コラム

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boy メッセージ to CAMP for CAMP from CAMP girl

CAMPの活動に協力してくださる方や、スタッフ・関係者からのメッセージを紹介します。

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第82回目
(2010年12月08日更新)

土井 和代/わかくさ子ども会 会長

CAMPのワークショップは私たち、わかくさ子ども会でも毎年好評で3年目になる。今年、私は初めて、小1~小6の21名のこども達と共にCAMPの一日を体験した。事前のスタッフとの綿密な打合せと準備が欠かせないことも、関わって初めて知った。
先ず、打合せの時、昨年、一昨年にも参加したこども達の名前を参加予定名簿の中に見つけたスタッフの皆さんが一人一人のことをよく覚えてくれているのに驚き、嬉しくなった。

ファシリテーターって?という説明では、「自主保育の当番」という私の子育て経験に重ねて、共感するところが多かった。
こどもには自ら育とうとする力がある、こどもを信頼して待つことの大切さや、こどもはこどもの中で遊びながら育っていく、そもそも遊びは自発的だからこそ面白い・・私は自主保育生活を通してこども達から学んだ。
同じような思いをもってこどもに向き合う人たちと一緒に、こども達と過ごす一日にワクワク感を覚えた。
さて当日、こども達が先ず気になるポイントが組み分け。今年は3人グループ、それも偶然のくじに委ねた。結果が始めは受け入れらない子がそこにもここにも・・さてどうなる?どきどきしたが、3人寄れば・・というように、いろん
な子のいろんな表情や思いがどんどん出てきた。目立つ子も、控えめな子も伸び伸びとその子らしさを発揮していたように思う。
その子らしさ、個性って、一緒に何かをする時間をいっぱい共有する中で、お互いに少しずつ認め合っていける。CAMPの一日を振り返って、その経験がこども達の中にも残ってくれたら嬉しいなと思う。

土井 和代(どい かずよ)
四児の母。わかくさ子ども会 会長。
川崎市で活動する「自主保育B.B.だん」の創設メンバー。'98~'08にカンガルー宮前子育てねっとわーく運営スタッフ。
2年前、第4子が3才の時に夫の転勤で川崎から奈良へ。突然の子育て環境の変化に途方にくれたが、今では川崎にも奈良にも、ウチの子のことを頼れる仲間がいて心づよい。
自主保育について知りたい方は、しんぽれんホームページを見てね。
⇒http://www17t.sakura.ne.jp/~shinporen/

第81回目
(2010年10月13日更新)

糸井 雅美/能力開発教室Wake(ウェイク)代表

こども時代、私は工作が苦手でした。
「工夫しましょう。自由につくっていいですよ」
なんて言われても、なんにも思い浮かばない。仕方がないから、お手本を見たり、横目で友達の作品を盗み見したり。
そんな私が、ファシリテーター研修会に参加したときにつくった作品は、一際大きく、楽しげで、自由奔放な作品でした。
広々とした空間、色とりどりの画材、温かい雰囲気。
『説明なんてどうでもいいから、早くつくりたいな』
私の中の『こども』にスイッチが入りました。こども時代には、入ることのなかったスイッチです。
心を解放し、自由に感じ、表現することは、とても楽しく気持ちのよいことです。出来上がった作品の上手下手なんて関係ない。
今、つくっているときが大事。
多くのこども達に、知って欲しい、感じて欲しい。

表現するって楽しいよ。
CAMPに遊びにおいで!!

糸井 雅美(いとい まさみ)
能力開発教室Wake(ウェイク)代表。チャイルドアートインストラクター。
ワークショップデザイナー。現在、特別支援教育士になるための勉強中。
著書:「春夏秋冬たのしい遊び100 人生に必要な知恵は遊びから」学事出版
ブログ:「あそびや!」⇒http://plaza.rakuten.co.jp/wakeasobiya/

第80回目
(2010年08月10日更新)

