コラム

コラム

boy メッセージ to CAMP for CAMP from CAMP girl

CAMPの活動に協力してくださる方や、スタッフ・関係者からのメッセージを紹介します。

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第100回目
(2013年12月08日更新)

竹村 郷/港区立青山小学校 副校長

「今日はロボティクスがあるんだ」と瞳を輝かせながら、毎年こどもたちは制作場所に向かいます。自分たちが考え出したプランのおもちゃが、プログラムどおりに動かすピコクリケットは、とてつもなく楽しいのだそうです。夢中になって取り組むこどもたちを見て、ふと昔のことが頭によぎりました。現在ではこどもだけでなく、保護者も待ち望む定番のカリキュラムとなっています。

私が赴任した5年前の当時、本校では1つ事例はあったものの、正直言って教員はあまり乗り気はしませんでした。「そもそも何の教科でするの?」「生活科のない上の学年が、おもちゃをつくることに意味はあるの?」と、通常の業務でヒィヒィ言っている教員には心の余裕はなく、ロボットづくりはいわゆる余計の産物にしか見えなかったのです。本校の隣に位置するSCSK青山ビルにロボットづくりの研修にも何度か招いていただきました。簡略化したプログラムと制作物とのマッチングはなかなか興味深く、大人も根を詰めて没頭していました。コマンドの種類や操作にも慣れ、それが今でもこどもたちの制作時にアドバイスする時に役だっています。また、何よりもこの授業を進める際には、SCSKの村田香子さんをはじめ、指導者とチームになって進められたことが大きかったと思います。
 
当初は動くおもちゃ、次は意図するプログラムづくり、そして今では意図したものを協力してかたちにする過程での情報交流の機会創出と、取り組む価値を多様に広げてきました。教科書のように先に覚えることや押さえるゴールが設定されているのでなく、どんどんゴールが先へしかも広くなっていくということにますますの可能性を感じます。

竹村 郷(たけむら さとし)

港区立青山小学校 副校長
本校に赴任して5年目、赴任当初よりSCSKのみなさまとは懇意にしていた
だき、今年は地域の祭りでロボティクスのブースを協力して出展し、好評を博しました。様々な意見交換や情報交流を通じ、SCSKの皆様から学ばせていただいています。

第99回目
(2013年10月08日更新)

番匠 宏明/京都水族館 営業企画部

CAMPに参加させていただいて、あらためて「こどもは正直だ」と感じました。私たちが会議室や机で、どうすれば楽しんでもらえるか頭を捻ったり、実施の効果をアンケートでいかに聞き出すかなど、結果的にあまり意味のないことばかりを考えていましたが、答えはすぐ目の前にありました。こどもたちの表情はすごくシンプルに答えを返してくれました。

ワークショップの当日、水族館の受付に立ち、最初に参加者にワークショップの流れを説明していると、キョトンとした顔をしたり、水族館を見学できることに興奮して聞いていなかったりたりと、なかなか大人が考える一日の流れが伝わらないもんだなぁとヤキモキしていました。

水族館見学が終わったら、いよいよ発明ワークショップです。みんなの自己紹介や水族館で発見した生き物たちのすごいところの発表が始まりました。そして「バスケットシューズはその開発者がタコの吸盤からヒントをもらった」とファシリテーターから紹介があった時に、こどもたちの顔が一気にキラキラと輝きだしました。さらに発明品のアイディア出しになると、参加していた当館の飼育スタッフを囲むように、いろんな質問が投げかけられました。目的を見つけた瞬間のこどもたちの集中力と推進力に、ただただ呆然となってしまいました。

私も社内での会議や打ち合わせは多々あります。興味が無いことは聞いたふりをしたり、わかったふりをします。いかに流れどおりに振舞っても、自分が真剣に、自分の事として考えられてない時間は何の実にもなってなかったと反省させられました。

ワークショップも終盤になり、こどもたちが自分たちでつくった発明品を発表していきます。恥ずかしそうに話すこどももいましたが、その顔はどこか誇らしげに見えます。そして、こどもたちのつくった発明品には、こどもたちの表情がキラキラした瞬間を思い起こさせる楽しそうな顔がありました。その顔はこどもたちの一生懸命に費やした時間を物語っているように感じました。

もともと、水族館はこどもたちの笑顔に常に満たされた空間です。もしかしたら、その笑顔を当然の事と見慣れていた自分がいたのかもしれません。「こどもたちが笑顔になる」このシンプルなことの大切さ、難しさ、そして、その幸福感を体感させてくれたCAMP。あらためて、参加させていただいたことに感謝しています。少し形は違いますが、今回の経験を通して、京都水族館がもっともっとたくさんの笑顔で溢れるように努力したいと思います。

