メッセージ to CAMP for CAMP from CAMP
CAMPの活動に協力してくださる方や、スタッフ・関係者からのメッセージを紹介します。
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第88回目
(2011年12月09日更新)
須永 剛司/多摩美術大学・教授(美術学部情報デザイン学科)
10月、久しぶりにCAMPを訪れました。まぶしい朝日に満たされた木の床の大空間。そこで何かが始まる気配がしています。この訪問は、表現のワークショップをサポートするためです。ワークショップでは、CAMPの中に見つけたものやこと、「きれいだな」と心が動いたものやことをスケッチし、それらを集合させた作品を共同で創作します。僕たちの研究室が中心となって開発した「Zuzie」が、参加者の利用するツールとメソッドの名前です。
車座になってファシリテーターの方々と話していると、こどもたちが入ってきました。小学3年生から6年生のこどもたちが18名。どきどきしながら始まったのは、僕たちがやってみせたスケッチ。真っ白の画用紙に、そこにある椅子や時計が描かれていくこと、そこに起きる生成の過程を目撃したこどもたちは、その瞬間に表現することのマインドを手に入れてしまったようです。できあがった「Zuzie作品」を是非CAMPのサイトで見てください。
今回は、CAMPと多摩美術大学の共同として、あえてこまかい部分の計画を立てずにやってみました。きっと、ファシリテーターをしてくれたCAMPのスタッフさんたちは不安だったと思います(ごめんなさい)。じつは、この「不安」が本物の表現体験を生みだす大事な仕掛けなのです。「不安」というのは空の入れ物です。私たちは、何も入ってないことに不安を感じます。しかし、その空の空間がなければ、そこに生まれる思いや気づきを入れる場所がありません。参加した人たちが手にした新たな思いや気づきを入れる空間があること。
生成する活動づくりが大事だと思っています。
また、印象に残っているのは「やっぱり学校とは違うなー」と感じたことです。
CAMPのワークショップでは、多様な学年が混ざり共同的に活動することで、表現に奥行きがともなっていることに気づきました。これはすばらしいことです。さらに広げて、こどもたちといっしょに親御さんが参加するプログラムをつくってみることも面白いと思います。お父さんやお母さんも一緒になって、真剣に表現することをやってみる。そうすることで、そこに表現の社会が生まれることを期待できるはずです。
今回、体験させていただいた多世代の表現活動は、未来のデザインを学ぶための大事なかたちだと感じています。それは、いろんな専門性をもった人たちの恊働と、それらが社会と連携する可能性がそこに生まれるからです。10年後、今回の参加者に10歳ずつ足してみました。彼らは大学生や大学院生、あるいは社会人。コンピューターが得意な人もいれば、表現することが得意な人もいる。学び合える仲間がいる。CAMPの大空間は、そんな大人たちの学び合いの場になる可能性も秘めているなと思っています。
須永 剛司(すなが たけし)
多摩美術大学・教授(美術学部情報デザイン学科)
人間とコンピューターのやりとり、デジタルメディアを活用する人々の対話の設計など、インタラクションデザイン研究を展開。活動を基盤としたデザインとその社会実装を実践している。
第87回目
(2011年10月11日更新)
森 由美/SCSK株式会社 新規事業推進グループ CSR推進室長
日本のCSRは、社会貢献活動に偏りすぎていた反省から、最近は事業活動そのものを通じたCSR活動に舵を切る企業が増えてきました。
その矢先に起きた、3.11の東日本大震災、この未曾有の大災害を受けて、企業は惜しみない寄付やボランティア支援に動きました。
多くの人が遠くの途上国の問題だと感じていた戦災、貧困、難民問題に近い問題がこの国の中で起こったことに、多くの人が衝撃を受け、自らの価値観を考え直すきっかけとなりました。
1995年阪神淡路大震災の年が、日本におけるボランティア元年と呼ばれています。2011年は何元年と呼ばれる様になるでしょうか。
この歴史的な年に、CAMPは10周年を迎え、CSKは住商情報システムと統合してSCSK株式会社として新しいスタートを切りました。
新しいスタートの中で、これまで本当に多くの方々に支えられて進めてきたワークショップの開発・普及活動に加え、CAMPは次のステージに進みたいと考えています。
たとえば、CAMPの活動を通じて多くの方が感じている「こどもたちの無限の可能性」を、被災地の復興に繋げていくこと。
SCSKの経営理念「夢ある未来を、共に創る」を胸に、これまでのCAMPを超えるCAMPを多くの方々と一緒に創っていければと思います。
森 由美(もり ゆみ)
SCSK株式会社 新規事業推進グループ CSR推進室長
SEとして入社後、人事で社員育成やダイバシティ推進を経験し、2011年4月より現職。宮城県仙台市出身。
第86回目
(2011年08月30日更新)
長野 美和紀/株式会社CSK 西日本事業本部
「素晴らしき哉 CSK西日本地区 CAMPボランティアチーム!」
6月度と7月度でそれぞれ一回ずつ、CSK西日本地区として初めてのボランティアチームによるCAMPワークショップイベントを、大阪府教育委員会様との共催で、無事開催することができました!
