メッセージ to CAMP for CAMP from CAMP
CAMPの活動に協力してくださる方や、スタッフ・関係者からのメッセージを紹介します。
2019年
第135回目
(2019年12月19日更新)
三上 豊/SCSKニアショアシステムズ株式会社
2001年7月、けいはんな学研都市へ研修に行った際に立ち寄った大川センターでCAMPに出会って感激。2004年7月、有明で開催されたCAMPクリケットワークショップにこどもを参加させ、初対面の子とうまく共同作業ができた事に感心。そして2019年12月、初めて開催する側のファシリテーターをやって感動。
盛岡に赴任した当時からCAMP開催を思い描き、1年で無事実現できたことは本当にうれしかった。
開催直前まで「こどもたち楽しんでくれるだろうか、うまくつくってくれるだろうか」と不安だらけでしたが、実際はこどもたちが自分たちで何とかしてしまい、大人は本当にちょっと手助けをしただけ。でも、終わった時にはこどもらより自分たちが何か成長できたようで、幸せな日になりました。
「こどもたちが情報化社会の創造を先導していく」との理想を具現化したこの活動、岩手県だけでなく北東北全体に広まっていくよう微力ながら活動できればと思っています。
SCSKニアショアシステムズ株式会社 岩手開発部長。
青森生まれ、千葉育ち、東京在住、盛岡に単身赴任中。1986年コンピューターサービス株式会社(旧CSK)入社。
組込み系や制御システムを担当して2001年から管理職。2018年10月から現職に出向。
第134回目
(2019年10月11日更新)
新保 有希子/新宿区立落合第六小学校
2学期始まって間もなく取り組んだプログラミングの授業は、こども達もノリノリで楽しそうに活動していました。音作りでは何人もの「作曲家」が生まれ、本体の飾りつけでは、「デザイナー」が誕生しました。動きをプログラミングする時には、微妙な動きにこだわったり、何度も修正したりしながら改良する姿に「職人」の姿を見た気分です。今回の授業で、こども達が頭を寄せ合い、1つの画面やロボットを見ながら知恵を出し合う様子がとてもかっこよく見えました。さらに自然と役割分担をして、メンバーがそれぞれ得意な作業に取り掛かり、途中経過を確認しながら進めている姿に、「そうそう、これが社会で生きる力よね!」と嬉しい気持ちになりました。CAMPのプログラミングの授業は「論理的に考える力」を育てると言われていますが、それもさることながら、チームででより良い結果を出そうとする「協働する力」を養うのにとても良い教材だと思いました。今回の活動を学校の他の場面でもぜひ生かしてほしいです。
1972年 新潟生まれ 一般企業で10年ほど勤め、転職して教員の道へ。
港区の初任校でCAMPと出会う。その後、新宿区に異動し再びCAMPでの
プログラミング授業に関わる。
学校も時代の大きな変わり目を迎えていることを実感し、これからの教育につ
いて模索中。
第133回目
(2019年08月13日更新)
田中 弥生/国際公共政策博士 大学改革支援・学位授与機構 特任教授、
CAMPで育つ豊洲のこどもと大人たち
7月6日、「豊洲みらいプロジェクト」の一環として、CAMPクリケットワークショップが芝浦工業大学豊洲キャンパスで開催されました。このプロジェクトは、SCSK社、IHI社、芝浦工業大学の代表が集まり、豊洲のこどもたちのために、互いの社会貢献プログラムを提供しあい共同で活動をすることを約束し、スタートしたものです。
初回を飾ったのはSCSK社のクリケットCAMPワークショップです。プロジェクトのメンバーが協力して豊洲地区の学校や教育委員会を回り参加を呼びかけましたが、定員20名のところ184名が応募するほどの盛況ぶりでした。そして、当日、4時間のワークショップはあっという間に終わりましたが、自作の『豊洲の不思議な生き物』ロボットを手に、こどもたちは満面の笑みを浮かべていました。
また、ワークショップはボランティアによる手厚いサポートによって支えられています。今回は、SCSK、IHIの社員がボランティアとして事前研修を受けワークショップに臨みました。他社の社員と協力しながらこどもたちをサポートしていましたが、会社の仕事では学べないことを得たと目を輝かせていました。どうやらCAMPを通じて、こどもだけでなく、大人も成長しているようです。
国際公共政策博士 大学改革支援・学位授与機構 特任教授、
芝浦工業大学 特任教授
P.F.ドラッカーに非営利組織論を学ぶ。専門は市民社会組織論、政策評価論
第132回目
(2019年06月07日更新)
山内 祐平/東京大学大学院情報学環教授
先日NHKのウワサの保護者会「AI時代 何を勉強すれば?」という回に出演した際に、最近親がプログラミングを学ぶための塾に通わせているという取材映像を見ました。AI時代にはプログラミングが必要になるだろうと、通わせる親が増えているようです。