番匠 宏明(ばんしょう ひろあき)

京都水族館 営業企画部 3歳の娘の父親。京都水族館の開発から携わり、現在は対外的な折衝業務を中心に活動。時に実際の企画にも参加し、こどもたちの笑顔で仕事の活力を充電している。

第98回目
(2013年08月09日更新)

長谷川 智子/地域ボランティアグループ『ぷちっとボラ』代表

場所と時間と道具や材料があったら、こどもたちはどんどん遊びを生み出していくと信じて、週2日学校帰りに立ち寄って自由に過ごせる場を、ある小学校の余裕教室につくった。そこは、誰でも来ていい「公園」と同じ。違うのは、いろんな世代の大人がスタッフとして見守っていること。

部屋には、いろんな遊び道具や素材がある。囲碁の石がお金になったり、新しいパズルの材料になったり、こどもたちの発想で遊びは無限に広がる。

面白そうだと思えば、学年なんか関係なく寄っていって、いつの間にか一緒にやっている。スタッフは「すごーい!」「どうしたの?」「そうなんだ・・・」なんていう言葉をかけるくらいでいい。認める、投げかける、引き出す、つなぐのが役割。もめていても、かける言葉は基本的には同じ。話しているうちに、自分たちで解決していくことが多い。スタッフの役割は、CAMPのファシリテーターと同じだと思う。

実は、初めからこんな感じではなかった。やりたいことより、大人がやらせたいことをお膳立てされてきたこどもが多いのか、何かをする時、選ぶ時、大人の求める答えを探りながらやるようなところがある。だから、急に「やりたいことをやっていいよ」と言われても、何をしたらいいのかわからない子は多い。今のこどもを取り巻く環境は、結構厳しい。

今年、居場所づくりの活動を市内に広げたいと思った時、かかわる大人とプログラムが大事だと考え、CAMPのファシリテーター研修とクリケットの研修を三田市で開催してもらった。参加した大人もこどもも大満足。これから、CAMPのすばらしいワークショップと素敵なスタッフが、三田のこどもたちをもっと元気にしてくれると信じている。

長谷川 智子(はせがわ ともこ)

地域ボランティアグループ『ぷちっとボラ』代表、ゆりのき台小学校学校支援地域コーディネーター、同小学校地域運営協議会副会長など。
こどもを育む環境づくりとして、学校を核に教師、保護者、地域の大人をつなぎ、多世代が交わり支え合うまちづくりを目指して活動中。

第97回目
(2013年07月05日更新)

秋山 豊和/日本学術振興会インターネット第163委員会幹事/サイバー関西プロジェクト幹事

こどもたちとともに学ぶ新しい世代のインターネット
「コンピュータの『つたえる』仕組みを体験してみよう」を終えて

ここ数十年でインターネットはコミュニケーションツールとして、あるいは、個人や企業が非常に多くの人々にメッセージを伝えられる全く新しいメディアとして、社会インフラの一翼を担う存在となっています。システムがインフラ化するということは、一方でその存在が人にとって見えなくなることを意味しています。

「コンセントにプラグをつなげば電気が使えるように、コンピュータネットワークを利用できるようにしたい」

多くのコンピュータエンジニアが目指した理念が現実味を帯びるに従って、人々のコンピュータネットワーク自体への興味が薄れていくことになります。インフラ化したシステムは、人々からは見えなくなりますが、社会の要請に応じるためにより高度な機能が求められ、複雑化していきます。原発事故が我々に教えてくれたように、高度化するインフラを支える人材の育成、より安心して使えるインフラの構築・運用が次の時代を担う人たちに求められています。

日本学術振興会インターネット第163委員会やサイバー関西プロジェクトでは、このようなインターネット技術を支える人材の育成も視野に入れた活動をしています。

「見えないものだけど、大事なものなんだよ」ということを人に伝えるのは容易なことではありません。でもそれに積極的に取り組んでいる人たちがいます。

“コンピュータサイエンスアンプラグド”~コンピュータを使わずにコンピュータサイエンスをこどもたちに教える~、ニュージーランドのコンピュータアルゴリズムの専門家、ティム・ベル博士らの取り組みは、コンピュータの本質をこどもたちにわかりやすく伝える方法を教えてくれます。

