ファシリテーション」という言葉を初めて知った。
「ファシリテーション」では色々な社員の姿を垣間見ることができた。
こどもたちの輪の中に入れず悩む社員。
こどもたちに思うように説明できずに悩む社員。
普段の仕事ではみられない積極的な一面。
予想外なリーダーシップを発揮して全体を見ることができる社員。
チーフファシリテーターをできるか悩む社員。
ワークショップという非日常の世界だからこそ演じられる役まわりもあった(ボランティアとして募集した社内ファシリテーターの中に演劇部出身者が偶然か必然か2名いた)。
社員の様々な一面が見られたのは私自身の大きなよい誤算だった。
こどもたちをファシリテーションすることが、こんなにも社員の姿を活き活きと鮮やかに描写するものかと驚いた。
こどもたちの「楽しかったよ!!またやってね!!」
ファシリテーションを通じたコミュニケーションや新しい出会いは、私を含めみんなの人生の中できっと役に立つと確信した瞬間だった。

吉田 正秋(よしだ まさあき)
福島銀行経営企画室 調査役
小学3年生と4歳児の父親。本部に長く在籍するもCSRに携わるのは今回が初めて。創立90周年事業の担当者となったことからワークショップの企画運営に携わる。

第95回目
(2013年04月08日更新)

小柴 文乃/精華町立東光小学校 教諭

本校では、“なかよく・かしこく・たくましく”を学校目標に、やさしく思いやりのあるこども、深く考え進んで学ぶこども、明るく元気に活動するこどもを目指し、“生きる力”をつけるために様々な取り組みを行っています。

その中の一つ「‘東光っ子’未来の科学者育成プログラム」では、こどもたちを理科好きにし、自ら学ぶことのできる学びの場所づくりをする取り組みがあります。その一環として、2012年度の3年生は、こどもたち自身が楽しみながら、表現方法を見つけ、コミュニケーションの輪を広げることのできるCAMPワークショップに行かせていただきました。

1回目の『CLASSBOOKワークショップ』では、3年生107名が一斉に活動しました。クラスのともだちから貰った紙の“形”と“色”を活かして、自分の想像した“物”の一部として作品をつくっていきました。仕上げられた作品の発表会を開き、その1つ1つの作品をクラスごとに製本して、世界に1つだけのCLASSBOOKとしていただきました。

2回目の『クリケットワークショップ』では、各クラス36人ずつ活動しました。まずは、小学校でクリケットの使い方やプログラムのつくり方を学びました。プログラミングによって、どのような動きになるのか、どのような音を出すのか・・・、ともだちとたくさんの案を出し合い、ある一部分がモーターで動くふしぎな生き物を、実際にクリケットを使いながら考えました。そして、いよいよ大川センターへ。たくさんの素材を見て、こどもたちのアイディアはより素晴らしいものへとなっていきました。集中して活動し、一人ひとりの個性が発揮され、自由な発想を形にすることができました。

どちらのワークショップでも、「まさかこんな形からこんな作品に変わるなんて!」「このようなプログラムからこんな動きと音が出るなんて!」と、私はもちろんのこと、こどもたち同士でもみんなの素晴らしい発想に興味津々!そして、自然に拍手が湧き上がっていました。自分とともだちの豊かな発想を上手く合わせながら、創意工夫された作品が次々と生まれました。こどもたちの心の中にきらっと光る何かが芽生えたように感じました。

この貴重な経験をさせていただき、こどもたちが自信を持って自ら取り組むこと、ともだちと協力すること、自分のことを素直に表現することができるようになってきたように感じます。たくさんの気づきと発見があり、生きる中で大切な様々なことを学べるCAMPワークショップ。これからもこどもたちが自分を表現し、人に伝えられる活動を一緒に取り組めればと思っています。

小柴 文乃(こしば ふみの)
精華町立東光小学校 教諭
“継続は力なり”を胸に、こどもたちと共に日々成長できるように過ごしています!

第94回目
(2013年04月08日更新)