こどもがプログラミングを使って問題解決することに興味を持っているのであれば、発展的な学習のためにそういった学習機会を活用することも一つの選択肢でしょう。ただ、より重要なことはプログラミングの前提となる「解決したい課題」を見つけ、創造的にアプローチする力であると考えています。
この能力に関連するものとして、世界的にSTEAM(スティーム)教育が重視されるようになっています。STEAMは、従来重視されてきたSTEM(ステム:科学・技術・工学・数学)教育にArtを加えたもので、芸術教育の持つ創造性育成が今後機械に代替できない人間の能力として重視されるであろうことが背景にあります。
CAMPのワークショップは開設当初から遊びや芸術の要素を大切にしており、STEAM的な学習プログラムになっています。プログラミングの方法は今後20年で大きく変化するでしょうが、遊びや芸術を通じてつちかわれた創造性はこどもたちの生涯を通じて発揮されることになるでしょう。
1967年愛媛県生まれ、大阪大学大学院博士後期課程中退。
大阪大学助手、茨城大学助教授を経て、現在、東京大学大学院情報学環教授。
専門は教育工学・学習環境デザイン論。
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ファシリテーターリレーコラム
CAMPで活動するファシリテーターが、ワークショップへの想いを語ります。
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第111回目
(2015年11月09日更新)
おかもと なおき
CAMPファシリテーターとしてワークショップに参加していつも感じることは、こどもは大人が思っている以上に、自分で考え問題を解決する力をもっているということと、ワークショップの半日間で急激に成長することです。
初めての参加でまだ慣れていない子も、ワークショップの間で成長し、見違えるように問題に取り組む力、姿勢を身につけて帰ってくれると感じます。成長を促すためには、解決への道筋をこども自身が考えている時に、考えに窮しているからと捉えてすぐに指示を与えてしまうのではなく、見守ることが大切であると感じております。
かといって「見守る」ことと「放置する」ことは別です。
機材の使い方がわからなかったり、トラブルなどで困っている時は、すぐに声をかけ、相談に乗ることが大切です。見守るべきか、すぐに相談に乗るべきか判断するためにはこどもひとり一人の状態をしっかり見て把握していなければなりません。
私はまだこの「見守るべきか、相談に乗るべきか」の線引きがうまくできていないので、真の意味でこどもを見守り、成長を促すことができるファシリテーターになれるようにがんばりたいと思っております。
第108回目
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なかむら くみ
こどもと話している時、“あ、こういうことを言いたいのかな”と先回りして声をかけてしまうことがあった。その時に言われた一言は「だいたいそうなんだけど…」。「だいたいそう」ということは、でもなんか違うというわけで。しまった、と思い、もう一回話を聞こうとしたが、私の話した言葉に引きずられたのか、その子の言葉で本当に言いたいことを引き出すことができなかった。
私たちは今までの経験をもとに、“こうなったら、こうしよう”と考えて心も体も準備をしてしまう。さらに大人はその経験値が高いため、より効率的な方を選びがちだ。しかし、こどもたちと接するとき、ワークショップを行っているときは、その準備・その選択はあまり必要ないのではないだろうか。
いつでも動き出せるようにしておくことは大事だが、思い込みから始めないように『常に新しい』気持ちでワークショップに臨みたいと思うのだ。
第110回目
(2015年09月09日更新)
はせがわ ちさ
ファシリテーターとしてこどもたちと接しながら、ふと『CAMPに参加しなければ、この子たちとは交わることのない時間を過ごしているんだ』と、不思議な感覚になる。私は今まで、一度もこども相手の職業につきたいと思ったことがない。自分が小学生だった時の気持ちはとうに忘れて、こどもたちの目線がわからないからか、対応が怖かったりもする。
小学校の恩師と同窓会でお会いした時に「自分のコピーが出来てしまうのではないかと、怖かったよ」と話してくれたことを思い出す。こどもたちはとても素直だから影響がとても大きい。と言ってたことが今ならわかる気がする。良くも悪くも、こちらの発した言葉がもろにこどもたちに影響を与えてしまうことがあるので、ファシリテーターを経験するたび、発する言葉が難しいと感じるようになった。