日本でベル博士の取り組みを広める活動をしてこられた大阪電気通信大学の兼宗進先生のご協力を得て、今回インターネット技術をこどもたちに伝える取り組みに挑戦してみることにしました。しかし、これまでこどもたちを相手に授業をしたことなどありません。兼宗先生からも低年齢層への教育の難しさを指摘いただきました。

CAMPの皆様のご協力が得られなければ、今回のイベントの開催は実現しなかったことでしょう。CAMPを通してお声がけいただいたことで、今回のような取り組みに興味をもってくださるお父さんやお母さん、そしてこどもたちに参加いただくことができました。こどもたちの心を惹きつけるファシリテーションの技術、その結果引き出されたこどもたちの真剣なまなざし、そして笑顔。教育現場に必要なものを改めて学ばせていただいた気がします。

今回のイベントは、手探りの状態で準備を進めたため、すべてがうまくいったわけではありません。教育という面では、まだまだ検討することは数多く残されています。しかし、教育における新しい取り組みをはじめる場として、CAMPという空間の可能性に触れることができ、大変良い体験をさせていただいたと思っています。

⇒当日のワークショップの様子をこちらからご覧になれます。http://www.camp-k.com/wsreport/834/

秋山 豊和(あきやま とよかず)
1999年大阪大学工学研究科修士課程修了。2000年同大学博士課程中退後、同大学サイバーメディアセンター助手を経て、2005年より同センター講師。2008年より京都産業大学コンピュータ理工学部講師を経て、2011年同大学准教授。分散システム、インターネットアプリケーション、キャンパス情報システムなどに興味を持つ。博士(工学)(2003年9月、大阪大学)。日本学術振興会インターネット第163委員会幹事、サイバー関西プロジェクト幹事。

第96回目
(2013年04月08日更新)

吉田 正秋/福島銀行経営企画室 調査役

CAMPワークショップを実施するかどうか検討していたころは「こども向けの工作教室」だと理解して社長や役員へ説明していた。しかし、実際はこどもたちのただの工作の手伝いやお世話ではなかった。
「ファシリテーション」という言葉を初めて知った。
「ファシリテーション」では色々な社員の姿を垣間見ることができた。
こどもたちの輪の中に入れず悩む社員。
こどもたちに思うように説明できずに悩む社員。
普段の仕事ではみられない積極的な一面。
予想外なリーダーシップを発揮して全体を見ることができる社員。
チーフファシリテーターをできるか悩む社員。
ワークショップという非日常の世界だからこそ演じられる役まわりもあった(ボランティアとして募集した社内ファシリテーターの中に演劇部出身者が偶然か必然か2名いた)。
社員の様々な一面が見られたのは私自身の大きなよい誤算だった。
こどもたちをファシリテーションすることが、こんなにも社員の姿を活き活きと鮮やかに描写するものかと驚いた。
こどもたちの「楽しかったよ!!またやってね!!」
ファシリテーションを通じたコミュニケーションや新しい出会いは、私を含めみんなの人生の中できっと役に立つと確信した瞬間だった。

吉田 正秋(よしだ まさあき)
福島銀行経営企画室 調査役
小学3年生と4歳児の父親。本部に長く在籍するもCSRに携わるのは今回が初めて。創立90周年事業の担当者となったことからワークショップの企画運営に携わる。

第95回目
(2013年04月08日更新)

小柴 文乃/精華町立東光小学校 教諭

本校では、“なかよく・かしこく・たくましく”を学校目標に、やさしく思いやりのあるこども、深く考え進んで学ぶこども、明るく元気に活動するこどもを目指し、“生きる力”をつけるために様々な取り組みを行っています。

その中の一つ「‘東光っ子’未来の科学者育成プログラム」では、こどもたちを理科好きにし、自ら学ぶことのできる学びの場所づくりをする取り組みがあります。その一環として、2012年度の3年生は、こどもたち自身が楽しみながら、表現方法を見つけ、コミュニケーションの輪を広げることのできるCAMPワークショップに行かせていただきました。

1回目の『CLASSBOOKワークショップ』では、3年生107名が一斉に活動しました。クラスのともだちから貰った紙の“形”と“色”を活かして、自分の想像した“物”の一部として作品をつくっていきました。仕上げられた作品の発表会を開き、その1つ1つの作品をクラスごとに製本して、世界に1つだけのCLASSBOOKとしていただきました。