大作 光子/筑波大学大学図書館情報メディア研究科博士後期課程

「大人が思うこと・こどもに願うこと…?」

非常勤先の大学で授業をしていると、ついつい学生のチカラの差や課題の多さに不満を漏らす学生が目につき、「もっと我慢や忍耐がなければ、これからの就職活動も大変だよ」と言いたくなります。あるいは、私は学校図書館を学習でより良く活用するための研究をしているのですが、先々の学校の先生に「こどもに学校図書館利用を通してどんなチカラを身につけて欲しいと考えますか?」とインタビューをしては、情報を活用する能力や情報を発信する能力などの回答を聞いて「ふんふん」と、納得しています。

その時は納得するのですが、ふっと研究から視点を離れて考えてみると、あらかじめ大人がこどもに期待すること、育てたい能力を決めていることに違和感を覚えることがあります。もっとも、それが「教育」であって、ねらいのないところに適切な指導方法は考えられない、と言われることと思います。

だけれど、例えば大学はもっと自由な場であり、色んな価値観の人が集い、さまざまな出会いがあることが、とても有意義なことだとも思います。学校図書館にあっても、学習だけではなく、どこまでもこどもたちが求めることを追求できる場所であるなら、一律に何かを教えるだけではなく、一人ひとりの違いに大人が気づいて、寄り添い接することができる場だと思います。

最近ファシリテーターとしての参加が少なく、こんな寄稿は恥ずかしいのですが、CAMPのワークショップと開発・普及を支えているスタッフのみなさんとの出会いは、私のなかの「こども」の可能性をぐんぐーんと広げてくれました。

企業の一員として、未来のこどもたちを育む取り組みをされているCAMPさんを羨ましく思いながら、これからどんな困難があってもチームプレイで乗り越えて欲しいです。そして、いつか自分に子を授かることがあったら、CAMPデビューをさせることが夢です(涙)。

大作 光子(だいさく みつこ)
筑波大学大学図書館情報メディア研究科博士後期課程
学校図書館ポータルサイト構築プロジェクト運営
http://www.sliiic.org/

第79回目
(2010年06月10日更新)

星尾 尚志/京都教育大学附属京都小中学校 教頭

「自分たちだけでロボットを動かせるなんて・・・しかもパソコンで・・・サイエンスの授業でこんなことができて、一生の思い出になると思います」

「サイエンス」というのは京都教育大学附属京都小学校の新教科のひとつで、独自のカリキュラムで学習を進めるものです。本校の5年生はこの「サイエンス」の授業で、20時間程度のクリケットを使った学習をCAMPのご協力のもと2003年より7年間にわたり行ってきました。

7年前をふりかえると…、今でこそ小学校でも様々なコンピューターを使った学習が行われていますが、当時コンピューター学習といえば、キーボードのゲームやカレンダーづくりなど、コンピューター自体を使うための活動や,敢えてコンピューターを使わなくてもできることをコンピューターに親しむために行うといった活動が中心でした。

そんな中で出会わせていただいたクリケット。

こどもたちの活動を見るにつれ、クリケットの教材としての可能性の大きさを実感しました。そして何よりもすばらしいこと…それは、コンピューターを目
的のための道具として扱いながら活動を進めることができることです。“自分
たちが実現したいことのために必要だからコンピューターを使う”これができ
る教材って、ありそうでなかなか無いんです。

こんなに優れたクリケットと出会うこどもたちが、ますます増えますように。

星尾 尚志(ほしお たかし)
京都教育大学附属京都小中学校 教頭
体育科教育が主たる研究分野の小学校教員ですが、当時CAMPにおられた森さんと出会わせていただいたことをきっかけに、クリケットを使った小学校高学年向けの単元開発に取り組みました。現在は小中一貫義務教育学校設立に向けての取り組みを進めています。

第78回目
(2010年04月14日更新)

北川 美宏/株式会社CSKホールディングス社会貢献推進室長/大川センター長

この4月8日で、CAMPは10年目の春を迎えることができました。

CSK創業者の大川翁が遺してくれたCAMPを、よちよち歩きの頃から温かく励まし、ときに寄り添いともに歩んでくださった皆さまのお蔭と、衷心より御礼申し上げます。これからも20年目、30年目と、CAMPが21世紀のこどもたちと一緒にさらに大きく育っていけるよう、変わらぬご支援とご指導を賜れましたら幸いです。

