メッセージ to CAMP for CAMP from CAMP
CAMPの活動に協力してくださる方や、スタッフ・関係者からのメッセージを紹介します。
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第106回目
(2014年11月08日更新)
芳岡 孝将/認定NPO法人カタリバ マネジャー
女川向学館では小学生1~5年生の14名の児童を対象に、CAMPクリケットワークショップを実施していただきました。
グローバリゼーションやIT化が進展するなかで、雇用環境も大きく変化しました。こども・若者が、生き抜くことさえ難しくなっていく。そんな未来も予想されるなか、彼らが生まれ育った環境によらず、それぞれの“無限の可能性”を開花させられる社会を実現するため、NPOカタリバが再定義した理念が「『生き抜く力』を、こども・若者へ」です。
クリケットワークショップで児童はプログラミングという触れたこともない課題に異学年のチームメイトと参加しましたが、楽しんで課題を克服していく姿でまさに『生き抜く力』を見せてくれました。また、普段の学習ではなかなか見ることのできない児童のリーダーシップや発想の豊かさという新たな一面をみることもできました。
そのすべてを支えているのはCAMPのプログラム、ファシリテーターの力です。ファシリテーターの方には児童の気持ちに沿った伴走をしていただき、児童は初対面にもかかわらずメリハリをつけた活動をすることができました。思わず「教育機関に携わっていらっしゃったのですか」と尋ねてしまうほど感動いたしました。
向学館で今後もこのようなプログラムを継続的に実施していくことで、こどもに生き抜く力を身につける機会をつくっていけたらと考えています。
認定NPO法人カタリバ マネジャー
2010年1月~2012年1月、青年海外協力隊で理数科教師としてモザンビーク共和
国の公立学校にて活動。帰国後2012年4月~現在、NPOカタリバ職員としてコラ
ボ・スクール女川向学館で生徒の指導に携わる
第105回目
(2014年10月08日更新)
山内 祐平/東京大学大学院情報学環准教授
世界的にこどもへのプログラミング教育が注目を集めています。イギリスやフィンランドでカリキュラムに取り入れられることになり、日本でも導入に向けた検討が進んでいます。この背景には、イノベーションにICTが欠かせなくなっている状況があります。新しいウェブサービスをつくろうとすれば、一定のプログラミング能力が必要になります。各国政府が政策レベルで力を入れるのは、当然のことでしょう。ただ、10歳のこどもたちが大学を卒業して起業するまでに12年かかります。動きが速い世の中で10年後のことを予測することは困難です。イノベーションが起こる領域も変化するでしょうし、技術は急速に簡易化・民主化するので、現在プログラミングするしかないものも、アプリケーションになっている可能性もあります。
一方、CAMPがクリケットワークショップで重視してきた「協調的問題解決」は、10年経っても古くならないものです。こどもたちはプログラミングを道具として使いながらも、それを他者との共同作業の中で問題解決に使うという成功体験を持つことができます。今後こどもたちへのプログラミング教育を考える時に、CAMPの実践はモデルを提示していると言ってもよいでしょう。
1967年愛媛県生まれ、大阪大学大学院博士後期課程中退。
大阪大学助手、茨城大学助教授を経て、
現在、東京大学大学院情報学環准教授。
専門は教育工学・学習環境デザイン論。
第104回目
(2014年08月08日更新)
齋藤 泰淳/SCSK株式会社 中部システム事業本部 車載システム第一部 第一開発課 課長
CAMP@キッズエンジニアに参加して
今夏にCAMPワークショップを開催したのは、お客様から「キッズエンジニアに、SCSKさんも参加しませんか?」というお話をいただいたのがきっかけでした。
『キッズエンジニア』とは、自動車メーカー、サプライヤが加盟する自動車技術会が主催し、次代を担うこどもたちに、ものづくりの楽しさや夢を持ってもらい、将来の技術者育成につながる機会として開催しているイベントです。