しかしそれよりも、こどもたちの発想の豊かさやグループとの関係の築き方など、こちらの心配をよそに自然にやってのけるのを見ると『信じる』ということについて、今までの自分の概念が変わった。そして、この子たちみんなに来てよかったと思ってほしいと強く願う。帰り際ハイタッチして「ありがとう!」と言ってくれるとき、ああ、やってよかったと思える瞬間であり、私にとってまたやろうかなと思える動機になる。
第109回目
(2015年07月08日更新)
にのみや はるみ
年数回はピンチヒッター(勝手に思っています)として、ファシリテーターをやっています。京都・大川センターでスタートした2001年のCAMP。長男と次男が『CAMPクリケットワークショップ』に参加していました。今思えば、その活動が面白かったから、今ファシリテーターとして参加しているのだと思います。今はもう息子たちも社会人として働いていますが。
私はというと、毎回いろんなこどもの笑顔に出会い、こどもたちが一緒に何かをつくっていく過程での成長が楽しみです。また社内のファシリテーターだけでなく、違う会社の方や大学生とも一緒にワークショップを行い、反省会で他のファシリテーターの意見を聞いていると、感心する自分がいつもそこにいます。
CAMPファシリテーターは、いろんな刺激を求めて参加できるのが魅力ですし、こどもたちと接することで自分自身も成長を実感できます。これからも、楽しんで参加していきたいと思っています。
近年のCAMPは、日本各地での開催も多く、カリキュラムの工夫もあります。いろいろな意見に耳をかたむけていくにも、個性を持ったたくさんのファシリテーターが参加してほしいですね。
第107回目
(2015年03月06日更新)
いしい ひろし
「自分の知ってるクリケットと違う・・・」
久しぶりのワークショップ当日に、賢くなっているソイツを見て、冷や汗が出ました。ちゃんとファシリテートできるだろうか・・・
あぁ、もう一度ファシリテーター研修を受けておけばよかった、と思いながらクリケットをさわってみると、すぐに勘を取り戻せた。そうそう、これこれ!
今回は2014年11月に行われた宮城県女川町にある『女川向学館』でのCAMPワークショップに参加しました。この町は祖父母が住んでいた土地で、震災後もよく足を運びました。大きく変わってしまった風景を見ながら、こどもたちは元気かな?と待っていると・・・
教室に入ってきたとたん、こども同士でプロレスを開始。しかも、女子の方が強い!よく走り回るし。 祖父が言っていた「うるせーごど、このわらすこ!」の通りの元気の良さ、そして、人懐っこさ。
出来上がった作品はクオリティが高くて、こどものアイディアってホントすごい!発表会もみんな積極的で、「さんまDEサンバ」の音楽に合わせて、作品といっしょに踊りました。こどもたちがワークショップを楽しんでくれ、ほんとに良かった。
女川の夜は暗くて、復興に向けて環境が劇的に変わっていく中、こどもたちが新しい女川を創っていく。
私も、彼らの手助けをしていきたい。
※「さんまDEサンバ」:女川名物のさんまの大漁を祈るオリジナル曲。
第106回目
(2015年01月08日更新)
かせ みほ
「わたし、ようちえんのせんせいになりたいの」小学生だった姪がいった。
想えば、私も小学生の頃の夢って幼稚園とか保育園の先生だったなぁ・・・
小さいこどもの面倒を見るのが大好きで、近所のこどもたちを集めてよく遊んでいたっけ。
今は普通の会社員になってしまった(?)私でも、CAMPに行くたびにたくさんのこどもたちと出逢えて、様々な驚きと発見をもらえる。みんなのキラキラっと輝く瞳にクラクラしたり、大人顔負けのテクニックや発想を目の当たりにして、驚いたり楽しくなったり。
社会人になったとき「夢が叶わなかったな・・・」と思ったコトもあったけれど、今は「夢がかなった!!」って思っている。
参加するたびに何か新しい感性をくれるCAMPというプログラムに巡り会えたことを本当に嬉しく思う。こんなにもたくさんのこどもたち、そして、同じ想いを持つファシリテーターの方々に出逢い、共感して何かを学ぶことができる。本当に素晴らしくてありがたいこと。
夢って、やっぱりひとりじゃ叶えられない。
夢ある未来は「共に」なのだと感じる今日この頃である。
CAMPでモノづくりに取り組んだこどもたちが、いつか大人になって、また新たなこどもたちの夢を育んでくれたらこれ以上嬉しいことはない。
この社会貢献活動が、長く長く継続してくれたら良いなぁと願う。
一生懸命ロボットをつくっていた男の子に「細かいところまで良くできているね」と声をかけたら、顔をあげて目を輝かせて言った。
「おれ、おとなになったらロボットをつくるひとになるんだ」
だから朝飯前さ!とでも言いたそうな嬉しそうな顔を見て、こどもたちの夢を叶えるお手伝いができるファシリテーターという役割に出会えたことに感謝!
いつか、大きくなった姪と一緒にファシリテーターをできたら良いなぁ・・・というささやかな夢を馳せながら、今日はどんなこどもたちに逢えるかな?とウキウキしながら、またCAMPに向かう。