メッセージ to CAMP for CAMP from CAMP
CAMPの活動に協力してくださる方や、スタッフ・関係者からのメッセージを紹介します。
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第106回目
(2014年11月08日更新)
芳岡 孝将/認定NPO法人カタリバ マネジャー
女川向学館では小学生1~5年生の14名の児童を対象に、CAMPクリケットワークショップを実施していただきました。
グローバリゼーションやIT化が進展するなかで、雇用環境も大きく変化しました。こども・若者が、生き抜くことさえ難しくなっていく。そんな未来も予想されるなか、彼らが生まれ育った環境によらず、それぞれの“無限の可能性”を開花させられる社会を実現するため、NPOカタリバが再定義した理念が「『生き抜く力』を、こども・若者へ」です。
クリケットワークショップで児童はプログラミングという触れたこともない課題に異学年のチームメイトと参加しましたが、楽しんで課題を克服していく姿でまさに『生き抜く力』を見せてくれました。また、普段の学習ではなかなか見ることのできない児童のリーダーシップや発想の豊かさという新たな一面をみることもできました。
そのすべてを支えているのはCAMPのプログラム、ファシリテーターの力です。ファシリテーターの方には児童の気持ちに沿った伴走をしていただき、児童は初対面にもかかわらずメリハリをつけた活動をすることができました。思わず「教育機関に携わっていらっしゃったのですか」と尋ねてしまうほど感動いたしました。
向学館で今後もこのようなプログラムを継続的に実施していくことで、こどもに生き抜く力を身につける機会をつくっていけたらと考えています。
認定NPO法人カタリバ マネジャー
2010年1月~2012年1月、青年海外協力隊で理数科教師としてモザンビーク共和
国の公立学校にて活動。帰国後2012年4月~現在、NPOカタリバ職員としてコラ
ボ・スクール女川向学館で生徒の指導に携わる
第105回目
(2014年10月08日更新)
山内 祐平/東京大学大学院情報学環准教授
世界的にこどもへのプログラミング教育が注目を集めています。イギリスやフィンランドでカリキュラムに取り入れられることになり、日本でも導入に向けた検討が進んでいます。この背景には、イノベーションにICTが欠かせなくなっている状況があります。新しいウェブサービスをつくろうとすれば、一定のプログラミング能力が必要になります。各国政府が政策レベルで力を入れるのは、当然のことでしょう。ただ、10歳のこどもたちが大学を卒業して起業するまでに12年かかります。動きが速い世の中で10年後のことを予測することは困難です。イノベーションが起こる領域も変化するでしょうし、技術は急速に簡易化・民主化するので、現在プログラミングするしかないものも、アプリケーションになっている可能性もあります。
一方、CAMPがクリケットワークショップで重視してきた「協調的問題解決」は、10年経っても古くならないものです。こどもたちはプログラミングを道具として使いながらも、それを他者との共同作業の中で問題解決に使うという成功体験を持つことができます。今後こどもたちへのプログラミング教育を考える時に、CAMPの実践はモデルを提示していると言ってもよいでしょう。
1967年愛媛県生まれ、大阪大学大学院博士後期課程中退。
大阪大学助手、茨城大学助教授を経て、
現在、東京大学大学院情報学環准教授。
専門は教育工学・学習環境デザイン論。
第104回目
(2014年08月08日更新)
齋藤 泰淳/SCSK株式会社 中部システム事業本部 車載システム第一部 第一開発課 課長
CAMP@キッズエンジニアに参加して
今夏にCAMPワークショップを開催したのは、お客様から「キッズエンジニアに、SCSKさんも参加しませんか?」というお話をいただいたのがきっかけでした。
『キッズエンジニア』とは、自動車メーカー、サプライヤが加盟する自動車技術会が主催し、次代を担うこどもたちに、ものづくりの楽しさや夢を持ってもらい、将来の技術者育成につながる機会として開催しているイベントです。
「こども向け=CAMP」という発想でCSR推進部の協力を得て、社内調整やファシリテーター募集など、いろいろなタスクの中で多くの方々に支援をいただき、実現に至りました。