「こども向け=CAMP」という発想でCSR推進部の協力を得て、社内調整やファシリテーター募集など、いろいろなタスクの中で多くの方々に支援をいただき、実現に至りました。
私自身はファシリテーター研修は受けたものの、現場ではファシリテーターの役割ではなく、保護者や事務局、他社対応として、参加していました。なのに、目の前でこどもたちの悩んでいる姿を見ると、ついついテーブルに行って「どうしたの?」なんて声をかけていましたが、こどもたちからはどんどん素敵な発想が出てくるので、さらに別なテーブルに行っては、声をかけて、こどもの想像力はすごいなと痛感しました。今まで、CAMPの存在は知っていましたが、実際に少し触れるだけで、魅力を感じられました。
ただ、ファシリテーションは甘くない。参加してくれたファシリテーター個々人はとても頑張ってくれたのですが、チームとしては、次への課題も得られました。
来年も、同じチームで、再チャレンジを!と考えている今日この頃です。
SCSK株式会社 中部システム事業本部 車載システム第一部 第一開発課 課長。1997年入社。今年前厄です。東京採用→西日本配属→中部異動5年目になります。ETロボコンをはじめ、イベント事にちょいちょい参加してます。
第103回目
(2014年06月08日更新)
宮本 楽/小学4年生女子2人の父
初めてCAMPの様子を見せていただいたのは、2010年3月でした。仕事の関係でご紹介を受け、東京から京都・大川センターへ視察にうかがいました。それまで、CAMPのことは「体験学習?」くらいの認識でした。でも、実際に様子を見て、オドロキ!なんと言ってもこどもたちのキラキラした目。近過ぎず遠からずなスタッフの皆さんのこどもへのアプローチ。そして、初めて会ったおともだちとの共同作業による作品の完成。「うちの子もこれに参加させたい!」でもわが子は幼稚園児。あえなく断念し、1年間が過ぎるのを待ちました。
1年後、小学校へ入学して晴れて参加資格(年齢制限)を得て、わが子もCAMP生?に。そして、案の定、目をキラキラさせて参加。こんなにこどもたちをキラキラさせるのってなんだろう(家でモノをつくってるときより楽しそうだぞ・・・)。CAMPはさまざまな色や種類の材料がいっぱい。きっとその華やかさのせいかな。そんな風に思ったりしましたが、その後、継続して参加し、毎回こどもの様子を見ていて気づきました。材料じゃないと。
CAMPでは、出来上がった作品を持ち帰ることはできません。残念がりながら帰宅したわが子らは、なんと、帰宅後に家にある材料で作品を再現し、続きをつくり始めました。キラキラした目で。そうか、材料ではなく、そこへたどり着くまでのプロセスなんだな、と気づきました。
スタッフの方々を見ていると、ホントによくこどもたちに声をかけてくださっています。でも、お手伝いは最小限。だから、こどもは自ら考え、ペアのお友達と相談し、自らの力でできる手段を選び、共同してつくります。だから自分たちの作品。家だと、散らかされるし、時間がかかるし、しつこいし?で、ついつい手伝いが多くなり、気づけば作品は、made by 父。だから、CAMPのあの時間と空間はとても貴重です。そして、継続して参加している様子を見ていると、普段は気づかない成長した面を見ることもできます。
そんなCAMPに、これからも期待しています。
小学4年生女子2人の父
第102回目
(2014年04月08日更新)
山田 小百合/特定非営利活動法人Collable代表理事
3年前、大学院修士課程に入学し、その数カ月後にCAMPと出会いました。障がいのある子もない子も、楽しい活動や経験を通せば、「障がい」がその場からなくなる。そんなことを信じて研究をしていた私は、CAMPワークショップに包摂された学びの可能性を感じたことを鮮明に覚えています。実際、ワークショップには、活動への興味があればどんなこどもたちが来てもよいはずです。時には「おや?」と気になる子がいたりもします。それでもワークショップを終える時には、どんなこどもたちも充実した顔つきで帰っていくのです。