さて、この春、米国MITメディアラボからうれしいニュースが届きました。

1998年に大川翁がメディアラボへ個人的に寄せたファンドを活用し建設された新施設が3月5日に開所。「Okawa Center for Future Children」が本格的に活動をスタートしました。これからは2つのOKAWA CENTERのコラボレーションにより、もっとワクワクする新しい学びを日本中の、そして世界中のこどもたちへ届けていけるかと私もワクワクしています。

開所レポート⇒ http://www.campk.com/otona/camp/mit_opening_report.php

※「Okawa Center for Future Children」総責任者のミッチェル・レズニック教授から開所にあたり、CAMPへ向けたメッセージをいただきました。下に掲載しますのでぜひそちらもご覧ください。

楽屋ネタで恐縮ですが、、、
立ち上げのときからラッセル車のような突進力と牽引力でCAMPを引っ張ってくれた弊社社会貢献推進室長の田村拓がCSKシステムズの再編と事業推進に注力するため、この3月に仕事としてのCAMPを離れることになりました。
とはいえ、マウンドからは降りても社内随一のCAMP応援団長として、倍旧の熱いヤジと声援を送ってくれています。リリーフ役の力不足は否めませんが、チームCAMPの総力戦でこれからも元気いっぱいにもっとたくさんのこどもたちへCAMPワークショップを届けていきたいと思います。

10年目のCAMP!楽しいをいっぱい。うれしいをいっぱい。乞うご期待です。これからもよろしくお願いします!!

北川 美宏(きたがわ よしひろ)
株式会社CSKホールディングス社会貢献推進室長/大川センター長。
CAMPがスタートした2001年春から現職。当時小学1年生だった一人娘が最近CAMPファシリテーターとしてデビューしたのもうれしいニュース。

第77回目
(2010年03月08日更新)

植村 弘洋/NEC C&Cイノベーション研究所 研究員

「未来を拓くのは、こどもの好奇心と発想力」

ドキドキとワクワクが溢れている!目を輝かせて、アイデアを出し合い、協力しあいながら、モノを創りあげている!

CAMPと出会ったのは1年半前。ボランティアファシリテーターとして参加した時、こんな印象を持ちました。

この1年間、NECのコミュニケーションロボットPaPeRo(パペロ)を使った演劇ワークショップの開発に、CAMPスタッフの皆さんと取り組んできました。
そして、2月21日、第1回「PaPeRoミニシアターワークショップ」を開催することができました。

こどもたちと接する時間は、新たな気づきの連続です。

特に驚かされたのは、既成概念や思い込みにとらわれない発想の豊かさと、新しいテクノロジーに対するずばぬけた吸収力。

ロボットのセンサーの値をもとに、見る人をびっくりさせるようなストーリーをプログラミングで実現するという、大人でも難しい課題に対して、力を合わせて乗り越えていく。
未来を拓くのは、未来の主役であるこどもたちだと実感させられた瞬間です。

大人の世界でも、なかなか埋まらないテクノロジーとデザインの溝。
テクノロジーとデザインを橋渡しするきっかけを、CAMPとこどもたちに教えてもらったと思います。

こどもが大人から学ぶことは、たくさんありますが、
大人がこどもから学ぶことも、まだまだ、たくさんあります。

これからは、こどもたちとの活動から、もっと多くのことを学んで、
大人の仕事に活かせるような仕組みを考えていきたいと考えています。

植村 弘洋(うえむら こうよう)
NEC C&Cイノベーション研究所 研究員
1977年大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、デザインファーム、バイオベンチャーを経て、立命館大学大学院にて社会人学生として学ぶ。
現在は、NEC C&Cイノベーション研究所に参画し、異分野の人たち同士が共創しながら未来を創るワークショップの開発に取り組む。専門は技術経営。
http://www.nec.co.jp/rd/Overview/soshiki/ccinov/

第76回目
(2010年02月05日更新)

髙山 芳久/市原市立国府小学校校長

楽しかった「動くものづくり」

 マイコンを使った「動くものづくり」を開催して、一番に良かったことは、作品にこども達の思いがとてもよく表れていたことです。

 ワークショップが始まる前まで、与えられた素材から必要なパーツを作るのが、こども達にとってはじめての体験だったので、こども達がどのように活動し、どのような作品を作るかなどと企画を担当した私に取っては、期待と不安が入り交じっている状況でした。また、二人一組での作業もうまく協力できるだろうかなと心配していました。プログラムは、レゴロボのプログラムを体験してあったのでなんとかなるだろうと思っていました。