私自身はファシリテーター研修は受けたものの、現場ではファシリテーターの役割ではなく、保護者や事務局、他社対応として、参加していました。なのに、目の前でこどもたちの悩んでいる姿を見ると、ついついテーブルに行って「どうしたの?」なんて声をかけていましたが、こどもたちからはどんどん素敵な発想が出てくるので、さらに別なテーブルに行っては、声をかけて、こどもの想像力はすごいなと痛感しました。今まで、CAMPの存在は知っていましたが、実際に少し触れるだけで、魅力を感じられました。
ただ、ファシリテーションは甘くない。参加してくれたファシリテーター個々人はとても頑張ってくれたのですが、チームとしては、次への課題も得られました。
来年も、同じチームで、再チャレンジを!と考えている今日この頃です。
SCSK株式会社 中部システム事業本部 車載システム第一部 第一開発課 課長。1997年入社。今年前厄です。東京採用→西日本配属→中部異動5年目になります。ETロボコンをはじめ、イベント事にちょいちょい参加してます。
第103回目
(2014年06月08日更新)
宮本 楽/小学4年生女子2人の父
初めてCAMPの様子を見せていただいたのは、2010年3月でした。仕事の関係でご紹介を受け、東京から京都・大川センターへ視察にうかがいました。それまで、CAMPのことは「体験学習?」くらいの認識でした。でも、実際に様子を見て、オドロキ!なんと言ってもこどもたちのキラキラした目。近過ぎず遠からずなスタッフの皆さんのこどもへのアプローチ。そして、初めて会ったおともだちとの共同作業による作品の完成。「うちの子もこれに参加させたい!」でもわが子は幼稚園児。あえなく断念し、1年間が過ぎるのを待ちました。
1年後、小学校へ入学して晴れて参加資格(年齢制限)を得て、わが子もCAMP生?に。そして、案の定、目をキラキラさせて参加。こんなにこどもたちをキラキラさせるのってなんだろう(家でモノをつくってるときより楽しそうだぞ・・・)。CAMPはさまざまな色や種類の材料がいっぱい。きっとその華やかさのせいかな。そんな風に思ったりしましたが、その後、継続して参加し、毎回こどもの様子を見ていて気づきました。材料じゃないと。
CAMPでは、出来上がった作品を持ち帰ることはできません。残念がりながら帰宅したわが子らは、なんと、帰宅後に家にある材料で作品を再現し、続きをつくり始めました。キラキラした目で。そうか、材料ではなく、そこへたどり着くまでのプロセスなんだな、と気づきました。
スタッフの方々を見ていると、ホントによくこどもたちに声をかけてくださっています。でも、お手伝いは最小限。だから、こどもは自ら考え、ペアのお友達と相談し、自らの力でできる手段を選び、共同してつくります。だから自分たちの作品。家だと、散らかされるし、時間がかかるし、しつこいし?で、ついつい手伝いが多くなり、気づけば作品は、made by 父。だから、CAMPのあの時間と空間はとても貴重です。そして、継続して参加している様子を見ていると、普段は気づかない成長した面を見ることもできます。
そんなCAMPに、これからも期待しています。
小学4年生女子2人の父
第102回目
(2014年04月08日更新)
山田 小百合/特定非営利活動法人Collable代表理事
3年前、大学院修士課程に入学し、その数カ月後にCAMPと出会いました。障がいのある子もない子も、楽しい活動や経験を通せば、「障がい」がその場からなくなる。そんなことを信じて研究をしていた私は、CAMPワークショップに包摂された学びの可能性を感じたことを鮮明に覚えています。実際、ワークショップには、活動への興味があればどんなこどもたちが来てもよいはずです。時には「おや?」と気になる子がいたりもします。それでもワークショップを終える時には、どんなこどもたちも充実した顔つきで帰っていくのです。
修士2年生になる時には、まさかCAMPのプログラムをお借りして、自分がCAMPのワークショップを行い、修士論文を書くことになろうとは予想していませんでした。気づけば修士の2年間はCAMPなしでは語れない2年間になっていたのです。大学院修士課程を修了してすぐ、NPO法人を設立する道を選んだ私ですが、もっとCAMPのみなさんと挑戦したいことがたくさんあり、今でも一緒に勉強させていただき、喜びを共有していただきながら、活動させていただいています。
