メッセージ to CAMP for CAMP from CAMP
CAMPの活動に協力してくださる方や、スタッフ・関係者からのメッセージを紹介します。
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第88回目
(2011年12月09日更新)
須永 剛司/多摩美術大学・教授(美術学部情報デザイン学科)
10月、久しぶりにCAMPを訪れました。まぶしい朝日に満たされた木の床の大空間。そこで何かが始まる気配がしています。この訪問は、表現のワークショップをサポートするためです。ワークショップでは、CAMPの中に見つけたものやこと、「きれいだな」と心が動いたものやことをスケッチし、それらを集合させた作品を共同で創作します。僕たちの研究室が中心となって開発した「Zuzie」が、参加者の利用するツールとメソッドの名前です。
車座になってファシリテーターの方々と話していると、こどもたちが入ってきました。小学3年生から6年生のこどもたちが18名。どきどきしながら始まったのは、僕たちがやってみせたスケッチ。真っ白の画用紙に、そこにある椅子や時計が描かれていくこと、そこに起きる生成の過程を目撃したこどもたちは、その瞬間に表現することのマインドを手に入れてしまったようです。できあがった「Zuzie作品」を是非CAMPのサイトで見てください。
今回は、CAMPと多摩美術大学の共同として、あえてこまかい部分の計画を立てずにやってみました。きっと、ファシリテーターをしてくれたCAMPのスタッフさんたちは不安だったと思います(ごめんなさい)。じつは、この「不安」が本物の表現体験を生みだす大事な仕掛けなのです。「不安」というのは空の入れ物です。私たちは、何も入ってないことに不安を感じます。しかし、その空の空間がなければ、そこに生まれる思いや気づきを入れる場所がありません。参加した人たちが手にした新たな思いや気づきを入れる空間があること。
生成する活動づくりが大事だと思っています。
また、印象に残っているのは「やっぱり学校とは違うなー」と感じたことです。
CAMPのワークショップでは、多様な学年が混ざり共同的に活動することで、表現に奥行きがともなっていることに気づきました。これはすばらしいことです。さらに広げて、こどもたちといっしょに親御さんが参加するプログラムをつくってみることも面白いと思います。お父さんやお母さんも一緒になって、真剣に表現することをやってみる。そうすることで、そこに表現の社会が生まれることを期待できるはずです。
今回、体験させていただいた多世代の表現活動は、未来のデザインを学ぶための大事なかたちだと感じています。それは、いろんな専門性をもった人たちの恊働と、それらが社会と連携する可能性がそこに生まれるからです。10年後、今回の参加者に10歳ずつ足してみました。彼らは大学生や大学院生、あるいは社会人。コンピューターが得意な人もいれば、表現することが得意な人もいる。学び合える仲間がいる。CAMPの大空間は、そんな大人たちの学び合いの場になる可能性も秘めているなと思っています。
須永 剛司(すなが たけし)
多摩美術大学・教授(美術学部情報デザイン学科)
人間とコンピューターのやりとり、デジタルメディアを活用する人々の対話の設計など、インタラクションデザイン研究を展開。活動を基盤としたデザインとその社会実装を実践している。
第87回目
(2011年10月11日更新)
森 由美/SCSK株式会社 新規事業推進グループ CSR推進室長
日本のCSRは、社会貢献活動に偏りすぎていた反省から、最近は事業活動そのものを通じたCSR活動に舵を切る企業が増えてきました。
その矢先に起きた、3.11の東日本大震災、この未曾有の大災害を受けて、企業は惜しみない寄付やボランティア支援に動きました。
多くの人が遠くの途上国の問題だと感じていた戦災、貧困、難民問題に近い問題がこの国の中で起こったことに、多くの人が衝撃を受け、自らの価値観を考え直すきっかけとなりました。
1995年阪神淡路大震災の年が、日本におけるボランティア元年と呼ばれています。2011年は何元年と呼ばれる様になるでしょうか。
この歴史的な年に、CAMPは10周年を迎え、CSKは住商情報システムと統合してSCSK株式会社として新しいスタートを切りました。
新しいスタートの中で、これまで本当に多くの方々に支えられて進めてきたワークショップの開発・普及活動に加え、CAMPは次のステージに進みたいと考えています。
たとえば、CAMPの活動を通じて多くの方が感じている「こどもたちの無限の可能性」を、被災地の復興に繋げていくこと。
SCSKの経営理念「夢ある未来を、共に創る」を胸に、これまでのCAMPを超えるCAMPを多くの方々と一緒に創っていければと思います。
森 由美(もり ゆみ)
SCSK株式会社 新規事業推進グループ CSR推進室長
SEとして入社後、人事で社員育成やダイバシティ推進を経験し、2011年4月より現職。宮城県仙台市出身。
第86回目
(2011年08月30日更新)
長野 美和紀/株式会社CSK 西日本事業本部
「素晴らしき哉 CSK西日本地区 CAMPボランティアチーム!」
6月度と7月度でそれぞれ一回ずつ、CSK西日本地区として初めてのボランティアチームによるCAMPワークショップイベントを、大阪府教育委員会様との共催で、無事開催することができました!