 当日は、素材を選ぶときのこども達の真剣な目、友達と熱心にしかも真剣に話し合う姿が、印象的でした。切ったり、削ったり、貼ったりと悪戦苦闘している姿も見られました。

 作品は、よく工夫されていて、出来映えもよかったし、マイコンのプログラムも作品の動きを自分のイメージ通りにしようとしたことがよくわかり大変感激しました。素材から作り、しかも限られた短い時間でこんなにも上手に出来るとは思っていませんでしたので、出来上がった作品に満足!満足!

 やはり、ものづくりは、その子の持っている実力(総合力)がよく表れるので、よい企画だと自画自賛しました。後日、作品発表会を全校児童の前で行いました。こども達からたくさんの拍手をもらって得意満面でした。

 マイコン(クリケット)を使ったワークショップ(動くものづくり)は、理科(科学)に対する興味・関心を喚起し、知的探求心の育成に効果があると思っています。今後もクリケットの貸出をしてほしいと思います。課題として、規模の大きい学校だと実施が難しいと思われます。クリケットを長期間、貸し出していただけると活動の幅が広がります。繰り返し使うといろいろな工夫が生まれますので。

髙山 芳久(たかやま よしひさ)
市原市立国府小学校校長
社会教育活動の一環として「おもしろ科学実験教室」に関わったり、「連携と対話」をキーワードに外部機関と協力して、理科好きな子どもを増やそうと取り組んでいます
市原市立国府小学校 http://www.ichihara-chb.ed.jp/kokufu-e/

第75回目
(2010年01月06日更新)

紙本 明子/劇団衛星/大阪大学コミュニケーションデザイン・センター所属特任研究員・ワークショップデザイナー育成プログラムスタッフ

「主役はこどもたち」

CAMPのワークショップを見学させて頂いて、一番に感じたことです。
会場に集まってきたこどもたちは、知ってる子、知らない子、初めて参加する子、など様々、みんなわくわくしながらもとても緊張の様子。

私が見学させて頂いたのは、二人ペアになって創作する「くうそう・しょくぶつ・図鑑ワークショップ」。
低学年対象のワークショップにしては、内容は結構高度だったと思います。
しかし、こどもたちは断然主体性をもって創作に取り組んでいました。
ファシリテーターは「こうすればいい」と簡単に手を差し出さない。
でも「自分で考えろ」と突き放さない。
その絶妙な距離で見守っている。
こどもたちの発想を信頼し大切にしている。そんな風に私は感じました。

最後の発表では、創作した植物を二人で一緒にプレゼンする。というかなりハードルの高いもの…。
ところが、プレゼンをしているこどもたちは、それはもう楽しそうなのです。
そしてそのプレゼン内容は想像を超える発想が…。
質疑応答も止まらない…!
本当に面白かった!

創作したしょくぶつは、お友達と一緒につくったもの。
だから持っては帰れないけれど、一緒につくった目には見えない「モノ」に、こどもたちは言いようの無い満足感を感じてるのだと思います。
ワークショップ終了後、出来上がった作品をいつまでも見ているこどもたちの姿が、とても愛らしく、とても印象的でした。

紙本 明子(かみもと あきこ) 
俳優・コミュニケーションティーチャー
劇団衛星/大阪大学コミュニケーションデザイン・センター所属特任研究員
ワークショップデザイナー育成プログラムスタッフ
演劇のアウトリーチ活動として、主に小学校現場にて、コミュニケーションティーチングの指導を行う。NHK教育高校講座「家庭総合」に准レギュラー出演など幅広く活動している。
劇団衛星
http://www.eisei.info/
ワークショップデザイナー育成プログラム
http://www.hirc.aoyama.ac.jp/wsd/

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boy ファシリテーターリレーコラム girl

CAMPで活動するファシリテーターが、ワークショップへの想いを語ります。

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第26回目
(2005年12月06日更新)