思えば、CAMPワークショップの楽しさをもっと広めていこう!という目的でCSK西日本事業本部/管理部でボランティア事務局担当を任命されたのは昨年の夏。
一からのスタートなので、ボランティアのメンバー集めから始まり、イベントの企画や準備はもちろん、CAMPの専任スタッフもいない自分たちだけでのファシリテーションも初めてと、初めてづくしで最初はどうなることかと思いましたが、たくさんの方のご協力を得てこどもたちにも喜んでもらえるワークショップになったのではないかと自己満足しております。
我がボランティアチームの合言葉は「ありがとう」です。開催にあたりご尽力いただいた関係者すべての方に感謝、力を合わせて一緒にワークショップをつくり上げたメンバーに感謝、CAMPの素晴らしさを改めて再認識させてくれたこどもたちに感謝・・・。
今回のイベントは、みんなが感謝の気持ちでお互いを思いやることで生まれる好循環で、全てのことが上手く運んでいったように思います。
これからもずっとこの気持ちを大切にしたいです。
※江本 勝著『水は答えを知っている』によると、「ありがとう」と書いた紙を貼って、凍らせたペットボトルの水は綺麗な結晶となり、同様にして「ばかやろう」と書いた紙を貼った水は結晶が濁りぐちゃぐちゃになるそうです。
人間の体内の60%は水分でできているといいます。日々「ありがとう」と感謝の気持ちを忘れないでいると、体内に流れる水分がサラサラでキレイになり、心と体の健康に一石二鳥ですね。
長野 美和紀(ながの みわき)
株式会社CSK 西日本事業本部 管理部 事業推進課
役員秘書業務および社会貢献推進業務担当
…………………………………………………………………………………………
秘書業務ではVIPのエライ方々お相手に背伸びしながら緊張してお仕事し、
CAMPボランティアではチームメンバーと一緒に汗だくで裏方作業、ワーク
ショップファシリテーターではこどもたちの目線にあわせるよう心がけ・・・、
VIPからこどもまで、我ながら守備範囲が広いなぁと思います(笑)
この柔軟性(?)を活かして、これからも日々業務に邁進して参ります!!
第85回目
(2011年06月09日更新)
二唐 義夫/日本宇宙少年団《YAC(ヤック)》大和まほろば分団
「CAMP大川センターとの出会いとこどもたち」
日本宇宙少年団《YAC(ヤック)》大和まほろば分団は平成14年(2002年)1月23日に毛利衛宇宙飛行士立会いのもとで結団式を行った全国で114番目、奈良県最初のYAC分団です。現在団員14名(小学2年生から高校3年生迄の異年齢集団です)、登録指導者11名(ほとんどが仕事を持っている現役の社会人ボランティア)ですが、十二分な準備ができない中、実質5名の指導者がそれぞれ自主的、自立的に役割を引き受け且つ阿吽の呼吸でこどもたちのために微力を尽くしています。
さて「こどもたちを待っている」素敵な施設、設備、さらに玄関前で北川センター長はじめスタッフの皆さんのにこやかな出迎えに感激した8年前のCAMP大川センターとの出会いは鮮烈でした。「CAMPクリケットワークショップ」の最初のテーマは「動く人形つくり」でした。三方が天井までの大きなガラス張りの室内は明るく、ガラス越しの桜木の庭園も落ち着いた雰囲気で緑が水面にこぼれる中、パソコンが置かれたしゃれたテーブルや椅子、300種類の素材、よく整理・整備された工具類、のり、セロテープ等々を使う「動く人形つくり」は時間の経過を忘れる活動でした。以降、「宇宙で使う道具つくり」や「身体の動きつくり」等々、準備・本番・反省会を含め大いに楽しくにぎやかで保護者の関心も高い、非常にユニークなCAMPの活動を続けさせて頂いています。これからも毎年1度は、必ずこどもたちに体験させたいワークショップです。
私見ですが、CAMPでの活動のみならず、会社でも学校でもボランティア活動でも「こどもたちの成長(会社の発展)×指導者の成長(社員の発展)=成果」と考えています。こどもたちの成長が10で指導者の成長が5では成果は50です。