2回目の『クリケットワークショップ』では、各クラス36人ずつ活動しました。まずは、小学校でクリケットの使い方やプログラムのつくり方を学びました。プログラミングによって、どのような動きになるのか、どのような音を出すのか・・・、ともだちとたくさんの案を出し合い、ある一部分がモーターで動くふしぎな生き物を、実際にクリケットを使いながら考えました。そして、いよいよ大川センターへ。たくさんの素材を見て、こどもたちのアイディアはより素晴らしいものへとなっていきました。集中して活動し、一人ひとりの個性が発揮され、自由な発想を形にすることができました。

どちらのワークショップでも、「まさかこんな形からこんな作品に変わるなんて!」「このようなプログラムからこんな動きと音が出るなんて!」と、私はもちろんのこと、こどもたち同士でもみんなの素晴らしい発想に興味津々!そして、自然に拍手が湧き上がっていました。自分とともだちの豊かな発想を上手く合わせながら、創意工夫された作品が次々と生まれました。こどもたちの心の中にきらっと光る何かが芽生えたように感じました。

この貴重な経験をさせていただき、こどもたちが自信を持って自ら取り組むこと、ともだちと協力すること、自分のことを素直に表現することができるようになってきたように感じます。たくさんの気づきと発見があり、生きる中で大切な様々なことを学べるCAMPワークショップ。これからもこどもたちが自分を表現し、人に伝えられる活動を一緒に取り組めればと思っています。

小柴 文乃(こしば ふみの)
精華町立東光小学校 教諭
“継続は力なり”を胸に、こどもたちと共に日々成長できるように過ごしています!

第94回目
(2013年04月08日更新)

森 明人/東北福祉大学総合マネジメント学部講師

 私たち東北福祉大学森ゼミは、ワークショップでのファシリテーション等でCAMPに参加させていただいておりますが、教員の立場から学生たちの取り組み、また私なりの所感などをみなさんと共有できたらと思っています。先日私が勤務する東北福祉大学で社会貢献学会が開催されました。基調講演は「希望学」の東大/玄田有史教授です。すなわち、「希望」とは「行動によって何かを実現しようとする気持ち」(Hope is a Wish for Something to ComeTrue by Action)であり、「wish=気持ち」「something=何か」「come true=実現しようとすること」「action=行動」の4本柱から構築されているとのことです。そのお話が、私がCAMPの取り組みのそばで実感する「開放感」や「創造性」、「エネルギー」と「未来志向」などなど、CAMPが有する魅力に緩やかな輪郭を与えてくれたと思っています。
この場に関わる一人ひとりにとってCAMPという場のもつ「非日常性」は、日頃の形式/様式からの思考の解放、他者との出会い、新たな関係性の創出、いずれも自己再発見のプロセスであり創発する場なのだと感じています。またCAMPの創設と発展過程に込められた思いと多様な文脈から編みだされる恊働は、参加するものを「モノローグ」から「ダイアローグ」へ、その中で「希望」の諸エッセンスが内省され、いつの日かそれぞれの現れかたで結実していくのだと思っています。
こどもたちと大学生、こどもたちと企業、大学生と企業、地域が開かれて個性的なアクターが触媒することの意味、今後もCAMPの多様な意味の生成とそのダイナミクスのなかで希望につながる「something=何か」を探究していけたらなと考えています。

森 明人(もり あきと)
東北福祉大学総合マネジメント学部講師

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boy ファシリテーターリレーコラム girl

CAMPで活動するファシリテーターが、ワークショップへの想いを語ります。

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第38回目
(2006年12月12日更新)

よしだともこ&さとうあさみ

しんけんな顔になって取り組んでいる姿を、邪魔しないようにこっそりのぞいていました。一体何を作るところなの??

ひとたびしんけんな顔になったら、後はどんどん進むだけ。
その過程にわくわくしました。

こどもたちの発想について、わぁ、すごいなぁ。を心の中で連発していました。
どれも、わぁ、わぁ、わぁ。

4時間。せっかく一緒に参加したのだから、なんだぁ、あんまり面白くなかったねって思いながら帰ってほしくない。という思いがありました。

だから、作品発表の時に、自分の作品を誇らしげに発表する姿や、本気で悔しがっている(自分の思うように完成することが出来なかったため)姿、「またやりたい」の感想は、新米ファシリテーターにとって、とてもとても、嬉しかったです!(よ)
_______

