メッセージ to CAMP for CAMP from CAMP
CAMPの活動に協力してくださる方や、スタッフ・関係者からのメッセージを紹介します。
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第2回目
(2003年12月11日更新)
森 由美子/CAMPエグゼクティブ・プロデューサー (現 NPO法人パンゲア 理事長)
私たちの日常生活の中に、携帯電話やインターネットが浸透してきたこの数年。大川センターCAMPが開所をしてから既に2年半が経ちました。様々な世界の国の様子がより鮮明に画像や文章で見られるようになり、地球はどんどん小さくなってきました。
CAMPではワークショップの開発センターとして様々な方々をお招きし、こどもたちの自己表現の手法を模索してまいりました。そして、こどもたちの自らが持つ表現したいと思う意欲は、「場(スペース)」をどうセッティングするかによって、より自由に、且つ大胆に創作活動につながり、またその逆も(より制約され、楽しくないプロセスを体験)あるということを見てきました。
来年は4年目に入るCAMPですが、ここまで模索してきたものが、ようやく実りの時期を迎えつつあります。押し付けることなく、自然にこどもたちが創作意欲を掻き立てられ、自己表現していくために必要な要素とはなにか。Facilitate(ファシリテート)とは、決して教えることではありません。内なる欲求を引き出す助けをすることです。
これからの課題はこれをいかにいろいろな方に伝えていくのか。より多くのこどもたちがCAMPのような環境で自己表現の手法を体験していってもらえるのか。それには、きっとこのニュースレターを読んでくださっている方々の協力を得ながら、CAMPワークショップを全国に広めていくという次のステップで実現していかなければならないと思っています。
これからもよろしくご指導、ご支援のほど、お願いいたします。
【森 由美子プロフィール】
Saint Mary's College, California卒業。幼児心理学・幼児教育学を専攻。モンテソリ教員の資格を持ち、アメリカで5年幼稚園教師を務めた。その後、スタンフォード大学研究員を経て、玩具メーカー・トミーに入社。1999年独立。2000年よりこどもワークショップのR&D拠点であるCAMPに携わる。2002年よりメディアラボ客員研究員。世界のこどもたちが「つながり」を感じられる環境をネットを通して実現していくPangaea Project(パンゲア)をスタート、今年4月に東京都よりNPO法人認可。
第1回目
(2003年11月06日更新)
田村 拓/株式会社CSKホールディングス 執行役員 社会貢献推進室長
CAMP(Children's Art Museum & Park)は、インターネットを中核とするテクノロジーによりこどもたちの創造性やコミュニケーション能力を育み、真の豊かさと世界平和に貢献するという、(株)CSKの創業者、大川功氏の理念をもとにスタートしました。こどもたちがワークショップへの参加を通じてその無限の可能性を発揮し、すばらしい高度情報化社会を実現できるように、CSKグループは日本だけでなく世界各国のミュージアムや研究機関、企業とコラボレートし、支援を行っています。
残念ながら大川氏は2年半前に亡くなりましたが、私たちは彼の志を受け継ぎ、CSKグループの社会貢献活動としてこのCAMPを展開しています。CSKグループがスポンサーである米国マサチューセッツ工科大学メディアラボの協力によるクリケットワークショップや、ピクトデザインワークショップ、デジかみしばいワークショップをはじめとする多様なワークショップをぜひご経験いただければと思います。
ファシリテーターリレーコラム
CAMPで活動するファシリテーターが、ワークショップへの想いを語ります。
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第111回目
(2015年11月09日更新)
おかもと なおき
CAMPファシリテーターとしてワークショップに参加していつも感じることは、こどもは大人が思っている以上に、自分で考え問題を解決する力をもっているということと、ワークショップの半日間で急激に成長することです。
初めての参加でまだ慣れていない子も、ワークショップの間で成長し、見違えるように問題に取り組む力、姿勢を身につけて帰ってくれると感じます。成長を促すためには、解決への道筋をこども自身が考えている時に、考えに窮しているからと捉えてすぐに指示を与えてしまうのではなく、見守ることが大切であると感じております。
かといって「見守る」ことと「放置する」ことは別です。
機材の使い方がわからなかったり、トラブルなどで困っている時は、すぐに声をかけ、相談に乗ることが大切です。見守るべきか、すぐに相談に乗るべきか判断するためにはこどもひとり一人の状態をしっかり見て把握していなければなりません。
私はまだこの「見守るべきか、相談に乗るべきか」の線引きがうまくできていないので、真の意味でこどもを見守り、成長を促すことができるファシリテーターになれるようにがんばりたいと思っております。
第108回目
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なかむら くみ
こどもと話している時、“あ、こういうことを言いたいのかな”と先回りして声をかけてしまうことがあった。その時に言われた一言は「だいたいそうなんだけど…」。「だいたいそう」ということは、でもなんか違うというわけで。しまった、と思い、もう一回話を聞こうとしたが、私の話した言葉に引きずられたのか、その子の言葉で本当に言いたいことを引き出すことができなかった。
私たちは今までの経験をもとに、“こうなったら、こうしよう”と考えて心も体も準備をしてしまう。さらに大人はその経験値が高いため、より効率的な方を選びがちだ。しかし、こどもたちと接するとき、ワークショップを行っているときは、その準備・その選択はあまり必要ないのではないだろうか。