一方こどもたちの成長が3で指導者の成長が10(指導者の独りよがり)では成果は30です。CAMPの活動はいつも「10×10=100」になっているようで、こどもたちや指導者にとってすばらしい学びの場所になっています。
成果には努力指標(例えば一生懸命にやりました)と結果指標(例えば利益**億円)がありますが、社会教育活動といえどもこの2つの指標を掲げ、コストパフォーマンスも加味した活動を心掛けたいと思っています。
さてさて、活動におけるこどもたちの反応は、いつも「こうなるだろう」と云う私の予測はことごとく外れ、想像できない、考えられない展開とすばらしい結果にいつも驚いています。こどもたちの作品は完成、未完成にかかわらずいつも120点で「こどもたちはすごい」、どこでどんな勉強をしているのだろうと首を傾げます。約4時間の活動でこどもたちは「働くこと」(つくる楽しさ、難しさ、失敗そして工夫)を、さらに「働く仲間と組織」(一緒に働く仲間とスタッフそして施設や設備の活用)から芋ずる式にたくさんのことを多面的に学んでいます。準備・運営・後片付け等々の見えない裏方の苦労はまだまだわかりませんが、やがて気が付きさらに飛躍するでしょう。
CAMPはこれからも時代の要請を先取りし、わき見をすることなくCAMP(Children’sArt Museum & Park)の名の通りの活動をひたすらめざして欲しいと願っています。末筆になりましたが、北川センター長さんそしてスタッフの皆さんのご健闘とご発展を心より祈念申し上げます。「集まってくるこどもたち」、「待っているこどもたち」、「未来を担うこどもたち!!」の為に今後ともご指導、ご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。
二唐 義夫(にがら よしお)
昭和15年大阪市生まれ、大阪府立大学工業短期大学部卒。(株)クボタで設計・研究開発・生産技術等を歴任。クボタメンブレン(株)初代代表取締役。日本宇宙少年団《YAC(ヤック)》大和まほろば分団初代分団長。
第84回目
(2011年04月11日更新)
愛川 正己/株式会社CSK中部事業本部産業システム事業部勤務
今回の震災で被災された方に、心からのお見舞いを申し上げます。
行きつけの店のマスタが「東北に行き被災者の為の活動に参加するから、4月は店を閉める」と告げた。聞くと地震が発生したその日から居ても立ってもいられなかったらしい。その店のバイトのお姉さんは「現地の状況と自分のスキルがマッチするか良く調べてから行動しなよ、と言ったんだけどね」と小生にこぼした。でも「何かをしたい」という情熱は、二人とも同じぐらい持っていると感じた。
宮城県出身のお笑いコンビが同県出身のピン芸人と対談する番組を偶然観た。そのお笑いコンビは、地震発生の翌日に現地に駆けつけ3日間で避難所などを訪問してきたが「おれたちが今できることはゼロだったよ」と嘆いていた。自分たちが無力に思え、それが許せなかったのかもしれない。一方で「こどもたちは比較的元気でサインくれってせがまれたよ」と笑顔で言っていた。人気芸人だからこそできることなんだな、と感じた。
小生が勤務するCSK中部事業本部には「TeamCAMPs」というチームがある。CAMPワークショップの企画運営を中心に自発的な活動を行うボランティア集団である。このTeamCAMPsが、弊社他部署からの呼びかけに応じ、名古屋地区勤務社員を中心に支援物資(使い捨てカイロとカードゲーム)の提供を呼びかけた。短い期間であったにもかかわらず沢山集まった。呼びかけに応じてくれた方々に感謝するとともに、被災された方に「暖」と「笑顔」を少しでも生み出してくれれば、と願っている。
このように「ボランティア活動」について考える機会が非常に多かった1ヶ月間であった。ひとつ確信を持てたのは、震災復興の為の活動やCAMPワークショップに限らず「ボランティア活動」は多岐に渡り、その場面により自分のスキルや立場を生かせる機会は必ずある、ということだ。