実は、こどもが苦手だった私。
ファシリテーターを務める事になり、正直不安がいっぱいでした。

好き勝手に行動されたら?ペア同士がうまくまとまらなかったら?すねちゃったら?・・・など、普段大人相手に仕事をしているため、自由奔放であろうこどもたちに対して不安を持っていました。しかし、ワークショップが始まってみたらそんな事を考えている余裕も無く、あっという間に時間が過ぎてしまいました。気づいてみたら、こどもたちは協力し合い、ペア同士で作業を譲り合い、トラブルに対しては自分たちで解決策を見つけ、と、むしろこちらが学ぶことがたくさんありました。

そして、分ったこと。
ワークショップの中では大人もこどもも関係ない。
ワークショップは元気になれる。
ワークショップは普段の人間関係にも応用できる。

また参加したいな・・・家路に着くこどもたちと同じ気持ちで私もワークショップを終えたのでした。(さ)

よしだともこ&さとうあさみ(バトンは コウタジュンコさんへ)

第37回目
(2006年11月07日更新)

のざわ しきぶ

『ファシリテーション』って奥深い。

今年で5年を超えたCAMPワークショップ。振り返ると参加してくれたこども達はもちろん、ファシリテーターの皆さんとともに歩んできた5年間、と言えるのではないでしょうか。

CAMPに携わるようになって私自身はまだようやく1年ですが、そんな少しの経験から見ても、ファシリテーションの奥深さ、可能性を考えるとワクワクします。

それはなぜって?

ファシリテーションマインドはこどもに対してだけでなく、家庭、会社、友達同士、ご近所づきあい・・・人間同士であればどんな関係でも応用できる、ということに気づいてしまったから!

たとえば、話し合いや共同作業の場において、メンバーそれぞれが持つ良いところを引き出し、最大限に発揮できるようそっと背中を押してあげるとか、「一番問題になっていること」をメンバー全員が理解し「最適な解決方法」を導き出すため皆がまとまるよう促したり、滞っていた進行をスムーズにあるいは問題解決の糸口を作る・・・これが社会におけるファシリテーションの一例です。

実は普段のワークショップで皆さんが行っていることと通じるのではないでしょうか?ちょっとだけ意識することで「いつでも」「どこでも」「誰でも」使えるところが、ファシリテーションの奥深さだなあって思うのです。

もしかして、ワークショップ以外で実践することなんて考えてみたこと無かった、というアナタ!もったいないですヨ。社会はアナタのような人を必要としています~(なんちゃって、でも個人的にはそう信じてます。。^-^)。

さあオトナの皆さま、これまでの経験を活かして、敢えて今までと違うところでもファシリテーションを実践し、その可能性を広げていきませんか?
(・・・かくいうワタシ自身、まだまだ勉強中ですが。。。)

のざわしきぶ(バトンは めんこいシスターズへ)

第36回目
(2006年10月06日更新)

せきぐち いずみ

先月のことです。

初めてワークショップの「受付」をしました。ワークショップ当日ににっこりと微笑んで参加者の名前にチェックするだけのことだと思っていたのですが、意外と大変。

受付といっても、こどもたちを受け入れる準備を色々しなければいけません。こどもたちが怪我をしそうな場所にはさりげなく看板を置きロープを張り、自由の中にも安心して活動できるよう気を配ります。それらを順番に用意していくのですが、中でも一番大変だったのが、大川センターに40箇所ほど存在するガラスの仕切りの「でっぱり」にゴム製のカバーをつけていくこと。

正直こんなことをする意味はあるのかと少し思っていました。

ワークショップ当日。
お兄ちゃんの付き添いできていた4歳ぐらいの元気な女の子。はしゃぐあまりに、注意をする間もなく、全速力でロビーのガラス戸に突進!

ゴッ!という鈍い音を立てて女の子は激突。3秒ほどの沈黙の後、火のついたように泣き出した女の子。
幸いぶつかった勢いでびっくりしただけなのか、すぐに泣き止みましたが、その時思いました。あのガラスカバーをつけていてよかったと。

もしあの女の子が平面のガラス扉ではなく、でっぱりの部分にぶつけていたら、大怪我をしていたかもしれません。きっと過去にスタッフの誰かがそれを感じて実施したのでしょう。

こどもの視線。。
こどもが考えること。。

施設だけでなくワークショップの中にも、こどもたちが安心して作業に集中できるよう、様々な工夫がなされています。

CAMPが生まれて5年。
スタッフの努力はもちろんですが、こども達の声、色々な人たちからのアドバイス、アイデアを組み込みながらCAMPのワークショップは進化しています。