うえのうけんじ

2005年11月13日
写真のワークショップがありました。

そのワークショップの中で、写真家広川泰士さんが撮影された参加家族のポートレイトを10枚ほど目にしました。今までのポートレイトのイメージとは違う、家族ではない僕までおもしろく見られる、そんな写真となっていました。

この家族はお母さんと娘二人対お父さんという関係だな、こっちの家族は弟が甘えんぼで家族のペースを作っているな、など。
・・・そう、その写真には家族の関係性まで写っているのです。
写真に写される情報が姿かたちだけではない。

普段のワークショップでもその日を振り返るために写真を撮影しています。
1人を写すときは、その頭の上に「!」や「?」が見える瞬間。
2人を写すときは、その瞬間に加えて2人のやり取りが想像できるような一瞬。
3人、4人・・・と続いていきます。

けれどたくさん写しすぎると、焦点がぼやけてしまう。
ポートレイトでは背景は一色で何もなく、写るものは家族だけ。
だからこそ、家族の関係が浮き彫りになるのだと思います。

ワークショップでも、そんなこどもたち同士の関係性まで見えるような写真を、こどもたちにこそ観てもらいたい。
そこにはきっと、普段鏡の前では見られないようなステキな表情も想像もして
いないような表情も写っていると感じているからです。

けれどまだまだ出遅れて撮れていない写真、見落としている瞬間がたくさん・・
その瞬間のために這ってでも、頭を打ってでもカメラを構えたいと思います。そんな風に思えたのも、初めてのワークショップのリフレクションで「いい顔」をたくさん観たから。

うん、ワークショップはファシリテーターにも、良い何かを与えてくれているようです。

写真を撮ることは楽しい!

うえのうけんじ(バトンは こうたじゅんこさんへ)

第25回目
(2005年11月09日更新)

おばた けん

ハイサイ!!
沖縄で「CAMPクリケットワークショップ」を開催しました。

夏休みも終わり、真っ黒に日焼けしたこどもたち。
期待と不安な表情を覗かせながら、ワークショップ会場にやって来ました。

くじ引きで二人一組になり「海」をテーマにした作品をつくります。(お父さんが海人(うみんちゅ・漁師)だから船を作るんだ!と言い張るこどもも…)

はじめて出会ったこどもたちは最初はコミュニケーションが上手くとれなくても、ワークショップが進むにつれて大人とは違う感性できちんとお互い協力して作品をつくりあげていきます。

こどもたちのそんな姿を目の当たりにしながら、何かの縁で出会う人と人との出会いやつながりって(言葉では表現しにくいですが)、いいなと感じました。

そうそう、沖縄にはこんな言葉があります。
「いちゃりばちょーでー」
一度あったらみな兄弟という意味です。一期一会の出会いを大切にする気持ちを忘れたくないですね…。

こどもたちが作り上げた作品の発表を聞きながら、感性や創造力の豊かさを感じつつ、ワークショップの魅力も感じることができました。

そしてワークショップも終わりに近いた頃、外からお祭りのエイサーの掛声が「イヤー・サッサ」
大人たちの疲れも露知らず、こどもたちはお祭りへ…。
底知れぬこどもたちのパワーにびっくりです。

おばたけん (バトンは うえのうけんじさんへ)

第24回目
(2005年10月06日更新)

ふじお とうすけ

こどもについて

サマーハウスに参加した。
3日間続きの、大掛かりなワークショップ。
3日間、同じこどもたちとずっと一緒にいると、少し親心みたいなものが芽生えた。

「親はなくとも子は育つ」というけど、その逆はなくこどもがいなければ親が育つことはないように思う。こどもを守ろうとする気持ちや、こどもを愛しむ気持ちが、人を親にしていくのではないだろうか。私はまだまだ親という大変な立場にはないけれど、こどもと触れ合うことで少し大人になれた。

自分が大人になるにつれ、彼らのことがよく分かるようになってきた。こどもの心とはなんて分かりやすいのだろう。彼らのことはよく理解できる、なんと言っても、自分も同じ経験をしてきているのだから。