修士2年生になる時には、まさかCAMPのプログラムをお借りして、自分がCAMPのワークショップを行い、修士論文を書くことになろうとは予想していませんでした。気づけば修士の2年間はCAMPなしでは語れない2年間になっていたのです。大学院修士課程を修了してすぐ、NPO法人を設立する道を選んだ私ですが、もっとCAMPのみなさんと挑戦したいことがたくさんあり、今でも一緒に勉強させていただき、喜びを共有していただきながら、活動させていただいています。
つい先日、CAMPのみなさんと「ピッケ」の朝倉民枝さんとの念願のコラボレーションが実現した「ピッケのつくるえほんワークショップ」を終えました。ワークショップが終わって数日後、みなさんと振り返りをしていても笑いが尽きず、あっという間に時間が過ぎていきました。こんな人たちがワークショップするんだから、こどもたちもいい顔で帰るし、またワークショップに来るわけだよなぁ。こどもたちはもしかしたら、ファシリテーターに会い来ているのかもしれない。そんなCAMPのみなさんが本当に大好きです。
特定非営利活動法人Collable代表理事。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。障害の有無に関係なく包摂される学習環境のデザインをテーマに、ワークショップやインクルーシブデザインの企画を行っている。
第101回目
(2014年02月07日更新)
畑田 友美/東北福祉大学 総合マネジメント学部 森明人ゼミ2年
「しっぱいしたぁ!!」
私が今までCAMPのワークショップに参加して、一番印象に残っている言葉です。その子のちょっぴり悔しそうな、でもすごく楽しそうな笑顔を覚えています。
東北福祉大学森ゼミでは2013年度3つのCAMPワークショップを企画しており、昨年11月には本学でも開催しました。こどもたち自身が作品を一からつくり完成させる姿や、そのプロセスの中で発揮される「想像力」「創造力」に学生たちは驚かされてばかりいました。
私は昨年8月に、大川センターでインターンシップ研修をさせていただいたのですが、その時CAMPで体験したことは、大人の思う「むずかしくないか」とか「わからないだろう」と心配することにこそ、こどもたちが楽しさを感じ、無意識のうちに自ら学ぼうとする姿でした。また、ワークショップの事前準備の丁寧さやこどもたちに掛ける言葉一つひとつに感動しました。こどもたち同士が築いた空気感、彼らが夢中になり多くを発見できるその空間は、ファシリテーターによって守られているのだと感じました。
私たちは現在CAMPのみなさんをはじめ、多くの方々にご協力いただきながら、2、3月に残す2つのワークショップに向け、一から準備を進めています。最後までしっかりとやり遂げ、なによりこどもたち同様、私たちも楽しさの中から学んでいけたらと思います。
畑田 友美(はただ ゆみ)
東北福祉大学 総合マネジメント学部 森明人ゼミ2年
現在、宮城県でのCAMPワークショップ開催に向け、学生メンバーと共に奮闘中。
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ファシリテーターリレーコラム
CAMPで活動するファシリテーターが、ワークショップへの想いを語ります。
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第50回目
(2007年12月06日更新)
やまざき さほこ
12月になりました。
12月といえば、クリスマス、冬休み、お正月!
こどもの頃、この季節は、ワクワク感やドキドキ感にあわせてちょっと憂鬱な気分がありました。
お休み前の通信簿です。
怒られてばかりいたので、いつもかなりの覚悟で親に見せていたのを思い出します。
4年生か5年生のとき、また叱られちゃうと思いながら親に見せると、親から「XXはいつもどおりでいいね!次は、○○をがんばろうね!」と言われました。
いつもと違う反応に思わず「今日は怒らないの?」と聞くと、「これは、終わったことだから、今度がんばればいいの。」と言われました。
この季節、一年の締めくくりです。ワークショップでいうと発表の準備から、発表、リフレクション!1年間あったことを振りかえり、よかったことはよりよく、できなかったことはできるように、来年に活かしたいと思います。
第49回目
(2007年11月08日更新)