来年はどんなワークショップができているかなぁ。。

せきぐちいずみ(バトンは のざわしきぶ さんへ)

第35回目
(2006年09月07日更新)

やまざき さほこ

「あっ、さっきからずっと同じところやってる。完成するかな」
「あっ、もうすぐ終了の時間なのに形になっていない」
ワークショップのこんなとき、一瞬頭によぎる。
「とりあえず形にすればよいのに?!」

でも、作品を作っているこどもの真剣な表情をみると、
こどもに声をかける前に心の中で自分に声をかける。
「私がこの子だったら何が満足???」

ワークショップの様々な場面で、頭の中でいろいろな声が聞こえる。
ただそれは私の価値観。
「この子の価値観は?」
「どんなふうに伝えるのがいいのかな?」

感動を伝えるのと違い自分の中の「?」は、まずは心の中で自問自答。
言葉にする数倍の声が頭の中で聞こえる。

声をかけたとき「そっか!」と笑顔をむけられると、温かい何かが身体(心?)に広がる。逆に無言で見つめられたりすると、キュッと心臓が縮んだ感じ。

何度ファシリテーターをしても、その繰り返し。同じような場面でも、その子その子で反応が違う。1回1回が真剣勝負。本当に難しい。

それでもワークショップを楽しいと感じるのは、嬉しそうな顔をされたときの感動が忘れられないから?今の私の中でワークショップは、こどもの価値観を知ろうとすることで自分自身の価値観を見つめなおしたり、こどもたちから感動や元気をもらえる場。

「ワークショップを通して(こどもたちにおいていかれないように?!)自分自身少しでも前進できたら・・・」
そんな思いを持って、これからも1回1回のワークショップを大切にしていきたい。

やまざきさほこ

第34回目
(2006年08月07日更新)

むらた きょうこ

開始10分前:

自分のイライラやムカムカやシクシクはちょっと置いといて・・・

質問に答えるとき、
話を聞いてるとき、
一緒に笑うとき、
一緒に考えるとき、
怒るとき、
誉めるとき、
遊ぶとき、
・・・

こどもたちは、いっつも100%の本気でやってくるから、
自分も100%の本気でいないと見透かされてしまう。
100%楽しんでないとそれが伝わってしまう。

(99.9%でもだめなのです。でも、力んでもだめなのです。
このバランス が難しい・・・・)

だから、毎回毎回、特にワークショップのはじまりは緊張する。

今日の自分は、本気で笑えるかな?
本気で向き合えるかな?
本気で一緒に楽しめるぐらい、準備できてたかな?(余裕はあるかな?)
本気を本気で返せるかな?

ドキドキドキドキドキドキドキドキ・・・・・・・・・・・・・

ワークショップに「慣れる」ってことは、きっとこれから先
ずっとないだろうな。

むらたきょうこ(バトンは やまざきさほこさんへ)

第33回目
(2006年07月07日更新)

もり ひでき

ワークショップをしていると、何とも言い難い気持ちのいい風景に出会うことがあります。
僕の場合、ワークショプのなかで、わいわい言いながら、参加者全員が思い思いのものづくりをしている時に、そんな風景に出会います。つくっているものを見せ合ったり、自慢しあったり、つくりながら話をしたり、つくりながら遊んだり、そんな風景を見ながら、自分もその一部になっている時の喜びはかえ難いものがあります。(もちろん人によって違うと思いますので、あしからず)

CAMPに関わりはじめたのは、オープンを翌春に控えた2000年の夏でしたので、早いもので、もうそれから丸6年になります。特に、ファシリテーターをする時は毎回フレッシュな気持ちでと思いながら、どうしても慣れてしまってきているところもあります。自分が担当するワークショップも6年間の試行錯誤を経て、知らない間に少し太っちょなワークショップになっていたりします。
(僕自身も太っちょになってきてますが)

先日、CAMPがはじまった頃のワークショップのビデオや資料を見ながら、ふとそんなことを考えました。

ということで、今年後半のテーマは、原点回帰。ワークショップで出会いたい風景のイメージを大切に、ワークショップもファシリテーションもシンプルにしていきたい。そんなことを最近考えています。

もり ひでき (バトンは むらたきょうこさんへ)

第32回目
(2006年06月06日更新)

よしだ あさお

今回わたしは「電子音楽研究家マッスルNTT」としてこどもたちの前に現れました。

僕自身こどもの時にワークショップなるものに参加したことは無いし、ワークショップをする側になるのも初めての事でした。普段のライヴに比べてこのワークショップなるものは、直接交流し、最終的に形にするという責任感みたいなのがあるなと感じました。その責任感みたいなものを感じこどもたちの前に登場するまで待ち合いルームで心臓がバクバクしていました。