思えば、CAMPワークショップの楽しさをもっと広めていこう!という目的でCSK西日本事業本部/管理部でボランティア事務局担当を任命されたのは昨年の夏。
一からのスタートなので、ボランティアのメンバー集めから始まり、イベントの企画や準備はもちろん、CAMPの専任スタッフもいない自分たちだけでのファシリテーションも初めてと、初めてづくしで最初はどうなることかと思いましたが、たくさんの方のご協力を得てこどもたちにも喜んでもらえるワークショップになったのではないかと自己満足しております。
我がボランティアチームの合言葉は「ありがとう」です。開催にあたりご尽力いただいた関係者すべての方に感謝、力を合わせて一緒にワークショップをつくり上げたメンバーに感謝、CAMPの素晴らしさを改めて再認識させてくれたこどもたちに感謝・・・。
今回のイベントは、みんなが感謝の気持ちでお互いを思いやることで生まれる好循環で、全てのことが上手く運んでいったように思います。
これからもずっとこの気持ちを大切にしたいです。
※江本 勝著『水は答えを知っている』によると、「ありがとう」と書いた紙を貼って、凍らせたペットボトルの水は綺麗な結晶となり、同様にして「ばかやろう」と書いた紙を貼った水は結晶が濁りぐちゃぐちゃになるそうです。
人間の体内の60%は水分でできているといいます。日々「ありがとう」と感謝の気持ちを忘れないでいると、体内に流れる水分がサラサラでキレイになり、心と体の健康に一石二鳥ですね。
長野 美和紀(ながの みわき)
株式会社CSK 西日本事業本部 管理部 事業推進課
役員秘書業務および社会貢献推進業務担当
…………………………………………………………………………………………
秘書業務ではVIPのエライ方々お相手に背伸びしながら緊張してお仕事し、
CAMPボランティアではチームメンバーと一緒に汗だくで裏方作業、ワーク
ショップファシリテーターではこどもたちの目線にあわせるよう心がけ・・・、
VIPからこどもまで、我ながら守備範囲が広いなぁと思います(笑)
この柔軟性(?)を活かして、これからも日々業務に邁進して参ります!!