つい先日、CAMPのみなさんと「ピッケ」の朝倉民枝さんとの念願のコラボレーションが実現した「ピッケのつくるえほんワークショップ」を終えました。ワークショップが終わって数日後、みなさんと振り返りをしていても笑いが尽きず、あっという間に時間が過ぎていきました。こんな人たちがワークショップするんだから、こどもたちもいい顔で帰るし、またワークショップに来るわけだよなぁ。こどもたちはもしかしたら、ファシリテーターに会い来ているのかもしれない。そんなCAMPのみなさんが本当に大好きです。
特定非営利活動法人Collable代表理事。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。障害の有無に関係なく包摂される学習環境のデザインをテーマに、ワークショップやインクルーシブデザインの企画を行っている。
第101回目
(2014年02月07日更新)
畑田 友美/東北福祉大学 総合マネジメント学部 森明人ゼミ2年
「しっぱいしたぁ!!」
私が今までCAMPのワークショップに参加して、一番印象に残っている言葉です。その子のちょっぴり悔しそうな、でもすごく楽しそうな笑顔を覚えています。
東北福祉大学森ゼミでは2013年度3つのCAMPワークショップを企画しており、昨年11月には本学でも開催しました。こどもたち自身が作品を一からつくり完成させる姿や、そのプロセスの中で発揮される「想像力」「創造力」に学生たちは驚かされてばかりいました。
私は昨年8月に、大川センターでインターンシップ研修をさせていただいたのですが、その時CAMPで体験したことは、大人の思う「むずかしくないか」とか「わからないだろう」と心配することにこそ、こどもたちが楽しさを感じ、無意識のうちに自ら学ぼうとする姿でした。また、ワークショップの事前準備の丁寧さやこどもたちに掛ける言葉一つひとつに感動しました。こどもたち同士が築いた空気感、彼らが夢中になり多くを発見できるその空間は、ファシリテーターによって守られているのだと感じました。
私たちは現在CAMPのみなさんをはじめ、多くの方々にご協力いただきながら、2、3月に残す2つのワークショップに向け、一から準備を進めています。最後までしっかりとやり遂げ、なによりこどもたち同様、私たちも楽しさの中から学んでいけたらと思います。
畑田 友美(はただ ゆみ)
東北福祉大学 総合マネジメント学部 森明人ゼミ2年
現在、宮城県でのCAMPワークショップ開催に向け、学生メンバーと共に奮闘中。
2013年
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ファシリテーターリレーコラム
CAMPで活動するファシリテーターが、ワークショップへの想いを語ります。
2020年
第136回目
(2020年01月16日更新)
みそのお かおる
CAMPのワークショップファシリテーターをさせていただいてから一年以上になります。スタジオに入るとすぐにワクワクする宝物のような沢山の素材に出会えます。
こどもたちが来ると早速ワークショップのはじまり。自分の関わりによって、「こうしたい!」という表現に出会えた瞬間のこどもの目の輝き、たくさんの無限の尽きることのないイメージに出会えたとき、満足いく作品がつくれたときのこどもたちの輝きはとてもきれいで宝物みたいです。
一生懸命つくりたい、こうしたいという思いを少しでもサポートしていきながら、最終的にこどもたち一人一人の作品が仕上がります。
どのこどもの作品も本当に面白くてストーリーがあって、素晴らしくて最後に作品を見ることが大好きです。CAMPはこどもたち同士でチームになり、こどもたち同士でコミュニケーションをして一つの作品をつくり上げていくので、主張しあってケンカになったりゆずったり…
そんなシーンが結構みられるのですが、最終的にどの子も満足いくようにファシリテーターが見守り関わっています。自分にわからないこと、できていないことがあれば他のファシリテーターの方が教えてくれるし、自分から積極的に聴きに行っても回答してくれる環境です。
とても安心できる愛に包まれた環境の中、ファシリテーターとしてこどもとどう関わっていきたいかを考えられ、また自分自身が成長できる環境です。ボランティアでここまでしっかり色々サポートしてくれる場所はあまりないと思います。迷っているようでしたら是非経験してみて下さい。素晴らしい場に出会えます!