しかし、登場して、みんなと一緒に制作する時間になった時には、そんな不安は一切ありませんでした。それはこどもたちの勢いを感じて、それに呼応する自分がいて自然にその流れに乗っていったからだと思います。

最後の発表のときは次から次から出てくるバンドを見るのが楽しかったです。
クリケットのモーターを使ってアルミをバンバン鳴らしたり風船に小豆を入れて回転させ風のような音を出したり、面白いアイデアがいっぱいありました。発表が全部終わってからみんなでいっせいに音を鳴らしているときはなんだか会場が一気にわっと熱を帯びた状態、まるでクラブのような熱気で、グルーヴを感じました。とても感動しました。

いつものワークショップなら作品発表だけで終わるけれど、このワークショップは「発表(ライヴ)」が重要で、その発表によって善し悪しが変わってしまうというのが面白かったのではないかと思いました。

こどもの時には分からなかった「日常と非日常」の違い。
今回その非日常(自分が発表し、かつ他の人の発表を見ること)が楽しいという事に1人でも多く気付いてもらえたらいいなと思ってワークショップしていました。

僕自身もワークショップ前日に「PICOクリケット」を使って、音楽を作り、ライヴパフォーマンスに取り入れるという課題をしました。身体の動きに合わせて音が鳴ったり、数字が動いたり。その日一日クリケットで遊び倒しました。
もっと時間があるのならもっと研究したいくらいです。この日PICOクリケットは本当におもしろいプロダクトだなと痛感しました。

ワークショップを終えて思ったことには本当にこどもは侮れないものだなぁと思いました。むしろ、頭が堅くなってしまった大人よりも、もっと柔軟で、素直で、表現することを自然にこなすなぁと思いました。

僕自身この経験はとても貴重で大事なものだと思います。
このきっかけを作ってくれたCAMPのたまちゃんに大感謝です!

マッスルNTT(よしだあさお) (バトンは もりひできさんへ)

マッスルNTTホームページ
http://www.k3.dion.ne.jp/~mnt.web/

第31回目
(2006年05月12日更新)

ほりうちよしのぶ

「ファシリテーターって何なの?」

最近よく考えるこの難問

初めてファシリテーターをしてから一年以上が経ち
回数も2桁に突入した今日この頃

CAMPでのワークショップしか知らない自分としては
それがファシリテーターのすべてであって

そういう前提があって悩んでいるのかもしれないけど

初めて参加したのは些細な理由からで
自分なりに何となくこなしてこなしてこなして

そうするウチにモヤっとしたモノが生まれて大きくなって
何のためにやってるの?どうすればいいの?何をするの????

解決しては生まれ、生まれては解決して
グルグル頭の中でまわってる。

だけど結局、悩むということは
それだけのめり込んでる自分がいるということで
つまり、
好きだから悩んでる。好きじゃなければ悩まない。
のかと思うんです。

だからこれからも
グルグルグルグル悩んで、
もっと好きになって行くのでしょう。

ほりうちよしのぶ(バトンは マッスルNTT(よしだあさお)さんへ)

ほりうちよしのぶ

第30回目
(2006年04月11日更新)

おおにしけいこ

ワークショップをする人になりたかった私は、CAMPでファシリテーターという言葉に出会い4月で1年になります。

あっ!
わっ!
おお~!
というまの1年でした。

この声たちは、ワークショップに参加する人すべてのもの。
こどもたちの声
こどもたちをみての保護者の方からの声
自分の中の新しい感情を発見したファシリテーターの声

たくさんの声を聞きました。

そして、私の心の声はワークショップを体験する内に「こんなワークショップをしてみたい。」から「こんなふうにワークショップをしてみたい。」へ。
どんなふうに伝えるのか、“ふう”の部分について考えるようになりました。

当たり前のことだけど、1度だって同じワークショップなんてありません。
特に“ふう”を変えることで参加するこどもたち、作り上げるメンバーやお天気(?!)で、ワークショップは変化します。

ファシリテーターになりたての頃、なにがよいワークショップでなにがわるいのか、、むむむ と考えていました。

けれど今、考える上では完全なワークショップはなく、毎回のワークショップに関わる全員で完成させていくことが大事なんだと改めて感じています。

まだまだファシリテーター1年生。
これからのまだ見ぬワークショップにずっとどきどきしていきたいと思います。

おおにしけいこ(バトンは ほりうちよしのぶさんへ)