せきぐち いづみ
ちょっとがまん
初対面で話ができないこども達を見かけたとき。
アイディア作りに悩んでいるこどもの前を通りかかったとき。
作品をどう組み立てようか悩んでるこどもと接するとき。
「2人は何つくるか相談できた?」
「そろそろアイディア決まった?」
「どう? うまく作れてる?」
そんな言葉をかけてしまいたくなる自分がいます。
でも最近はがんばってちょっとがまん。
作品をくっつけようとしてがんばっているこどもを見ても、
ちょっとがまん。
素材の山を目の前にして立ち尽くしているこどもを見ても、
ちょとがまん。
声をかけずにいると。。。
その子達は周りを見渡してきちんと自分なりの解決策を見つけました。
「ちょっとがまん」することで、
もっと面白いこどもの表情を見れたりすることがあります。
「ちょっとがまん」することで、
とってもユニークなこどもの工夫が見れることがあります。
やたらと話しかけなくてもできるファシリテータションってあるのですね。
「なんとなくそばにいる」
「必要なときにそこにいる」
そんなファシリテータになれればいいなぁと最近思うようになりました。
せきぐち いづみ (ばとんは やまざき さほこさんへ)
第48回目
(2007年10月09日更新)
あいかわ まさみ
「子育て」と「ワークショップでのファシリテーション」
先日、来春高校を卒業する(予定)の娘に誉められた。曰く「友達の親は友達の行動にあれやこれやと口を出すが、親父(オヤジ)は口出しはおろか『答え』すら教えてくれなかった。しんどい思いを何度もしたが、自分で考える癖がつき、自分の事は自分で決められるようになった。感謝し尊敬する。」と。
照れくさい。
我が家は、父一人娘一人の「父子家庭」である。彼女と親(つまり小生)の会話時間は、おそらく平均な家庭の半分以下である。しかし、小生は時間が無かったから「口出しはおろか『答え』すら教えなかった。」わけではない。
一般的に親はこどもより長生きできない。小生と娘も例外ではない。ならば彼女には、親から『答え』をもらう習慣より、自分で『答え』を見つけ出す習慣を身につけさせたい。
この(ささやかな)信念に基づいて、小生はこれまで彼女と接してきた。
時に小生の理解を超えた行動を彼女はする。小生が立腹することや困惑することも、しばしば言い放つ。しかし小生は、そういった部分も込みで、彼女が努力して自分で見つけ出した『答え』を尊重し、これからも親としての責任を持って見守っていくつもりである。
あれれ?「自分で見つける」?「尊重」?「見守る」?
なーんだ「子育て」って「ワークショップでのファシリテーション」そのものじゃん。
いやいや、「ワークショップでのファシリテーション」が「子育て」そのものなのかも。
あいかわ まさみ (バトンは せきぐち いづみさん へ)
第47回目
(2007年09月07日更新)
もり ひでき
ワークショップとファシリテーションを日々の生活へ。
ワークショップやそこに登場するファシリテーターは、何だか非日常的な存在。
非日常だからいいのかもしれないけど、せっかくなので、日常にも取り入れてみたい。最近そんなことばかり考えています。
ワークショップとファシリーテーションのある生活。
日々の生活のなかに。
仕事にも、仕事以外の生活にも。
もちろん家庭や地域でも。
例えば、たまたま出くわした近所のこどもたちと。
たまたまそこにあった素材で。葉っぱや虫、空き缶やゴミでも。
3分で。いや1分でも30秒でもいいかもしれません。
別に、何もつくらなくてもいいのかもしれません。
こんなこというと、ワークショップでもファシリテーションでも、何でもなくなってしまうかもしれませんが。
ちょっとした時に、その場でできること。
そんなことを思っているのですが、目下、一番難しいのは家庭のなか。
親子でできたらと思うのですが。。。
まだまだ試行錯誤と挑戦の日々が続きそうです。
第46回目
(2007年08月06日更新)
いしかわ たかこ
言葉にできないもの
私はここ数年、CAMPスタッフとしてファシリテーターをする傍ら、言葉で表現することがもうひとつの仕事でした。
でも不思議なことに、言葉で伝えようとすればするほど、言葉以外の存在が大きく見えるようになってきました。