「何かをしたい」という情熱さえ持ち続けていれば・・・
愛川 正己(あいかわ まさみ)
株式会社CSK中部事業本部産業システム事業部勤務。職業SE。来年50歳で意地をはってみても、近くの小さい文字が裸眼では読めないお年頃。中部地区でCAMPワークショップの企画・運営を中心に自発的な活動を行うTeamCAMPs事務局メンバー。そして、CAMPワークショップは「世界平和」をもたらすと信じる野心家。因みに長女は、CAMPキッズOGで、かつ、ファシリテータ経験者。おそらく中部地区で初めての両方経験者。
第83回目
(2011年02月09日更新)
小柳 和喜雄/奈良教育大学大学院教育学研究科教授
2009年の秋に東京大学の山内先生から誘われて、情報学環・福武ホールで行われていたCAMPのワークショップを見学しました。そこで行われていた丁寧な取組と目を見張る楽しそうな環境を見る中で、教師になる学生にとってこれは、とても貴重な学びになると考えさせられました。教育実習で、学生たちは、授業について学び、学級経営について学び、こどもたちの力を伸ばす取組を体験を通して学びます。しかしながら、このワークショップで行われていることは、教育実習ではなかなか学べない要素を多く持っていると思いました。
例えば、2つ取り上げてみます。1つ目は、授業は、その時間でこどもに獲得して欲しい内容が外から決められ(例えば2年生の2学期の算数で、こどもたちはかけ算が理解でき使えるようになる、など)、それに基づいて、1人ひとりが確実に内容を身に付けることに関心を向けた学習活動が計画されます。一方、CAMPのワークショップは、こどもたちが、ぺア活動で自分たちの内側にある発想やイメージを表現し、具体的な形にしていくことを願い、それに基づいて丁寧な準備と計画がなされます。どちらも限られた時間で効果的に進めていくために、その設計図として指導案やアジェンダをつくりますが、ねらいが異なるため、設計図のつくり方が違ってきます。つまり、授業は中目的の達成(内容の獲得など)から設計図をつくりますが、アジェンダは、外側の環境構成から、こどもが自己の思いを実現できるための設計図をつくります。
2つ目は、授業は指導が重要となります。こどもたちをまだ知らない内容の世界へ誘う役割を果たすこと、つまりその主要な役割として、教師1人でしっかりこどもに力を付けていく指導力が問われます。一方、CAMPのワークショップは、ファシリテーションが重要となります。チーフファシリテーターを中心に、フロアファシリテーターがチームを組み、辛抱強くこどもを見守り、もやもやしているモノを形にさせたり、わき上がってくる気持ちを表現させていくことに、チームとして関わります。1人のファシリテーターがずっとあるペアに付くスタイルとは異なります。
このように、教師として身に付けておいて欲しい、別の視点の教育力を付ける機会を、CAMPのワークショップは提供してくれています。この機会を教職科目として確かに位置づけられればと思う今日この頃です。
小柳 和喜雄(おやなぎ わきお)
1965年新潟県生まれ、広島大学大学院博士後期課程中退。広島大学助手、常磐大学専任講師を経て、現在、奈良教育大学大学院教育学研究科教授。
専門は教育方法・教育工学。現在は、教職大学院に勤務しているため、ストレート院生と現職院生とともに、幼小中連携教育の取組や学校の組織的な教育力をパワーアップしていく研修デザインなどに関心を持っている。
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ファシリテーターリレーコラム
CAMPで活動するファシリテーターが、ワークショップへの想いを語ります。
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第38回目
(2006年12月12日更新)
よしだともこ&さとうあさみ
しんけんな顔になって取り組んでいる姿を、邪魔しないようにこっそりのぞいていました。一体何を作るところなの??