第29回目
(2006年03月09日更新)

おかなつこ

こないだの日曜日、京都精華町にある大川センター内のCAMPのワークショップのお手伝いをしてきました。ワークショップ初参加で、ドギマギしたけどすごく楽しかったです。

こどもたちは、なぞの海の生き物の研究員。研究所に送られてきたなぞの生物のビデオをみて、生態を調査し、図鑑と模型を作成。グループに分かれて、みんなで相談。模型は発泡スチロールや、針金を使って土台をつくり、あとは粘土で形をつくる。その他、毛糸やボタンやスパンコールに羽根。色とりどり何でも 揃ってる。

私の役目はこどもたちが一生懸命つくってるのを手助けしたり道具を揃えたり声をかけたりします。

最後は学会で発表。特に面白かったのは、ふざけてる男の子に女の子が一言
「遊びじゃないねんで!」
笑いました。
女の子は基本おませさんです。

そして、まず思った事は、すごく楽しかった!こどもはほんとに無邪気で残酷。
発想は突拍子がないかと思えば、妙に現実的だったり。自分がこどもの時は気付かなかったけど、みんなちゃんと大人をみてる。嘘はつけない。
普段あんまりこどもと接する機会がないだけに新鮮。 私は興味津々こどもたちを観察していました。

お昼休みにみんなで十何年ぶりかに、「けいどろ」をしました。けいさつと泥棒に分かれた鬼ごっこ。
調子に乗り過ぎた私は子どもたちよりはしゃいでしまい、センターの人に「駐車場で遊ばないで」とお叱りを受ける始末。
あぁ、私って成長してない。とゆうかこどもに「はしゃぎすぎ」っていわれる大人の女。
体はくたくたになったけど、脳みそがリフレッシュできた!

こどもだからとか、大人だからとか関係なく人と人としてぶつかりたい。

岡本太郎の言葉を思い出す。
「子供みんなに満点をあげたい。」

おかなつこ(バトンは おおにしけいこさんへ)

第28回目
(2006年02月07日更新)

くさかなつこ

「子どもの頃に見た風景がずっと心の中に残ることがある。いつか大人になり、さまざまな人生の岐路に立った時、人の言葉ではなく、いつか見た風景に励まされたり勇気を与えられたりすることがきっとあるような気がする。」                        『旅をする木』星野道夫

この本を読んだときに、ふとCAMPのワークショップを思い出しました。
こどもたちにとってCAMPで出会う出来事もまた、この風景のようなものではないかと思ったのです。

初めてつくったロボットが、目の前で動き出したときのこと。
グループのみんなと真剣に話し合ったこと。
わくわくした気持ちで、ものづくりをしたこと。
みんなに見てもらいたいほど、うまくできて嬉しかったこと。

そんなひとつひとつの出来事が、ぎゅっと詰まった一日を過ごすことは、心の中にずっと残る風景を持つことに似ているのではないかと考えました。

それは今すぐ使える知識や経験ではないかも知れないけれど、その出来事が心の奥のほうで少しづつ時間をかけて何かの力になっていくのではないかと思います。

いつの日か、CAMPで出会ったこどもたちが大人になったとき、ワークショップで心に残った出来事が、どんな力になっていったのかを、ぜひ教えに来て欲しいと思います。

くさかなつこ(バトンは ふじたあやさんへ)

第27回目
(2006年01月12日更新)

コウタジュンコ

「初心」でいこう

あけましたー、2006年!
今年もたくさんのこどもたちと出会える期待を胸に、1年のスタートです。

6年目となる今年の目標は「初心」。
いろんな意味で初心に帰りたい。

CAMPがはじまったときの「初心」。
ファシリテーターをはじめたときの「初心」。
ワークショップのデザインをはじめたときの「初心」。
ものづくりをしはじめたときの「初心」。

「初心」に帰ると、いままで見落としてきたものに気づけるのではないかと思うのです。

こどもたちは常に初心です。
あたらしいモノに出会ったときの目の輝きやチャレンジする精神、そして感動する心。

年齢を重ねるにつれて、物事を先入観という色メガネでみている自分にふと気づきます。
色メガネを通して見るから、本質が見えにくくなる。

そんな色メガネの自分に気づくきっかけはやはりワークショップでであうこどもたちなのです。

コウタジュンコ(バトンは くさかなつこさんへ)

2005年

2004年

2003年