そんなことを考えながら、自分の子供の頃に鑑みれば、親の姿が思い浮んだ。
子供の頃の私は、親に色々なことを隠しているつもりで、その実はほとんど見透かされていたんだろう。

あぁ、なんて恥ずかしい。
大人たちは、どんな気持ちで私に接してくれていたんだろうか。

私はこどもと触れ合うとき、その向こうに幼かった私を可愛がってくれた人を写し、そのこどもに幼かった頃の自分をみてしまう。私を可愛がってくれた人たちと同じようにこどもたちに接し、私がもらった愛情を、こどもたちへ返そうと思っている。

彼らが、大人になったとき、こどもの向こうに私の姿を思い出してくれればいいな、と思う。

ふじおとうすけ (バトンは おばたけんさんへ)

第23回目
(2005年09月12日更新)

やまざき さほこ

はじめの一歩

私は、人前で話すのがとても苦手。
考えただけで、心臓がドキン、ドキン。
手も汗でぐっしょり。
大勢を目の前にした瞬間、頭の中が真っ白。

ところが、最近、以前ほど動揺していない自分に気づきました。
大きな発見でした。
人前で話す機会が多かった結果のようです。

日常の生活の中でも、いつの間にか何気なくできるようになっていたことがあることに、近頃よく気づきます。必要に迫られたいろいろな経験は、無駄ではなかったんですね。

過ぎてしまえば何気なくですが、最初はいつもチャレンジです。
これからも勇気をもって、"はじめの一歩"!

やまざきさほこ (バトンは ふじおとうすけさんへ)

第22回目
(2005年08月09日更新)

いしかわ たかこ

花咲かじいさん

わたしは花咲かじいさんを知っています。

わたしと花咲かじいさんは、よく同じ苗木をそれぞれ育てます。
これまで、ハイビスカス、がじゅまる、ポトスなどなど、いろいろチャレンジしました。

でも、わたしの木はいつもある程度育った後、ぱったりと成長が止まってしまいます。狭い部屋なので、そんなに大きくなっても困るからいいか。と思っていると、いつの間にか先っちょが黄色くなっていたりします。

これはまずいかも。と思っておじいさんのところに持っていってリハビリしてもらうと、あら不思議!?枯れかけた木や花もおじいさんの手にかかればたちまち元気はつらつ!ぐんぐん育つ!

「どうして?」と聞くと答えはいつも同じ。
「愛情が違うんだ」
(ほんとに毎回同じ言葉が返ってくる)

おじいさんのお部屋は、まるでジャングルのようにわっさわっさ。私と同時に育てはじめたハイビスカスが何本も咲いています。挿し木でどんどん増えているのです。

おじいさんはよくメガネを頭の上にのせて、じーーーーーーーっと葉っぱを見つめています。木の状態をじっくり観察しているのです。
私は自分の気まぐれで、水を換えなかったり、急に栄養剤をあげたり、Xmasだからとリボンを結んでしまったり・・・・・反省。わかっていてもまた繰り返してしまう自分が情けない。

でも、次は何にチャレンジしようかな。
育てる、ということはとてもむずかしいけど、やっぱり楽しいな。と思うのです。

いしかわたかこ (バトンは やまざきさほこさんへ)

第21回目
(2005年07月07日更新)

むらた きょうこ

告白

一日一日『大人』な年齢に近くなっていく、なってしまった。
と同時に何かが少しずつ少しずつはがれ落ちていってしまうような、『嬉しい』とか『楽しい』とか『すごい』とか『悲しい』とか、、、、。
ヒットする基準が高くなってきているような、退化しているのか進化しているのかわからない。そんな思いに陥ることがある。

みんなと接するときにいつも思うのが、その幅の広さ。

ドキドキ、ワクワク、ハラハラ、やられたっ!、あぁまたやり直し、、、、

ちょっとしたことでも響く。(だから言葉には慎重にならないといけない。)

あ、そういえば私もこどものころにそう思った気がする。

いつのまにかそれが普通になり、見過ごしても特になにも感じない、気づかないものになってしまったこと。
ひとつひとつ気にしていたら、どうしようもないし、慣れた、歳を重ねた、ということなのだろうけど。
でも、たまには思い出したい。