ひとたびしんけんな顔になったら、後はどんどん進むだけ。
その過程にわくわくしました。
こどもたちの発想について、わぁ、すごいなぁ。を心の中で連発していました。
どれも、わぁ、わぁ、わぁ。
4時間。せっかく一緒に参加したのだから、なんだぁ、あんまり面白くなかったねって思いながら帰ってほしくない。という思いがありました。
だから、作品発表の時に、自分の作品を誇らしげに発表する姿や、本気で悔しがっている(自分の思うように完成することが出来なかったため)姿、「またやりたい」の感想は、新米ファシリテーターにとって、とてもとても、嬉しかったです!(よ)
_______
実は、こどもが苦手だった私。
ファシリテーターを務める事になり、正直不安がいっぱいでした。
好き勝手に行動されたら?ペア同士がうまくまとまらなかったら?すねちゃったら?・・・など、普段大人相手に仕事をしているため、自由奔放であろうこどもたちに対して不安を持っていました。しかし、ワークショップが始まってみたらそんな事を考えている余裕も無く、あっという間に時間が過ぎてしまいました。気づいてみたら、こどもたちは協力し合い、ペア同士で作業を譲り合い、トラブルに対しては自分たちで解決策を見つけ、と、むしろこちらが学ぶことがたくさんありました。
そして、分ったこと。
ワークショップの中では大人もこどもも関係ない。
ワークショップは元気になれる。
ワークショップは普段の人間関係にも応用できる。
また参加したいな・・・家路に着くこどもたちと同じ気持ちで私もワークショップを終えたのでした。(さ)
よしだともこ&さとうあさみ(バトンは コウタジュンコさんへ)
第37回目
(2006年11月07日更新)
のざわ しきぶ
『ファシリテーション』って奥深い。
今年で5年を超えたCAMPワークショップ。振り返ると参加してくれたこども達はもちろん、ファシリテーターの皆さんとともに歩んできた5年間、と言えるのではないでしょうか。
CAMPに携わるようになって私自身はまだようやく1年ですが、そんな少しの経験から見ても、ファシリテーションの奥深さ、可能性を考えるとワクワクします。
それはなぜって?
ファシリテーションマインドはこどもに対してだけでなく、家庭、会社、友達同士、ご近所づきあい・・・人間同士であればどんな関係でも応用できる、ということに気づいてしまったから!
たとえば、話し合いや共同作業の場において、メンバーそれぞれが持つ良いところを引き出し、最大限に発揮できるようそっと背中を押してあげるとか、「一番問題になっていること」をメンバー全員が理解し「最適な解決方法」を導き出すため皆がまとまるよう促したり、滞っていた進行をスムーズにあるいは問題解決の糸口を作る・・・これが社会におけるファシリテーションの一例です。
実は普段のワークショップで皆さんが行っていることと通じるのではないでしょうか?ちょっとだけ意識することで「いつでも」「どこでも」「誰でも」使えるところが、ファシリテーションの奥深さだなあって思うのです。
もしかして、ワークショップ以外で実践することなんて考えてみたこと無かった、というアナタ!もったいないですヨ。社会はアナタのような人を必要としています~(なんちゃって、でも個人的にはそう信じてます。。^-^)。
さあオトナの皆さま、これまでの経験を活かして、敢えて今までと違うところでもファシリテーションを実践し、その可能性を広げていきませんか?
(・・・かくいうワタシ自身、まだまだ勉強中ですが。。。)
のざわしきぶ(バトンは めんこいシスターズへ)
第36回目
(2006年10月06日更新)
せきぐち いずみ
先月のことです。
初めてワークショップの「受付」をしました。ワークショップ当日ににっこりと微笑んで参加者の名前にチェックするだけのことだと思っていたのですが、意外と大変。
受付といっても、こどもたちを受け入れる準備を色々しなければいけません。こどもたちが怪我をしそうな場所にはさりげなく看板を置きロープを張り、自由の中にも安心して活動できるよう気を配ります。それらを順番に用意していくのですが、中でも一番大変だったのが、大川センターに40箇所ほど存在するガラスの仕切りの「でっぱり」にゴム製のカバーをつけていくこと。
正直こんなことをする意味はあるのかと少し思っていました。
ワークショップ当日。
お兄ちゃんの付き添いできていた4歳ぐらいの元気な女の子。はしゃぐあまりに、注意をする間もなく、全速力でロビーのガラス戸に突進!