第85回目
(2011年06月09日更新)
二唐 義夫/日本宇宙少年団《YAC(ヤック)》大和まほろば分団
「CAMP大川センターとの出会いとこどもたち」
日本宇宙少年団《YAC(ヤック)》大和まほろば分団は平成14年(2002年)1月23日に毛利衛宇宙飛行士立会いのもとで結団式を行った全国で114番目、奈良県最初のYAC分団です。現在団員14名(小学2年生から高校3年生迄の異年齢集団です)、登録指導者11名(ほとんどが仕事を持っている現役の社会人ボランティア)ですが、十二分な準備ができない中、実質5名の指導者がそれぞれ自主的、自立的に役割を引き受け且つ阿吽の呼吸でこどもたちのために微力を尽くしています。
さて「こどもたちを待っている」素敵な施設、設備、さらに玄関前で北川センター長はじめスタッフの皆さんのにこやかな出迎えに感激した8年前のCAMP大川センターとの出会いは鮮烈でした。「CAMPクリケットワークショップ」の最初のテーマは「動く人形つくり」でした。三方が天井までの大きなガラス張りの室内は明るく、ガラス越しの桜木の庭園も落ち着いた雰囲気で緑が水面にこぼれる中、パソコンが置かれたしゃれたテーブルや椅子、300種類の素材、よく整理・整備された工具類、のり、セロテープ等々を使う「動く人形つくり」は時間の経過を忘れる活動でした。以降、「宇宙で使う道具つくり」や「身体の動きつくり」等々、準備・本番・反省会を含め大いに楽しくにぎやかで保護者の関心も高い、非常にユニークなCAMPの活動を続けさせて頂いています。これからも毎年1度は、必ずこどもたちに体験させたいワークショップです。
私見ですが、CAMPでの活動のみならず、会社でも学校でもボランティア活動でも「こどもたちの成長(会社の発展)×指導者の成長(社員の発展)=成果」と考えています。こどもたちの成長が10で指導者の成長が5では成果は50です。
一方こどもたちの成長が3で指導者の成長が10(指導者の独りよがり)では成果は30です。CAMPの活動はいつも「10×10=100」になっているようで、こどもたちや指導者にとってすばらしい学びの場所になっています。
成果には努力指標(例えば一生懸命にやりました)と結果指標(例えば利益**億円)がありますが、社会教育活動といえどもこの2つの指標を掲げ、コストパフォーマンスも加味した活動を心掛けたいと思っています。
さてさて、活動におけるこどもたちの反応は、いつも「こうなるだろう」と云う私の予測はことごとく外れ、想像できない、考えられない展開とすばらしい結果にいつも驚いています。こどもたちの作品は完成、未完成にかかわらずいつも120点で「こどもたちはすごい」、どこでどんな勉強をしているのだろうと首を傾げます。約4時間の活動でこどもたちは「働くこと」(つくる楽しさ、難しさ、失敗そして工夫)を、さらに「働く仲間と組織」(一緒に働く仲間とスタッフそして施設や設備の活用)から芋ずる式にたくさんのことを多面的に学んでいます。準備・運営・後片付け等々の見えない裏方の苦労はまだまだわかりませんが、やがて気が付きさらに飛躍するでしょう。
CAMPはこれからも時代の要請を先取りし、わき見をすることなくCAMP(Children’sArt Museum & Park)の名の通りの活動をひたすらめざして欲しいと願っています。末筆になりましたが、北川センター長さんそしてスタッフの皆さんのご健闘とご発展を心より祈念申し上げます。「集まってくるこどもたち」、「待っているこどもたち」、「未来を担うこどもたち!!」の為に今後ともご指導、ご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。
二唐 義夫(にがら よしお)
昭和15年大阪市生まれ、大阪府立大学工業短期大学部卒。(株)クボタで設計・研究開発・生産技術等を歴任。クボタメンブレン(株)初代代表取締役。日本宇宙少年団《YAC(ヤック)》大和まほろば分団初代分団長。
第84回目
(2011年04月11日更新)
愛川 正己/株式会社CSK中部事業本部産業システム事業部勤務
今回の震災で被災された方に、心からのお見舞いを申し上げます。
行きつけの店のマスタが「東北に行き被災者の為の活動に参加するから、4月は店を閉める」と告げた。聞くと地震が発生したその日から居ても立ってもいられなかったらしい。その店のバイトのお姉さんは「現地の状況と自分のスキルがマッチするか良く調べてから行動しなよ、と言ったんだけどね」と小生にこぼした。でも「何かをしたい」という情熱は、二人とも同じぐらい持っていると感じた。
