ファシリテーターの声
こどもたちの成長や安全性などに配慮した製品や活動を表彰する「キッズデザイン賞」で、昨年の第1回受賞に続きCAMPは「コミュニケーション・デザイン部門」において2つのワークショッププログラムが受賞しました。グループワーク中心のCAMPのワークショップでは、こども同士のコミュニケーションが欠かせません。キッズデザイン賞の受賞作品を展示するキッズデザイン博2008で行われた「CAMPくうそう・しょくぶつ・図鑑ワークショップ」でも、こどもたちが話し合いながら、空想の植物をつくりあげていました。
ワークショップの様子
トゲのあるもの、丸いもの、キラキラしたもの……、見たこともないような植物のタネがグループに手渡されました。このタネを植木鉢に植えたら、どんな花が咲くのでしょうか。じっくりタネを観察して、想像を膨らませたら、その花をつくっていきます。
積極的にアイディアを出し合うこどももいれば、なかなか上手にできなくてむずかしい顔のこどもも。それでもメンバーと協力しながらつくりあげた花は、レインボーの花びらを持つ花や、貝殻の花、鳥を食べる花など、どれも個性的で不思議な形。堂々と発表するこどもたちの姿には、つくりあげた自信がみなぎっていました。
ファシリテーターインタビュー「コミュニケーション」
(左から)ファシリテーターの山田さんと村田さん
今回のワークショップのファシリテーターを務めた山田さんと村田さんにお話を聞きました。
「今日のこどもたちは、初対面同士なのにワークショップが終わるころにはお互いに仲良くなっていました。そういうのを見ると、ワークショップがうまくいったんだなと思えてうれしいですね」(山田)。
「ひとりで作業を進めてしまうこどもには、“分担してね”とか“手伝ってあげてね”とフォローしています」(村田)。
CAMPのファシリテーターで大切なのは、こどもたちを“見守る”こと。
「手を出しすぎてはいけないというのは、難しいんですけどね。でも、たとえば泣いてしまった子がいても、“どうしたの?”とは聞きません。放っておいてほしいと思っているだろうし、ファシリテーターよりも同じペアを組んでいるこどもがフォローしてあげるほうが、立ち直りも早いんですよ」(山田)。
ファシリテーターとして、「こどもたちの気持ちにもっと近づきたい」という山田さんと村田さん。その言葉が表すように、こどもたちと話すときには自然と目線が同じ高さになっていました。そうやってこどもたちと心をあわせながらも適度な距離を保つことに、こども同士のコミュニケーションを促すヒントがあるのかもしれません。
(2008年8月 取材:カフェグローブ・ドット・コム 小川幸)
キッズデザイン賞
キッズデザイン賞は、こどもの安全・安心の向上、健やかな成長発達に役立つ製品、コンテンツ、活動、リサーチなどに対して贈られる賞。製品に限らず、コンテンツやシステム、自治体などの活動も対象です。CAMPは第1回目の2007年度に「審査委員長特別賞 社会貢献企業賞」受賞を始め、「クリケットワークショップ」「ふくのりゆうワークショップ」が受賞、第2回となる2008年度は「くうそう・しょくぶつ・図鑑ワークショップ」、「デジカみしばいワークショップ」がコミュニケーション・デザイン部門においてキッズデザイン賞を受賞しました。