ゴッ!という鈍い音を立てて女の子は激突。3秒ほどの沈黙の後、火のついたように泣き出した女の子。
幸いぶつかった勢いでびっくりしただけなのか、すぐに泣き止みましたが、その時思いました。あのガラスカバーをつけていてよかったと。
もしあの女の子が平面のガラス扉ではなく、でっぱりの部分にぶつけていたら、大怪我をしていたかもしれません。きっと過去にスタッフの誰かがそれを感じて実施したのでしょう。
こどもの視線。。
こどもが考えること。。
施設だけでなくワークショップの中にも、こどもたちが安心して作業に集中できるよう、様々な工夫がなされています。
CAMPが生まれて5年。
スタッフの努力はもちろんですが、こども達の声、色々な人たちからのアドバイス、アイデアを組み込みながらCAMPのワークショップは進化しています。
来年はどんなワークショップができているかなぁ。。
せきぐちいずみ(バトンは のざわしきぶ さんへ)
第35回目
(2006年09月07日更新)
やまざき さほこ
「あっ、さっきからずっと同じところやってる。完成するかな」
「あっ、もうすぐ終了の時間なのに形になっていない」
ワークショップのこんなとき、一瞬頭によぎる。
「とりあえず形にすればよいのに?!」
でも、作品を作っているこどもの真剣な表情をみると、
こどもに声をかける前に心の中で自分に声をかける。
「私がこの子だったら何が満足???」
ワークショップの様々な場面で、頭の中でいろいろな声が聞こえる。
ただそれは私の価値観。
「この子の価値観は?」
「どんなふうに伝えるのがいいのかな?」
感動を伝えるのと違い自分の中の「?」は、まずは心の中で自問自答。
言葉にする数倍の声が頭の中で聞こえる。
声をかけたとき「そっか!」と笑顔をむけられると、温かい何かが身体(心?)に広がる。逆に無言で見つめられたりすると、キュッと心臓が縮んだ感じ。
何度ファシリテーターをしても、その繰り返し。同じような場面でも、その子その子で反応が違う。1回1回が真剣勝負。本当に難しい。
それでもワークショップを楽しいと感じるのは、嬉しそうな顔をされたときの感動が忘れられないから?今の私の中でワークショップは、こどもの価値観を知ろうとすることで自分自身の価値観を見つめなおしたり、こどもたちから感動や元気をもらえる場。
「ワークショップを通して(こどもたちにおいていかれないように?!)自分自身少しでも前進できたら・・・」
そんな思いを持って、これからも1回1回のワークショップを大切にしていきたい。
やまざきさほこ
第34回目
(2006年08月07日更新)
むらた きょうこ
開始10分前:
自分のイライラやムカムカやシクシクはちょっと置いといて・・・
質問に答えるとき、
話を聞いてるとき、
一緒に笑うとき、
一緒に考えるとき、
怒るとき、
誉めるとき、
遊ぶとき、
・・・
こどもたちは、いっつも100%の本気でやってくるから、
自分も100%の本気でいないと見透かされてしまう。
100%楽しんでないとそれが伝わってしまう。
(99.9%でもだめなのです。でも、力んでもだめなのです。
このバランス が難しい・・・・)
だから、毎回毎回、特にワークショップのはじまりは緊張する。
今日の自分は、本気で笑えるかな?
本気で向き合えるかな?
本気で一緒に楽しめるぐらい、準備できてたかな?(余裕はあるかな?)
本気を本気で返せるかな?
ドキドキドキドキドキドキドキドキ・・・・・・・・・・・・・
ワークショップに「慣れる」ってことは、きっとこれから先
ずっとないだろうな。
むらたきょうこ(バトンは やまざきさほこさんへ)
第33回目
(2006年07月07日更新)
もり ひでき
ワークショップをしていると、何とも言い難い気持ちのいい風景に出会うことがあります。
僕の場合、ワークショプのなかで、わいわい言いながら、参加者全員が思い思いのものづくりをしている時に、そんな風景に出会います。つくっているものを見せ合ったり、自慢しあったり、つくりながら話をしたり、つくりながら遊んだり、そんな風景を見ながら、自分もその一部になっている時の喜びはかえ難いものがあります。(もちろん人によって違うと思いますので、あしからず)
CAMPに関わりはじめたのは、オープンを翌春に控えた2000年の夏でしたので、早いもので、もうそれから丸6年になります。特に、ファシリテーターをする時は毎回フレッシュな気持ちでと思いながら、どうしても慣れてしまってきているところもあります。自分が担当するワークショップも6年間の試行錯誤を経て、知らない間に少し太っちょなワークショップになっていたりします。