森 明人/東北福祉大学総合マネジメント学部講師

 私たち東北福祉大学森ゼミは、ワークショップでのファシリテーション等でCAMPに参加させていただいておりますが、教員の立場から学生たちの取り組み、また私なりの所感などをみなさんと共有できたらと思っています。先日私が勤務する東北福祉大学で社会貢献学会が開催されました。基調講演は「希望学」の東大/玄田有史教授です。すなわち、「希望」とは「行動によって何かを実現しようとする気持ち」(Hope is a Wish for Something to ComeTrue by Action)であり、「wish=気持ち」「something=何か」「come true=実現しようとすること」「action=行動」の4本柱から構築されているとのことです。そのお話が、私がCAMPの取り組みのそばで実感する「開放感」や「創造性」、「エネルギー」と「未来志向」などなど、CAMPが有する魅力に緩やかな輪郭を与えてくれたと思っています。
この場に関わる一人ひとりにとってCAMPという場のもつ「非日常性」は、日頃の形式/様式からの思考の解放、他者との出会い、新たな関係性の創出、いずれも自己再発見のプロセスであり創発する場なのだと感じています。またCAMPの創設と発展過程に込められた思いと多様な文脈から編みだされる恊働は、参加するものを「モノローグ」から「ダイアローグ」へ、その中で「希望」の諸エッセンスが内省され、いつの日かそれぞれの現れかたで結実していくのだと思っています。
こどもたちと大学生、こどもたちと企業、大学生と企業、地域が開かれて個性的なアクターが触媒することの意味、今後もCAMPの多様な意味の生成とそのダイナミクスのなかで希望につながる「something=何か」を探究していけたらなと考えています。

森 明人(もり あきと)
東北福祉大学総合マネジメント学部講師

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boy ファシリテーターリレーコラム girl

CAMPで活動するファシリテーターが、ワークショップへの想いを語ります。

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第81回目
(2010年11月26日更新)

くまがい まりな

初めてのCAMP。

こどもたちの反応はどうかな?
楽しんでもらえるかな?

当日まで不安でいっぱいだった。

でもそんな不安を吹き飛ばしてくる笑顔がそこにはあった。

一生懸命周りが見えないくらいものづくりに励む子。

自分の作品を得意気に見せてくれる子。

控えめだけどとても目立つ作品をつくっている子。

十人十色とはこのことを言うのだろう。
大人になるとなかなか個性が発揮できる場所は少なくなってくるのだとそのとき改めて感じた。

たくさんの個性がぶつかり合い、さらに新しいアイディアが生まれる。
見ていて飽きることがない。

「もう終わり?」「もっとやりたかった!」
「またやりたい!」「こんな仕事につきたい!」

今度どこかでまた逢うことができるかな?
もう一生逢うことはないかもしれない。

CAMPはそんな一期一会の出逢いの場でもある。

いずれにしても、これからのこどもたちの成長が楽しみだ。
その個性を忘れることなく、“おとな”になって欲しい。

第80回目
(2010年09月09日更新)

さわだ りみ

CAMP萌えポイント

・「プール、6級から4級に上がったんだよ!」と唐突に自慢された瞬間

・一緒に参加した親御さんに「負けるもんか」とつぶやいた瞬間

・「ボクわかるよ!」と言って、知識を総動員して説明をしてくれた瞬間

・どうしても部品がくっつかなくて、相談にきた瞬間

・相談に答えた後、「ありがとう」と走り出すタイミングが同じ瞬間

・お母さんに一生懸命作品を説明している瞬間

・お父さんが熱心に発表の様子を写真に撮っている瞬間

・手を挙げてから質問を考えている瞬間

・難しい質問にすらすらと回答する瞬間

・さっきまで威勢がよかったのに発表になった途端に声が小さくなる瞬間

・黙々と手を動かしていたのにまるでアナウンサーのように発表を始めた瞬間

・ただのペンギンではなく、温暖化をテーマにしていたことが分かった瞬間

・なかなか自分の意見を言えなかった子の感想を読んだ瞬間

・感想の画用紙にCAMPのロゴを細かく書いているのを見つけた瞬間

・また、会えた瞬間

第79回目
(2010年08月19日更新)

あしだ はじめ

「40年近く前の事です。京都府南部のとある町に住んでいた僕は絵を描くことや、工作や粘土の好きなこどもでした。そういう僕を見て両親は近くに住む絵の先生と書道の先生のもとに通わせてくれました。

先生方は僕たちに色々なことを体験させてくださいました。

絵の先生の専門はモザイク壁画でしたが、絵のことを始め、昔ながらの工作や写生がてらに野遊び、落語や音楽を聞いて絵を描く時もありました。

書道の先生は字を書く練習以外に、近所の碑の拓本(たくほん・墨と紙で石の表面の文字を写しとること)や篆刻(てんこく・石を彫ってはんこをつくること)などをさせてもらいました。

見て、感じる。そして考えて、手を動かして、何かを発見する。今から思うと、まさしくワークショップでした。

それから時が過ぎた今、僕は工場で働く機械の設計や中学校の技術科の教材をつくる事を仕事にしています。そういう日々の中で、自分がこどもだった頃のどきどきわくわくした気持ちを今のこどもたちに感じてもらえることができないかと思っていたところ、CAMPの事を知り、昨年からお手伝いさせてもらっています。