宮城県出身のお笑いコンビが同県出身のピン芸人と対談する番組を偶然観た。そのお笑いコンビは、地震発生の翌日に現地に駆けつけ3日間で避難所などを訪問してきたが「おれたちが今できることはゼロだったよ」と嘆いていた。自分たちが無力に思え、それが許せなかったのかもしれない。一方で「こどもたちは比較的元気でサインくれってせがまれたよ」と笑顔で言っていた。人気芸人だからこそできることなんだな、と感じた。
小生が勤務するCSK中部事業本部には「TeamCAMPs」というチームがある。CAMPワークショップの企画運営を中心に自発的な活動を行うボランティア集団である。このTeamCAMPsが、弊社他部署からの呼びかけに応じ、名古屋地区勤務社員を中心に支援物資(使い捨てカイロとカードゲーム)の提供を呼びかけた。短い期間であったにもかかわらず沢山集まった。呼びかけに応じてくれた方々に感謝するとともに、被災された方に「暖」と「笑顔」を少しでも生み出してくれれば、と願っている。
このように「ボランティア活動」について考える機会が非常に多かった1ヶ月間であった。ひとつ確信を持てたのは、震災復興の為の活動やCAMPワークショップに限らず「ボランティア活動」は多岐に渡り、その場面により自分のスキルや立場を生かせる機会は必ずある、ということだ。
「何かをしたい」という情熱さえ持ち続けていれば・・・
愛川 正己(あいかわ まさみ)
株式会社CSK中部事業本部産業システム事業部勤務。職業SE。来年50歳で意地をはってみても、近くの小さい文字が裸眼では読めないお年頃。中部地区でCAMPワークショップの企画・運営を中心に自発的な活動を行うTeamCAMPs事務局メンバー。そして、CAMPワークショップは「世界平和」をもたらすと信じる野心家。因みに長女は、CAMPキッズOGで、かつ、ファシリテータ経験者。おそらく中部地区で初めての両方経験者。
第83回目
(2011年02月09日更新)
小柳 和喜雄/奈良教育大学大学院教育学研究科教授
2009年の秋に東京大学の山内先生から誘われて、情報学環・福武ホールで行われていたCAMPのワークショップを見学しました。そこで行われていた丁寧な取組と目を見張る楽しそうな環境を見る中で、教師になる学生にとってこれは、とても貴重な学びになると考えさせられました。教育実習で、学生たちは、授業について学び、学級経営について学び、こどもたちの力を伸ばす取組を体験を通して学びます。しかしながら、このワークショップで行われていることは、教育実習ではなかなか学べない要素を多く持っていると思いました。
例えば、2つ取り上げてみます。1つ目は、授業は、その時間でこどもに獲得して欲しい内容が外から決められ(例えば2年生の2学期の算数で、こどもたちはかけ算が理解でき使えるようになる、など)、それに基づいて、1人ひとりが確実に内容を身に付けることに関心を向けた学習活動が計画されます。一方、CAMPのワークショップは、こどもたちが、ぺア活動で自分たちの内側にある発想やイメージを表現し、具体的な形にしていくことを願い、それに基づいて丁寧な準備と計画がなされます。どちらも限られた時間で効果的に進めていくために、その設計図として指導案やアジェンダをつくりますが、ねらいが異なるため、設計図のつくり方が違ってきます。つまり、授業は中目的の達成(内容の獲得など)から設計図をつくりますが、アジェンダは、外側の環境構成から、こどもが自己の思いを実現できるための設計図をつくります。
2つ目は、授業は指導が重要となります。こどもたちをまだ知らない内容の世界へ誘う役割を果たすこと、つまりその主要な役割として、教師1人でしっかりこどもに力を付けていく指導力が問われます。一方、CAMPのワークショップは、ファシリテーションが重要となります。チーフファシリテーターを中心に、フロアファシリテーターがチームを組み、辛抱強くこどもを見守り、もやもやしているモノを形にさせたり、わき上がってくる気持ちを表現させていくことに、チームとして関わります。1人のファシリテーターがずっとあるペアに付くスタイルとは異なります。
このように、教師として身に付けておいて欲しい、別の視点の教育力を付ける機会を、CAMPのワークショップは提供してくれています。この機会を教職科目として確かに位置づけられればと思う今日この頃です。
小柳 和喜雄(おやなぎ わきお)