(僕自身も太っちょになってきてますが)
先日、CAMPがはじまった頃のワークショップのビデオや資料を見ながら、ふとそんなことを考えました。
ということで、今年後半のテーマは、原点回帰。ワークショップで出会いたい風景のイメージを大切に、ワークショップもファシリテーションもシンプルにしていきたい。そんなことを最近考えています。
もり ひでき (バトンは むらたきょうこさんへ)
第32回目
(2006年06月06日更新)
よしだ あさお
今回わたしは「電子音楽研究家マッスルNTT」としてこどもたちの前に現れました。
僕自身こどもの時にワークショップなるものに参加したことは無いし、ワークショップをする側になるのも初めての事でした。普段のライヴに比べてこのワークショップなるものは、直接交流し、最終的に形にするという責任感みたいなのがあるなと感じました。その責任感みたいなものを感じこどもたちの前に登場するまで待ち合いルームで心臓がバクバクしていました。
しかし、登場して、みんなと一緒に制作する時間になった時には、そんな不安は一切ありませんでした。それはこどもたちの勢いを感じて、それに呼応する自分がいて自然にその流れに乗っていったからだと思います。
最後の発表のときは次から次から出てくるバンドを見るのが楽しかったです。
クリケットのモーターを使ってアルミをバンバン鳴らしたり風船に小豆を入れて回転させ風のような音を出したり、面白いアイデアがいっぱいありました。発表が全部終わってからみんなでいっせいに音を鳴らしているときはなんだか会場が一気にわっと熱を帯びた状態、まるでクラブのような熱気で、グルーヴを感じました。とても感動しました。
いつものワークショップなら作品発表だけで終わるけれど、このワークショップは「発表(ライヴ)」が重要で、その発表によって善し悪しが変わってしまうというのが面白かったのではないかと思いました。
こどもの時には分からなかった「日常と非日常」の違い。
今回その非日常(自分が発表し、かつ他の人の発表を見ること)が楽しいという事に1人でも多く気付いてもらえたらいいなと思ってワークショップしていました。
僕自身もワークショップ前日に「PICOクリケット」を使って、音楽を作り、ライヴパフォーマンスに取り入れるという課題をしました。身体の動きに合わせて音が鳴ったり、数字が動いたり。その日一日クリケットで遊び倒しました。
もっと時間があるのならもっと研究したいくらいです。この日PICOクリケットは本当におもしろいプロダクトだなと痛感しました。
ワークショップを終えて思ったことには本当にこどもは侮れないものだなぁと思いました。むしろ、頭が堅くなってしまった大人よりも、もっと柔軟で、素直で、表現することを自然にこなすなぁと思いました。
僕自身この経験はとても貴重で大事なものだと思います。
このきっかけを作ってくれたCAMPのたまちゃんに大感謝です!
マッスルNTT(よしだあさお) (バトンは もりひできさんへ)
マッスルNTTホームページ
http://www.k3.dion.ne.jp/~mnt.web/
第31回目
(2006年05月12日更新)
ほりうちよしのぶ
「ファシリテーターって何なの?」
最近よく考えるこの難問
初めてファシリテーターをしてから一年以上が経ち
回数も2桁に突入した今日この頃
CAMPでのワークショップしか知らない自分としては
それがファシリテーターのすべてであって
そういう前提があって悩んでいるのかもしれないけど
初めて参加したのは些細な理由からで
自分なりに何となくこなしてこなしてこなして
そうするウチにモヤっとしたモノが生まれて大きくなって
何のためにやってるの?どうすればいいの?何をするの????
解決しては生まれ、生まれては解決して
グルグル頭の中でまわってる。
だけど結局、悩むということは
それだけのめり込んでる自分がいるということで
つまり、
好きだから悩んでる。好きじゃなければ悩まない。
のかと思うんです。
だからこれからも
グルグルグルグル悩んで、
もっと好きになって行くのでしょう。
ほりうちよしのぶ(バトンは マッスルNTT(よしだあさお)さんへ)
ほりうちよしのぶ
第30回目
(2006年04月11日更新)
おおにしけいこ
ワークショップをする人になりたかった私は、CAMPでファシリテーターという言葉に出会い4月で1年になります。
あっ!
わっ!
おお~!