いつでも動き出せるようにしておくことは大事だが、思い込みから始めないように『常に新しい』気持ちでワークショップに臨みたいと思うのだ。
第110回目
(2015年09月09日更新)
はせがわ ちさ
ファシリテーターとしてこどもたちと接しながら、ふと『CAMPに参加しなければ、この子たちとは交わることのない時間を過ごしているんだ』と、不思議な感覚になる。私は今まで、一度もこども相手の職業につきたいと思ったことがない。自分が小学生だった時の気持ちはとうに忘れて、こどもたちの目線がわからないからか、対応が怖かったりもする。
小学校の恩師と同窓会でお会いした時に「自分のコピーが出来てしまうのではないかと、怖かったよ」と話してくれたことを思い出す。こどもたちはとても素直だから影響がとても大きい。と言ってたことが今ならわかる気がする。良くも悪くも、こちらの発した言葉がもろにこどもたちに影響を与えてしまうことがあるので、ファシリテーターを経験するたび、発する言葉が難しいと感じるようになった。
しかしそれよりも、こどもたちの発想の豊かさやグループとの関係の築き方など、こちらの心配をよそに自然にやってのけるのを見ると『信じる』ということについて、今までの自分の概念が変わった。そして、この子たちみんなに来てよかったと思ってほしいと強く願う。帰り際ハイタッチして「ありがとう!」と言ってくれるとき、ああ、やってよかったと思える瞬間であり、私にとってまたやろうかなと思える動機になる。
第109回目
(2015年07月08日更新)
にのみや はるみ
年数回はピンチヒッター(勝手に思っています)として、ファシリテーターをやっています。京都・大川センターでスタートした2001年のCAMP。長男と次男が『CAMPクリケットワークショップ』に参加していました。今思えば、その活動が面白かったから、今ファシリテーターとして参加しているのだと思います。今はもう息子たちも社会人として働いていますが。
私はというと、毎回いろんなこどもの笑顔に出会い、こどもたちが一緒に何かをつくっていく過程での成長が楽しみです。また社内のファシリテーターだけでなく、違う会社の方や大学生とも一緒にワークショップを行い、反省会で他のファシリテーターの意見を聞いていると、感心する自分がいつもそこにいます。
CAMPファシリテーターは、いろんな刺激を求めて参加できるのが魅力ですし、こどもたちと接することで自分自身も成長を実感できます。これからも、楽しんで参加していきたいと思っています。
近年のCAMPは、日本各地での開催も多く、カリキュラムの工夫もあります。いろいろな意見に耳をかたむけていくにも、個性を持ったたくさんのファシリテーターが参加してほしいですね。
第107回目
(2015年03月06日更新)
いしい ひろし
「自分の知ってるクリケットと違う・・・」
久しぶりのワークショップ当日に、賢くなっているソイツを見て、冷や汗が出ました。ちゃんとファシリテートできるだろうか・・・
あぁ、もう一度ファシリテーター研修を受けておけばよかった、と思いながらクリケットをさわってみると、すぐに勘を取り戻せた。そうそう、これこれ!
今回は2014年11月に行われた宮城県女川町にある『女川向学館』でのCAMPワークショップに参加しました。この町は祖父母が住んでいた土地で、震災後もよく足を運びました。大きく変わってしまった風景を見ながら、こどもたちは元気かな?と待っていると・・・
教室に入ってきたとたん、こども同士でプロレスを開始。しかも、女子の方が強い!よく走り回るし。 祖父が言っていた「うるせーごど、このわらすこ!」の通りの元気の良さ、そして、人懐っこさ。
出来上がった作品はクオリティが高くて、こどものアイディアってホントすごい!発表会もみんな積極的で、「さんまDEサンバ」の音楽に合わせて、作品といっしょに踊りました。こどもたちがワークショップを楽しんでくれ、ほんとに良かった。
女川の夜は暗くて、復興に向けて環境が劇的に変わっていく中、こどもたちが新しい女川を創っていく。
私も、彼らの手助けをしていきたい。
※「さんまDEサンバ」:女川名物のさんまの大漁を祈るオリジナル曲。
第106回目
(2015年01月08日更新)
かせ みほ
「わたし、ようちえんのせんせいになりたいの」小学生だった姪がいった。
想えば、私も小学生の頃の夢って幼稚園とか保育園の先生だったなぁ・・・
小さいこどもの面倒を見るのが大好きで、近所のこどもたちを集めてよく遊んでいたっけ。
今は普通の会社員になってしまった(?)私でも、CAMPに行くたびにたくさんのこどもたちと出逢えて、様々な驚きと発見をもらえる。みんなのキラキラっと輝く瞳にクラクラしたり、大人顔負けのテクニックや発想を目の当たりにして、驚いたり楽しくなったり。
社会人になったとき「夢が叶わなかったな・・・」と思ったコトもあったけれど、今は「夢がかなった!!」って思っている。
参加するたびに何か新しい感性をくれるCAMPというプログラムに巡り会えたことを本当に嬉しく思う。こんなにもたくさんのこどもたち、そして、同じ想いを持つファシリテーターの方々に出逢い、共感して何かを学ぶことができる。本当に素晴らしくてありがたいこと。
夢って、やっぱりひとりじゃ叶えられない。
夢ある未来は「共に」なのだと感じる今日この頃である。
CAMPでモノづくりに取り組んだこどもたちが、いつか大人になって、また新たなこどもたちの夢を育んでくれたらこれ以上嬉しいことはない。
この社会貢献活動が、長く長く継続してくれたら良いなぁと願う。
一生懸命ロボットをつくっていた男の子に「細かいところまで良くできているね」と声をかけたら、顔をあげて目を輝かせて言った。
「おれ、おとなになったらロボットをつくるひとになるんだ」
だから朝飯前さ!とでも言いたそうな嬉しそうな顔を見て、こどもたちの夢を叶えるお手伝いができるファシリテーターという役割に出会えたことに感謝!
いつか、大きくなった姪と一緒にファシリテーターをできたら良いなぁ・・・というささやかな夢を馳せながら、今日はどんなこどもたちに逢えるかな?とウキウキしながら、またCAMPに向かう。