1965年新潟県生まれ、広島大学大学院博士後期課程中退。広島大学助手、常磐大学専任講師を経て、現在、奈良教育大学大学院教育学研究科教授。
専門は教育方法・教育工学。現在は、教職大学院に勤務しているため、ストレート院生と現職院生とともに、幼小中連携教育の取組や学校の組織的な教育力をパワーアップしていく研修デザインなどに関心を持っている。
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ファシリテーターリレーコラム
CAMPで活動するファシリテーターが、ワークショップへの想いを語ります。
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第105回目
(2014年11月07日更新)
たまつ さとし
「たまちゃんってオカマなの?」
自己紹介の最中、どっ!と、笑いに包まれる会場。オカマ呼ばわりされたのは、人生初だった。
たまちゃんこと、わたくし「たまつ さとし」がCAMPファシリテーターとして参加するのは今回で3回目である。3回目とはいえ、まだまだ緊張する。一人目のこどもがCAMPの会場に入ってくる瞬間は特にそうだ。
背筋がぐっと伸びる。
じわっと手汗もかく。
そんな私をさしおいて、こどもたちは、こどもたち同士だけでなく、我々ファシリテーターにも、気兼ねなく絡んでくる。感じたことをそのまま伝えるし、わたしのこともオカマ呼ばわりする(私は生粋の男である)。
作品づくりでもそうだ。我々では想像もつかないものをこどもたちはつくりあげる。教えたことはすぐに実践し、使いこなしていく。そんなこどもたちの適応力、素直さ、元気。
大人になって、めっきり感じる機会が少なくなったものばかりだ。そんなこどもたちのファシリテーションは楽しいに決まってる。大人社会にはないものばかりを経験させてもらえるのだから。
たくさんの刺激に溢れている。
そんな風に私は思う。
第104回目
(2014年09月09日更新)
ひでさき みさと
今回SCSK中部オフィスにて開催した「CAMPクリケットワークショップ」にて、ファシリテーターデビューを果たしました。会社の研修などで参加者としてCAMPワークショップを経験したことはありましたが、実際こどもたちがCAMPワークショップを体験しているのを目にするのは初めてでした。
まず驚いたのは、こどもたちの打ち解けるスピードの速さとお互いの意見を聞き合える姿勢です。「初めは恥ずかしがっていたあの子は大丈夫かな?」なんて大人たちの心配なんてなんのその。2~3人で1組のグループ内ですぐに仲良くなって、意見を言い合って、聞き合って、1つの作品をつくり上げていく姿に、感心しっぱなしでした。
そして何よりも驚いたのは、こどもたちの目です。アイディアを形にするために、グループ内で相談し、工夫して制作しているこどもたちの目はキラキラと輝いていて、見ているこちらまで笑顔になってしまいました。また、「創る」ことの楽しさを思い出させてもらいました。
ワークショップが始まるまでは不安だらけでしたが、私自身学ぶことが多く、何よりも楽しませていただきました。今後もファシリテーターとしてこどもたちと楽しんでいけたらと思います!!
第103回目
(2014年07月09日更新)
たかはし よしのぶ
CAMPのファシリテーターになって足かけ3年。今年の1月には、ついにチーフ・ファシリテーターをさせていただきました。
CAMPを初めて見たときに「これはすごいプログラムだ!」と感じ、体験するとそのロジックにさらに驚きました。
CAMPのワークショップのプロセスである「考える」「つくる」「つながる」「発表する」「ふりかえる」とは、まさにわれわれ社会人が行う『PDCAサイクル(Plan・Do・Check・Act)』に似た世界がそこにあります。
CAMPでのこどもの自由な発想には毎回驚かされます。くじ引きで知らない同士がグループになり、お互いにどうコミュニケーションをとろうか?と悩みながらテーマに沿って協力していく。その中でつくりあげた作品をみんなの前で発表します。親御さんたちはハラハラドキドキでこの発表を見守っています。最初は知らない同士が帰るころにはすっかり打ち解けてともだち同士のようになっているのです。私はファシリテーターやっていてこの過程が一番好きです。
CAMPには対象の年代はありますが、各世代において楽しめるプログラムだと思います。こどもたちはもちろん、おとながやっても楽しいですし、親子、家族でやるのもいいかもしれませんね。また、おじいちゃん、おばあちゃんを対象にやるのもおもしろいかな?と思っています。