というまの1年でした。
この声たちは、ワークショップに参加する人すべてのもの。
こどもたちの声
こどもたちをみての保護者の方からの声
自分の中の新しい感情を発見したファシリテーターの声
たくさんの声を聞きました。
そして、私の心の声はワークショップを体験する内に「こんなワークショップをしてみたい。」から「こんなふうにワークショップをしてみたい。」へ。
どんなふうに伝えるのか、“ふう”の部分について考えるようになりました。
当たり前のことだけど、1度だって同じワークショップなんてありません。
特に“ふう”を変えることで参加するこどもたち、作り上げるメンバーやお天気(?!)で、ワークショップは変化します。
ファシリテーターになりたての頃、なにがよいワークショップでなにがわるいのか、、むむむ と考えていました。
けれど今、考える上では完全なワークショップはなく、毎回のワークショップに関わる全員で完成させていくことが大事なんだと改めて感じています。
まだまだファシリテーター1年生。
これからのまだ見ぬワークショップにずっとどきどきしていきたいと思います。
おおにしけいこ(バトンは ほりうちよしのぶさんへ)
第29回目
(2006年03月09日更新)
おかなつこ
こないだの日曜日、京都精華町にある大川センター内のCAMPのワークショップのお手伝いをしてきました。ワークショップ初参加で、ドギマギしたけどすごく楽しかったです。
こどもたちは、なぞの海の生き物の研究員。研究所に送られてきたなぞの生物のビデオをみて、生態を調査し、図鑑と模型を作成。グループに分かれて、みんなで相談。模型は発泡スチロールや、針金を使って土台をつくり、あとは粘土で形をつくる。その他、毛糸やボタンやスパンコールに羽根。色とりどり何でも 揃ってる。
私の役目はこどもたちが一生懸命つくってるのを手助けしたり道具を揃えたり声をかけたりします。
最後は学会で発表。特に面白かったのは、ふざけてる男の子に女の子が一言
「遊びじゃないねんで!」
笑いました。
女の子は基本おませさんです。
そして、まず思った事は、すごく楽しかった!こどもはほんとに無邪気で残酷。
発想は突拍子がないかと思えば、妙に現実的だったり。自分がこどもの時は気付かなかったけど、みんなちゃんと大人をみてる。嘘はつけない。
普段あんまりこどもと接する機会がないだけに新鮮。 私は興味津々こどもたちを観察していました。
お昼休みにみんなで十何年ぶりかに、「けいどろ」をしました。けいさつと泥棒に分かれた鬼ごっこ。
調子に乗り過ぎた私は子どもたちよりはしゃいでしまい、センターの人に「駐車場で遊ばないで」とお叱りを受ける始末。
あぁ、私って成長してない。とゆうかこどもに「はしゃぎすぎ」っていわれる大人の女。
体はくたくたになったけど、脳みそがリフレッシュできた!
こどもだからとか、大人だからとか関係なく人と人としてぶつかりたい。
岡本太郎の言葉を思い出す。
「子供みんなに満点をあげたい。」
おかなつこ(バトンは おおにしけいこさんへ)
第28回目
(2006年02月07日更新)
くさかなつこ
「子どもの頃に見た風景がずっと心の中に残ることがある。いつか大人になり、さまざまな人生の岐路に立った時、人の言葉ではなく、いつか見た風景に励まされたり勇気を与えられたりすることがきっとあるような気がする。」 『旅をする木』星野道夫
この本を読んだときに、ふとCAMPのワークショップを思い出しました。
こどもたちにとってCAMPで出会う出来事もまた、この風景のようなものではないかと思ったのです。
初めてつくったロボットが、目の前で動き出したときのこと。
グループのみんなと真剣に話し合ったこと。
わくわくした気持ちで、ものづくりをしたこと。
みんなに見てもらいたいほど、うまくできて嬉しかったこと。
そんなひとつひとつの出来事が、ぎゅっと詰まった一日を過ごすことは、心の中にずっと残る風景を持つことに似ているのではないかと考えました。
それは今すぐ使える知識や経験ではないかも知れないけれど、その出来事が心の奥のほうで少しづつ時間をかけて何かの力になっていくのではないかと思います。
いつの日か、CAMPで出会ったこどもたちが大人になったとき、ワークショップで心に残った出来事が、どんな力になっていったのかを、ぜひ教えに来て欲しいと思います。
くさかなつこ(バトンは ふじたあやさんへ)
第27回目
(2006年01月12日更新)
コウタジュンコ
「初心」でいこう
あけましたー、2006年!
今年もたくさんのこどもたちと出会える期待を胸に、1年のスタートです。
6年目となる今年の目標は「初心」。
いろんな意味で初心に帰りたい。
CAMPがはじまったときの「初心」。
ファシリテーターをはじめたときの「初心」。
ワークショップのデザインをはじめたときの「初心」。
ものづくりをしはじめたときの「初心」。
「初心」に帰ると、いままで見落としてきたものに気づけるのではないかと思うのです。
こどもたちは常に初心です。
あたらしいモノに出会ったときの目の輝きやチャレンジする精神、そして感動する心。
年齢を重ねるにつれて、物事を先入観という色メガネでみている自分にふと気づきます。
色メガネを通して見るから、本質が見えにくくなる。
そんな色メガネの自分に気づくきっかけはやはりワークショップでであうこどもたちなのです。
コウタジュンコ(バトンは くさかなつこさんへ)