実は、ワークショップ中、ファシリテーターしながら、みんなから溢れたそんな鮮やかな感情の一葉一葉を拾って、思い出して、ためているのです。

むらたきょうこ(バトンは いしかわたかこさんへ)

第20回目
(2005年06月07日更新)

こいずみ ひろあき

ある日、社内でこども向けのワークショップを開催していることを知りました.。とても興味を持って見学と称し会場に遊びに行きました。

ファシリテーターの流れるような進行に感動し、作品を作るこどもたちのエネルギーに圧倒され、ワークショップが進むにつれて、ついに見ていられずに声をかけ、手を貸して、一緒に考えて・・・。
自分の会社で開催していることが夢のように思え、その後ファシリテーターの社員ボランティア募集を見た時には、迷わず手を挙げていました。

ファシリテーター経験はまだ数回ですが、毎回違う気づきがあります。こどもたちの考えていることを感じ取る難しさに悩みながら、「う~ん・・・実はファシリテートされているのは自分かもしれないな!?」なんて思うこともあります。肉体的には疲れますが、精神的な楽しさと満足感を毎回体験しています。そしてCSKが、このような社会貢献活動に取り組んでいることを誇りに感じています。

こどもたちの創造性や表現力、目的に向かっていくパワー、これは僕たち大人が忘れかけていたモノではないでしょうか?作品完成という目的に向かってどんどん進んでいく。時には考え込んでまったく止まっちゃう場面もあるけど、想像を膨らませて、パートナーと相談して、ファシリテーターに聞いて、また進んでいく。その一瞬一瞬がすべて輝いている宝物のようです。

また、次回の宝物(ワークショップ)を楽しみにして・・・

こいずみ ひろあき (バトンは むらたきょうこ さんへ)

第19回目
(2005年05月09日更新)

おおにし けいこ

いつから人は人となったのでしょう。
旧石器時代後期よりも以前にさかのぼると、正確には人間について語れるとはいえなくなり、あちらこちらの洞窟には人間に似た生き物が住んでいまた。
この生き物が他の動物と違うのは、道具を使い労働し、石を切るための仕事場を持っていました。けれどこの生き物は、決して芸術を作らなかったのです。
しかし旧石器時代後期の前半期に作られたものと推定されるラスコーの洞窟の壁一面には、おびただしい数の美しい動物たちが描かれています。

人に芸術は必要なのでしょうか。
なくても生きていけるものなのになぜ存在するのでしょう。
ワークショップも同じで、生活の中で必ずしも必要なわけではなく、行かなければならないものでもありません。
けれど私は、こどもたちが自分の表現を形にすることを通して人とつながることや同じ時間を共有することで生まれるかけがえのない場の一つだと実感しています。

きっと芸術は、崇高なものでも生活に必要なものでもなく、人間がどう生きていくかのキーワードなのではないでしょうか。
そして、ラスコーの洞窟は、人が無から作り出される想像の能力を示した最古の芸術生誕の場であると同時に、人が人となった場所なのかもしれません。

おおにし けいこ (バトンは こいずみひろあき さんへ)

第18回目
(2005年04月13日更新)

つじ ともこ

最近、目のまわりに細かいしわができているのを発見しました。(ちょっとショック)ふだんあんまりじっくりと鏡を見てないので、ずっと前からできていたんだろうけど、気づいていなかったんですね。

しわに気づいたとたん、ひとの目の表情が気になりだしました。「ひとの目が気になる」ではないですよ。いろんな人の目と、その周りのしわがどんな感じなのか、よく見てみることにしました。

大きくて吸い込まれそうな目、小さい光が奥のほうできらっとまたたいている目、疲れているのか、すみっこが暗くなっている目…。

目の周りのしわも、人それぞれでおもしろい。お年寄りのしわは特に魅力的ですが、50歳くらいの働き者のおじさんにも「やったぜ」と笑っているようなくっきりとしたいいしわがあることに気づきました。
メイクしている目を見るのもおもしろい。若い女の子の目はまつげがふさふさして、アイシャドウがきらきら。マダムのまぶたも色とりどりで、おしゃべりしているみたいににぎやか。