例えばファシリテーター研修をするとき、私たちは必ず2人以上で行うことにしています。
それは説明する内容以上に、その場にCAMPのエネルギーを満たしたいから。
ファシリテーター同士はいつも交感しあっています。
見えないけど、聞こえないけど、確実に存在しているエネルギーの流れ。
それをその場にいる人たちにも、受信して交感してもらいたい。
おそらくそうやって受信したものは、私たちが言葉や映像で説明することよりも多くのことを、そして伝えたいことの真ん中に近いような気がします。
そしてそして、それはたくさんの時間が経過しても、たとえ遠く離れても、消えることなく心に残っていくものではないかと思っています。
私が初めて大川センターを訪れた時に受信して心を満たしたエネルギは、今もしっかりと私の中に残っていますから。
いしかわたかこ (バトンは もりひできさん へ)
第45回目
(2007年07月17日更新)
ふるや かずひろ
2007年5月。
東京・秋葉原のCAMPワークショップで出会ったもの。
1.開場してから最後まで、ひたすら元気一杯にしゃべる子。
2.自己紹介の時にはモジモジしていたけど、パートナーと笑顔で作品作りし
ていた子。
3.最初はパートナーと話せてなかったけど、帰り際には連絡先交換をするく
らい仲良くなっていた子。
4.斬新なアイデアがつまった作品。
5.なんともいえない奇抜な色使いの作品。
6.こども達の作品を、真剣に見つめるご家族の方。
7.ファシリテーションに情熱を持って取り組むCAMPスタッフ。
8.CAMP以外のワークショップにも参加する、百戦錬磨のボランティア
スタッフの方。
9.ワークショップが終わった後でも、今日のファシリテーションについて
考えていた、感性鋭い大学生ボランティア。
10.CAMPに協力してくれている、産学連携研究機関の会場責任者。
大学生の頃の夢は、「未来のこどもの為に"優しいIT社会"をつくること」。
CAMPの活動に夢の可能性を感じ、CSKに入社しました。
そして、入社して1年。
今は、「あらゆる利用者に優しいシステム作り」を目指しています。
CAMPワークショップ参加は、夢への第一歩を刻んだ記念日。
もっと沢山のファシリテーターに、もっと沢山のこどもたちに、
もっと沢山のドキドキ・わくわくのドラマに、出会いたいです。
夢の更なる前進を目指して。
ふるやかずひろ (バトンは いしかわたかこ さんへ)
第44回目
(2007年06月11日更新)
ないき あさこ
小学校の教室の、後ろの壁の掲示物。
将来の夢はなんですか?
「野球選手」「お花屋さん」「パイロット」「お嫁さん」・・・・・
そんな中に、将来の夢は「ロボット博士」という言葉を見つけました。
じつは、この小学校ではCAMPとの共同研究でクリケットを使ったロボットの授業を行っているんです。
もしかして、授業で体験して楽しかったからなのかな?なんて考えるとちょっと嬉しくなります。
私の小学生のころの夢は「パン屋さん」だった気がします。ワークショップやファシリテーターなんて言葉はもちろん知ってるはずもなく、まさか自分が十数年後にこんな仕事をしているなんて想像もできませんでした。
そっか、将来の夢って、自分が知ってる世界からしか出てこないのか。
CAMPには、いろいろなテーマのワークショップがあります。写真や服、研究に発明などなど・・・。もしかすると、こどもたちの世界が少しだけ広がる瞬間に自分も居合わせているのかも。
そう思うと嬉しくてドキドキしちゃう反面、責任の重大さも感じます。
「楽しい!もっとやってみたい!」
の声が次のワークショップでもたくさん聞こえるといいな。
ないきあさこ (バトンは ふるやかずひろ さんへ)
第43回目
(2007年05月07日更新)
まつもと りょうこ
香港と日本のこどもたち合同のクリケットワークショップが行われました。
5日間のスタディツアーで日本に訪れていた香港のこどもたち、その5日間のコースの中で、日本のこども達と触れ合える機会はCAMPのワークショップだけ、と聞いていたので、その期待に応えようと大川センタースタッフ全員で準備をしました。
でも、言葉のつうじないこども達どうし、どんなふうに作品づくりを進めていくのかな?