CAMPではきっと、普段見ることのできない『その人』の素晴らしさが見えてくる、と思います。
第102回目
(2014年05月08日更新)
おおた たかし
手が止まっているこどもたちにどのように声をかければいいのか。
ファシリテーターとして経験の浅い僕にとって、悩ましい問題だ。こどもたちの手が止まっている原因は様々だ。ただ考えているだけということもあれば、方向性は決まっているが方法がわからないということもある。何をすればいいのかわからず途方に暮れているということもある。ファシリテーターにはそんなこどもたちの状態を素早く把握し、適切なファシリテートを行うことが求められる。
しかし、これが難しい。たとえば、ただ考えている状態ならばむやみに声をかけてしまうのは逆効果だ。かえって集中力を削ぎかねないからだ。逆に何をすればいいのかわからない状態ならば、ファシリテーターからのサポートが必要になる。けれど、どちらの状態のときも、はたから見れば眉間にしわを寄せて一点を見つめているように見えるのだ。経験を積めばそうしたこどもたちの状態がすんなりわかるようになるのだが、新米ファシリテーターの僕にとってこれは大変な難問だ。少し離れたところからこどもたちの様子をうかがい、そのときの状態を推測してから声をかけるようにしているが、うまくいくときもあれば、うまくいかないときもある。
ワークショップの場ではこどもたちが悪戦苦闘しているように、実はそのとなりで、こんな感じにファシリテーターたちも悪戦苦闘している。だが、こどもたちが悪戦苦闘の果てに作品を完成させた瞬間、こどもたち以上に大喜びしているのは僕を含めたファシリテーターたちだったりする。僕はその瞬間にだけ味わえる特別な喜びがやめられなくてワークショップに毎回来てしまうのである。
第101回目
(2014年03月12日更新)
すみだ たけし
『それはあなたと同じもの』
「何が入ってるの?」
私の半分ほどの背丈しかない小さな小さな女の子が、私のお腹をポンポンとたたきながらたずねてきた。
小学校低学年を対象としたCAMPクリケットワークショップに参加した時のこと。貝殻や木の実、毛糸やボタンなど、身の回りに何気なく存在している、“素材”を前にして、こどもたちがワイワイと楽しそうにはしゃいでいる。大人の目には単なるガラクタにしか見えないものが、こどもたちの目には無限の可能性を秘めた宝物のように輝いて見えるのだろう。
実際、その宝物とこどもたちの豊かな発想力とが出会った時、いつも我々大人が驚くような作品が生み出される。そんなこどもたちのキラキラとした輝きを全身に浴びて、ワークショップが終わった後は、心地よい疲れと溢れるほどの充実感に満たされる。
「何が入ってるの?」とたずねる小さな女の子の目の高さに合わせるため、しゃがみこむ。すると女の子はヒソヒソ話を期待するかのように耳に手をあてて寄せてきた。
あぁ、この大きなお腹には、あなたの身体に詰まっているのと同じものが入ってるんだよ。女の子にだけ聞こえるように小さな声で応える。
「それはね。『夢と希望』」(笑)
小さな女の子は目をまん丸に見開いて「ほ~!」と驚いていた。
第100回目
(2014年01月14日更新)
くまた まこと
あの時のことは今でも鮮明に憶えています。計算されたファシリテーション手法に感心しきりだったCAMPファシリテーター研修の最後、ファシリテーター役とこども役に分かれてのロールプレイ。私の役割は甘えん坊のこども役でした。こどもになり切ってはしゃいでいるうちに、私の中で何かがはじけました。「うわあ。これ、めっちゃ楽しい!」
CAMPのワークショップは大人が参加しても十分楽しいのですが、こどもの視点から見るとまた違った世界が見えたりします。大人からすると「何でそんなことするの?」と思うようなことでも、こどもにはこどもの理屈があったりします。そんな当たり前のことにあらためて気づかせてくれたのが、CAMPファシリテーター研修でした。
それ以来、CAMPでこどもたちと接する時には、一旦こどもの視点に立って考えてみるようにしています。ところがどっこい、そんな付け焼刃のこども心なんか軽々超越してくるのが本物のこどもたち。毎回、「!」「?」「え゛」「ちょっっ」の連続で、終わる頃にはくったくた。でも、いつも笑顔のまま帰途につくのです。
毎度毎度の新鮮な驚きの連続に、心地よい疲労感。それを求めて、私はたぶん次もその次もCAMPファシリテーターに手をあげることでしょう。