目には、その人の毎日の暮らしぶりと歩いてきた道のりが現れているようです。

こどもの目をのぞきこむとその透明さに驚きます。当然しわなんてないですし、つるっとしたもんです。あんまり無垢なのでこの生き物はどこか遠くから運ばれてきたのか、とも思います。きっと心の中では苦しかったり腹が立ったりしているでしょうが、まだきれいなまんまです。

いつか少しずつしわができて大人の顔になったとき、いい目をしていてほしい。こどもの透明な目に何を見せ語りかけようか、先に大人になった手前ちょっと責任を感じています。ワークショップの組み立てを考えるとき、こどもとの関わり方にいつも悩んでしまいます。
でもどちらかというと、くるくるよく動く目を、もっとくるくるきょろきょろさせてやりたくて、次の遊びを考えていると言ったほうがいいのかもしれません。

 つじ ともこ (バトンは おおにしけいこ さんへ)

第17回目
(2005年03月16日更新)

まきのまお

こどもは投げかけた言葉を素直に響かせる。
なので、褒める事はもちろん、絡まっている糸をほぐす言葉がワークショップで基本なんだけど、とっても重要なファシリテート。

一年で最大級のクリスマスワークショップ。
  
こども達も今日はドキドキわくわく。
  
ちゃんとリーダーできるかな?
皆と仲良く楽しめるかな?
  
そんな不安と期待が入り交じった顔をしている。
  
もちろん新米の私も。

そんな中、初めてのグループ共同作業「グループ名を決める」。
  
するっと名前が出て来るチームもあれば、皆が遠慮して出て来なかったり、決められなかったり。
  
私も一緒に
うーん。どうしよう、ね?

ふとある女の子の書いた提案を見ると、
  
すっごい上手!字が!!
  
思わず口に出た。
  
次にこのチームのテーブルに戻って来ると、その子のがグループ名になってた。

こっちは、皆遠慮して出て来ない。
  
やらないと、良いのも悪いのも出て来ないよー。
  
全員にひとまず書いてもらった。
  
次にこのチームのテーブルに戻って来ると、皆のを繋げてグループ名になってた。

ケーキにクリームをぬる作業。
  
あるグループは、ちょこちょことぬり足していたのでいったん沢山クリームをスポンジにのせてからが早いよ?
「これでいいの!」
おっ、何か策があるのね?要らない一歩先周りをしちゃったな。
  
今度戻って来たら、クリームの仕上がりがすっごく丁寧なケーキになってた。

そう、必ずしもそれが大人から見た「絡まった状態」ではない事もある。

色んな状況や色んなパーソナルを持ったこども達でとても複雑に要素が絡み合っている、答えもその数以上にある。かといって恐れても始まらない
  
まずは素直に子ども達がやり遂げた事や気づいた事に驚きと暖かいまなざしのある言葉を投げかけれればこども達が響き、私もそのまっすぐな気持ちに後押しされて動く。
  
そしてワクワクが伝染していくのだ。

これを体験した人は、きっと止められないと思った。

第15回目
(2005年01月07日更新)

いしかわ たかこ

「スイッチが入る瞬間があります」

3年前、初めてCAMPを取材した時のあるファシリテーターの言葉です。スイッチが入る?!ワークショップに参加するこどもたちには、まるでパチッと音が鳴ったかのように切り換わる瞬間があるそうです。1度スイッチが入れば、それはそれは大人顔負けの集中力をみせるとか。

3年が経ち、私はCAMPのファシリテーターになりました。

ひとりの子が自己紹介で「今の気持ちはブルーです。あまり期待していないから・・」、この言葉に新米ファシリテーターの私は動揺しました。

だるそうにパソコンで練習問題をはじめた彼。クリケットにダウンロード・・・失敗。もう1回ダウンロード・・・また失敗。側で見ている私はハラハラ。

「・・なんで?」
次の瞬間、私を見上げた彼の表情を見たとき、忘れかけていたあの日の言葉が一瞬にしてよみがえりました。・・・・スイッチガハイルシュンカンガアリマス・・・・これかぁっ!

「始めると、やりこめて、みんな個性的な作品ができて楽しめた」最後に書いてくれた感想です。

新米ファシリテーター、これからがんばります!

2004年

2003年