当日までそんな不安を抱えていましたが、その不安はワークショップが始まるとすぐに消えていきました。こどもたちはジェスチャーや、視線、顔の表情、
そして「絵を描いて伝える」という方法で、柔軟にコミュニケーションをはかっていったのです。
ものづくりという過程でおこるコミュニケーションの多様さに本当に驚きました。重いものを一緒に運んだり、抑えるところを抑えてあげたり、コンピュータ画面を一緒に見つめたり、同じキーボード上で操作を教え合っていたかと思うと鉛筆に持ち替えてスケッチを始めたり、、、ワークショップが進むに連れて作品が目に見えて仕上がってくると、こどもたちもゴールが見えて完成までまっしぐら!そこにはもう言葉は必要ありませんでした。せっせせっせと協同でつくりあげる姿からは、もう誰が香港人で日本人やらわからない(!)。
極めつけはスタッフに聞いてくる内容。
「ねぇねぇ、“かっこよくなってよかった”ってなんて言うの?」
「“ありがとう”、って言いたいんだけど、どう言うの?」
普段のワークショップでは何気なく言っている言葉も、こうしてあらためて聞くと心に響きました。
日本、香港での合同作品となったクリケットの作品はどれもこれも素敵なものばかり。
一緒にものをつくるという体験を通して、一気に距離を縮めたこどもたち。これからも、こんな異文化のこども達で行うワークショップがあったらいいなと考えるとワクワクしてきます。
まつもとりょうこ(バトンは ないきあさこ さんへ)
第42回目
(2007年04月06日更新)
だいさく みつこ
「あれから、もうすぐ2年経つのかぁ~」としみじみ。
2005年の夏、CAMPとの出会いは私にとって衝撃的なものだったなぁ。
大学院の授業がきっかけで、秋葉原ダイビルでのクリケット・ワークショップを見に行った。学校外でのこどもたちの遊びの場、発見の場、想像し創造する場を求めていた私にとって、CAMPのワークショップは「これだよ!」と感じさせてくれる魅力でいっぱいだった。
そして今、私は大学院で「図書館」とりわけ学校図書館を対象とした研究に取り組んでいる。
図書館情報学の先進国である米国の学校図書館では、さまざまな「メディア・プログラム」が展開されている。図書館は本の貸出しだけではなく、様々なメディアを活用して情報リテラシーを身につけることを目的としたメディア・プログラムを行っているのだ。
この3月に、イチローの所属するマリナーズの本拠地であるシアトルの学校図書館(小・中・高校)と公共図書館を視察した。(シアトルはビル・ゲイツの故郷のため、とりわけ公共図書館にマイクロソフトが莫大な寄付をしていて、中央図書館は驚くほどとても立派。)
実際に現場の様子を見ると、それらのプログラムは柔軟に行われていて、こどもたちが「考える」「体験する」「表現する」などの契機を提供することを大
切にして行われているように感じた。
CAMPが開発・普及・実践しているような体系立てられたワークショップとは少し違うのだけど、図書資料だけでなく粘土やらパズルなどを用いた幼児向けの活動(公共図書館)や代本板(自分が閲覧するため抜き取った本のところに差し入れておくもの。→元のところに本を返すことができる)を、色鉛筆などを使ってこどもたち自身が創作する活動なども行われていた(学校図書館)。
これらの経験も踏まえて、今後はぜひ図書館での「ワークショップ」を開発・実践できたらいいなぁと強く思っている。
また米国の事例では地元のNGOや美術館と連携して、こうしたプログラムも展開されているしなぁ。
ここはひとつ、ぜひCAMPのお力を貸して頂き、筑波大の図書館を勉強している私たちと一緒に!図書館ならではのワークショップのプログラムを創りあげられたら嬉しいな。
だって、図書館はメディアに含まれるいろーんな知識・世界と現実とをつなげてあげることだと思うから。そのためには、図書だけに限らずいろいろな素材を活用していいだろう。利用者の年代の興味・関心にあった題材を考慮して、CAMPのノウハウを学びながら議論して・・それだけ考えてもわくわくする!