ワークショップにはたくさんのこどもたちが来てくれます。こどもたちがCAMPで過ごした事をずっと覚えてくれていたり、ここでの体験が将来何かの役に立ったりすれば本当に嬉しいことです。

第78回目
(2010年06月01日更新)

いけだ なみこ

ワークショップでは、“その日、一緒にいるからできたこと”
を大切にしたい。

思ったことを言って、
受け入れてもらえることばっかりではないけど。

「ここは自分が考えた!おすすめ!」
そんなポイントが、それぞれうまれる。
グループのメンバーも
「ここは○○くんが考えてん」
「○○ちゃんのアイディア」
とか、説明してくれる。
しかも、とっても自慢げに。

山あり谷ありの4時間のワークショップを終えて、
帰りに手をつないでいる2人。

「また来るねー」
「あれ?2人一緒に来てたっけ?」
「来てないよ」
「そうか」

お母さん同士もちょっと顔を見合わせて、嬉しそうにしています。

ファシリテーターは、その姿を見てにんまり。

その日一緒にいるからできたワークショップ。
一緒に時間を過ごした仲間にいつもいつも感謝です。

第77回目
(2010年03月08日更新)

ますだ たみ

手をつかって作品をつくることは
人と人をつなぐのだな、と
いつもワークショップの時に感じます。

初めて出会ったこどもたちが作品を制作する過程で
言葉を交わし、手を動かし、
素材の組み合わせによって
目に見えるかたちができあがっていくことが助けになり
コミュニケーションが深まっていくのがわかります。

制作時間がスタートすると、みんなの様子はさまざま。

お気に入りの素材をかき集めてくる。
プログラム作りに没頭する。
指示をする女の子とそのとおりに働く健気な男の子。
笑いっぱなしの男の子グループ。
おだやかな空気の女の子グループ。
シャイなこども同士のグループ。

「あと◯分だよ~」
無情に残りの制作時間をつげるチーフの声に
慌ただしく作業はクライマックスを迎え。。。

自信作もあれば、未完成作品もあり、失敗作もある。
おとながこどもを評価することのないCAMPワークショップの世界では、
こどもたちは自信をもって、
「ぼくたちはこんなのつくりました」と言える。

ゴールは、
作品の出来栄えじゃない。

今日のワークショップ、
みんなが満足のいく時間がすごせたかな?がすべてなんだ。

第76回目
(2010年02月05日更新)

こうむら つよし

こどもたちは、パワーで満ちあふれている。
こどもたちの表情、こどもたちの声、こどもたちの心。

それに向き合い、応える姿勢でいることは大変なこと。
でも、終わった後はすがすがしい気分。

そして、何だか喜ばしい気持ちに。

ワークショップに参加するとそう思う。

ひとりひとりの性格もさまざま。
そこには自分たちの世界観があり、それが作品として発信される。

「見る」「聞く」「仲間と話す」といったことを素直に受け止める力。
その素直な感性が、先入観や決めつけもなく、ダイレクトに、そして
すごいスピードで何かを吸収しているのだろう。

それを見ていると、自分は何かを感じることを狭めていないかと
考えさせられたりもする。

その感性をこどもたちに存分に発揮してもらい、
「何を作るか考えることが楽しい」
「作ることが面白い」
「発表でみんなに興味を持ってもらえる嬉しい」
といった感情をこどもたちと共有させてもらえることが、
ワークショップでの喜びなのかもしれない。

第75回目
(2010年01月06日更新)

ろくた まさや

「こどもたちの笑顔は、この星の未来だ」
(日清食品 キャッチコピーより)

こどもたちは本当に素直です。
素直な感情をそのまま表現します。

豊かすぎる感情に、困ることも多々あります。
どうしてよいかわからないことがあることも事実です。

こどもたちは、ものづくりの難しさから、
悩み込みつらそうな表情を見せることがあります。
グループワークで仲間とうまくいかず、泣き出すときもあります。

CAMPも楽しいことばかりではありません。

しかし、そのつらいことを乗り越えたとき、
最後に作品ができたとき、会場をでていくとき、
こどもたちは本当に、最高の笑顔を見せてくれます。

この、最高の笑顔が見たくて、私はまた、CAMPに行ってしまいます。

私は、ボランティアに行っているのではありません。
こどもたちと一緒に笑い、楽しみ、悩み、考え、何かをつくる。
そんな、笑顔でいられるひとときを過ごしに行っています。

こどもたちの最高の笑顔を見たとき、
私はきっと、こどもたちに負けないくらいの最高の笑顔をしているはずです。

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