何よりもこどもたちが不思議にぶつかったり、新たに発見したり、キラキラ☆する姿に会えることを大切に想いながら・・・。
だいさくみつこ(バトンは まつもとりょうこ さんへ)
第41回目
(2007年03月05日更新)
たけまつ しんいち
ファシリテーターとしてCAMPに参加するようになってから3ヶ月。
月に一度、こどもたちの笑顔を見る為に大川センターに通っています。
最初のきっかけは、クリケットのプログラムに興味をもったから。
プログラムは自分自身、仕事でも作っていたので「どんなもんだろう?」から入りました。
そして次に興味を持ったのは、「このクリケットを使ってこどもたちはどんなプログラムを作成するのだろう?」でした。まだまだ、興味の対象は、プログラムです。
それが、初ファシリテーターを体験した後は、興味の対象が変わりました。
「どんなこどもたちが参加するのだろう?どんなドラマがあるんだろう?」
こどもたちが作るプログラムは独創的で見ていて面白い。でも、それを作っているこどもたちは、もっと面白い!
興味の対象がプログラムからこどもたちへ移ってきました。ここからCAMPファシリテーターの面白みが沸いてきました。
こどもたちの可能性をいかに引き出せるか?これはファシリテーターの力量に左右される所があります。これって実は会社生活において、部下の能力を引き出す上司に必須のスキル(コーチングスキル)だったりします。
またワークショップでは、こどもたちにわかるようにクリケットやその他ツールの説明を行います。会社生活でも人に何かを説明する(プレゼンスキル)場面は多々あります。
他にも、こどもたちから話を聞いたり(傾聴スキル)、事前に危険な場所や物を考えたり(リスク対策)等々。
あげればきりがないですが、CAMPでのファシリテーターは自分にとって【こどもたちの最高の笑顔に癒されるビジネススキルアップの場】です。
たけまつしんいち(バトンは だいさくみつこ さんへ)
第40回目
(2007年02月06日更新)
くさかなつこ
ワークショップのにおい
ワークショップの朝、
透明なガラスの自動ドアが開いて
大川センターに入ると
ワークショップのにおいがします。
「あっ、このにおい!」
そう思って、深呼吸すると
ワークショップモードにスイッチが入ります。
「今日は、きっと何かおもしろいことがおこる!」
そんな予感で、元気がわいてきます。
あの長い廊下を急ぎ足でやってくるこどもたちも
このにおいに、気がついているでしょうか?
それとも知らないうちに、
このにおいを胸いっぱいすいこんでくるから
あんなにわくわくした顔でやってくるのでしょうか?
今度、聞いてみたいと思います。
まだ、大川センターに来たことのないあなたも
ぜひ一度いらしてください。
そして、ワークショップのにおいを
胸いっぱいすいこんでいただきたいと思います。
くさかなつこ(バトンは たけまつしんいち さんへ)
第39回目
(2007年01月05日更新)
コウタジュンコ
「誰かにはさみを渡すときは、こうやって、刃を逆に向けて渡すとか、そういったことを、こどもたちにちゃんと伝えたほうがいいよ」
CAMPがはじまって間もない頃、CAMPのプロデューサーに言われた言葉です。私は今でも、この言葉が胸に残っています。
はさみの刃を逆にするっていうことは、相手に対するちょっとした思いやり。その相手に対するちょっとした思いやりが、ワークショップの中でとっても重要な気がしたのです。
それは、もちろんファシリテーターにも言えること。
ファシリテーターの基本は、相手に対する思いやりなんじゃないかな?って思います。相手のことを考えて、そして行動する(時には行動しないでガマンする)。
そんな基本的なことですが、これがなかなか難しい。考え違いだったり・・考えすぎてしまったり、タイミングを間違えたり・・・。
でも、それでもいい。
相手のことを思いやる姿勢が大切なんだと思うのです。
私は昨年10月でCAMPのファシリテーターを卒業しました。およそ6年でしたが、「ファシリテーター」からは程遠く、ずっと「見習いファシリテーター」から昇進できていなかったように思います。
CAMPワークショップから離れてみて思ったことがあります。「ファシリテーターの姿勢は、いつでも、どこでも生かせるんだ」ということ。家族に、友達に、身近にいる人たちに・・・。
これからも「見習いファシリテーター」の勉強は続きます。
コウタジュンコ(バトンは くさかなつこさんへ)